トニー・マカパイン
トニーは3歳ごろからピアノを始めたらしい。いわゆる
英才教育だが、この手の教育は失敗に終わることもしばしば
であることは良く知られている。
トニーの場合は、幸いなことにそうではなかった。
彼の才能は本物だったのである。
ギターを始めたのは11歳ごろからということだと思った
が、違うかもしれない。いずれにせよトニーは、ピアノによる
インプロヴィゼーション不得手の克服のためにギターを手にした
そうだ。
もともとピアノを習っていたというギタリストは、結構
多いものだが、トニーの場合、その本格度はプロピアニスト
並。リストの超絶技巧練習曲やショパンの難曲なども
アルバムに収めたり、ライヴで演奏したり
している。
マイク・ヴァーニーに送ったテープが認められてプロデヴュー
したトニーだが、それはネオクラシカル旋風が吹き荒れている
さなかの事だった。
結果的にピアノの英才教育も相俟って、彼のソロプロジェクト
の殆どはネオクラシカルな作風であり、特に初期のアルバムは
完成度こそずば抜けているものの、今聴くと、正直つらいものが
ある。
個人的にソロ作で気に入っているのは『freedom to fly』、
『live insanity』、『premonition』の三枚。
最近のトニーは、バンドプロジェクトを二つ掛け持ちしており、
それらはCABと、PLANET Xというのだが、この二つは
前者がフュージョン路線で、後者がプログレッシヴハードという
感じ。
ということでCABとPLANET Xは特にお勧めです。
トニーの特徴の一つしては、”スピード・キング”とも称される彼の
猛烈な速弾き。しかもそのプレイは両手の動きが完璧に一致している
と言う点が特筆。
上昇スウィープの後の下降はノーピッキングで音が出てしまうあたり
、やはりピアノ巧者の面影を感じてしまう。
戻る