ANGRA

ANGELS CRY
96点
ブラジルが生んだ奇跡のメロディックスピードメタル、ANGRAのデビュー作。 (vo)のアンドレ・マトスを中心にメンバー全体の演奏技術も高く、B級バンドの多い南米においては奇跡が生んだA級バンドだとおいってもいい。クラシカルなフレーズを多用するヨーロピアンメタルを源流にブラジル民族の音楽を取り入れた音楽性はハロウィンのパクリとか言われようが、十分オリジナリティを確立した音楽と言える。
1曲目のクラシカルなインストから一転して、疾走する、超弩級悶絶疾走チューンCarry onが始まると体内に眠っているメタルアドレナリンが一気に放出される。3曲目のTimeはHR調の曲。4曲目Angels cryは緩急を織り交ぜた楽曲。ちょっと強引な展開なんだけど悶絶度高し。5曲目のStand Awayは静かな出だしからサビにかけてヘヴィな展開になってくる曲。サビのクワイアが印象的。6曲目のWuthering Heightsはケイト・ブッシュのカバー。さんまの恋の空騒ぎの曲として有名。8曲目のStreets Of Tomorrowはヘヴィで力強い曲。サビはポップで聴きやすい。9曲目のEvil Warningは"Carry on"と並んで今作の最重要楽曲の一つ。、この曲も緩急が激しい。間奏が凝っており、ヴィヴァルディの"冬"のフレーズを導入したりしていて非常に興味深い楽曲だ。神秘的な感じのするアレンジもよい。10曲目Lasting Childは壮大なバラード曲。アンドレの声が映えている。
(vo)アンドレ・マトスの歌声はメタルとしては柔和な声で裏声を多用していて、好き嫌いわかれるタイプ。その声の影響で、彼らの楽曲は他のメタルより優雅に聞こえる感じがする。このバンドの大きな魅力の一つとして挙げられるのは(g)キコ・ルーレイロの完璧なテクニック。彼はほんと凄いギタリストですよ。
全体的に疾走曲が多いわけではないので、疾走曲ばかりに耳がいく人には物足りなさを覚えるかもしれない。しかしメタル史の中でも屈指の悶絶盤なので、このアルバムを聴く価値あり。

HOLY LAND
86点
衝撃のデビュー作に続く2ND。1stよりブラジル民族色を強めており、印象は薄いが内容は濃いものとなっている。"nothing to say"、Z.I.T.Oなどのキラーチューンもあるので聴き応えがある。ただ、やっぱりちょっとパンチ力に欠ける作品だなぁ。


Fireworks
91点
アングラの3rd。メタル回帰、シンプル化などと騒がれ、問題作とされたこの作品だが、一聴した感じ、非常に高品質。
ポップな作風の疾走曲1曲目Wings Of Reality中間部のスローダウンする部分が良い。2曲目は潤い溢れるギタープレイから疾走する"Petrified Eyes"緩急がうまく使われており、結構グッとくる。こじゃれた雰囲気が漂う美旋律曲3曲目"Lisbon"は、派手さはあまり無いが、その美旋律は鳥肌もの。続くは疾走曲"Metal Icaros"はこの作品を代表するキラーチューン。アングラとしては荒々しい楽曲。ギターソロもかっこいい。5曲目"Paradise"6曲目"Mystery Machine"はミドルテンポでいい感じの楽曲。7曲目"Fireworks"はバラード曲。この曲も緩急がうまく織り交ぜられており、満足感高し。8曲目もミドルテンポヘヴィチューンExtreme Dream。9曲目は中間部のピアノ導入部が美しい"Gentle Change"そして、激走チューンSpeedで幕を閉じる。(今回購入したCDは日本盤では無いため、ボーナストラックが無い。)
全編通して感じる事はアングラの作品の中で最もギターソロがかっこいいと言う事いうこと。"ANGELS CRY","REBIRTH"に比べると地味な作風のものが多い様な気がするが、この作品からしか感じられない魅力と言うものがこのアルバムには存在する。とにかく周囲の評判だけを気にして、この作品を聴いていないというANGRAファンには是非聴いて欲しい。ほんとメッチャかっこいいギターアルバムだから。

REBIRTH
97点

バンドの御大である(vo)Andre Matosとリズム隊が脱退するという致命傷を負ったANGRAが新メンバーを迎えてこの世に放った起死回生の一発。
インストから、劇的なイントロで幕を開けるNOVA ERAは超悶絶涙腺刺激疾走チューン。このバンドが完全復活した事を楽曲で証明してくれる。彼らの代表曲"Carry on"よりもコンパクトにまとまったこの作品は、これから彼らのアンセムになっていく事は間違いない。3曲目のMILENIUM SUNはピアノ調から始まる曲。その後ヘヴィな展開に新ヴォーカリスト、エドゥ・ファラスキの堂々としたヴォーカルが良い。4曲目は大仰なクワイアから始まるヘヴィチューンACID RAIN5曲目はしっとりした出だしから始まるHEROES OF SANDその後力強い展開になる。このアルバムの中で最も哀愁を感じさせる楽曲だ。続くUNHOLY WARSはANGRA史上最もアグレッシブな曲調。最初ブラジルっぽいノリノリの展開から一転して激走メタルチューンへ。最初と最後のブラジル的なノリは賛否両論だろうが、個人的にはあり。7曲目はタイトルチューンREBIRTHこの曲も哀愁が漂っていていい感じ。メロディの美しさ、ヘヴィさ、展開の美しさを味わえる佳作。8曲目はJUDGEMENT DAYは出だしのドラムが気持ちいい。9曲目のRUNNING ALONEはポップチューンだが、どこと無く切なさを孕んでいる。間奏部のピアノ導入部が非常に良い。今作において"NOVA ERA"とならぶ楽曲で涙腺刺激されまくり。10曲目VISONS PRELUDEは壮大なピアノバラード。ラストのBLEEDING HEARTはクラシカルなバラードの10曲目とは異なるモダンなバラードチューン。
(VO)エドゥ・ファラスキは前任者の柔和なタイプとは異なり、男っぽい剛健な声。ややエレガントさが失われてしまった気がしないでもないが、パワーチューンや哀愁漂わせた曲なら断然、エドゥが上手。筆者は勿論エドゥ派。また、驚きなのは、彼のコンポーザーとしての実力。既にキコ・ルーレイロ、ラファエル・ビッテンコート(もう一人のギタリスト)とともにこのバンドの中枢をになっている。
でも、ANGRAは凄いわ。JPOPしか聴かない人にわかりやすくいえば、降谷健志が抜けたDragon Ash。桜井が抜けたミスチル。そういった状態から立ち直ってきたのだ。この不屈の精神に惜しみない拍手を贈りたい。そしてこれからもメロディックスピードメタルの王者として他の追随を許さぬバンドでありつづけて欲しい。