BLIND GUARDIAN

SOMEWHERE FAR BEYOND
90点
ジャーマンメタル黄金期を牽引バンドの一つ。 ファンタジー色の強いバンドであるが前編にわたって荒々しい雰囲気が漂っていて、昨今のシンフォニックなものよりも無骨な感じが漂っている。どうやらこの作品当たりが全盛期のようで近年の作品は煮え切らないものが多いらしい。(この作品しか聴いた事が無いんですよ。)因みに10年以上前の作品であるとはいえ、中古CD屋で\580で売られているのをみてなんちゅう過小評価した値段やと思った。(それを買ったんやけどね(汗))
さて、この作品の内容の方だが、メタルらしからぬ、フォークっぽいアコギから始まる荒々しい疾走曲"Time What Is Time"で幕を開け、続く2曲目"Journey Through The Dark"もジャーマン好きなら美味しい疾走曲。3曲目は一転して何と57秒という超短縮系バラード曲。4曲目は哀愁を孕んだドラマティックなミドルチューン"Theatre Of Pain" 現ガンマレイのカイ・ハンセンが参加したなんかどって事ない曲の様に思えながらも耳に残る緩急を巧く織り交ぜた"The Quest For Tanelorn"。6曲目は駄曲といえば駄曲かもしれないが、まるでMT車がシフトアップして行くようにテンポアップして行くサビの部分がなかなか興味深い"Ashes To Ashes"。続く、嵐のような楽曲が続いた後に、束の間の静粛感を与えてくれるアコギの音色が美しいThe Bard's Song-In The Forest〜The Bard's Song-Hobbit"そして短いインストなりも、バグパイプの音色がこれから始まる疾走曲の幕開けを告げると続く今作屈指の悶絶チューン"Somewhere Far Beyond"。バグパイプや鐘の音が導入されていたり、荒々しい疾走曲の中にも細かなこだわりを感じさせる。まぁ残りのボーナストラックの3曲もそれなりのレベルのものを持ってきている。
(vo)のハンズィ・キルシュは荒れ声で歌うタイプのヴォーカリストで、そのての歌い方が嫌いな人にとっては疲れる声ではあるが、この人なりの味というものがある。このバンドの作品自体、同じくジャーマンメタルをリードしてきたハロウィンに比べると、より荒々しく、さらにドラマティックな感じ。この作品に関しては、最高峰のレベルといっても過言でもないが、近年の作品はちょっとだめっぽいからねぇ。まぁでもこの作品はいいよ。ジャーマン好きなら買いです。

A NIGHT AT OF THE OPERA
79点
巷での評価が今一つだったので、一抹の不安を持って耳にした今作。1曲目の"PRECIOUS JERUSALEM"が流れた瞬間、「これがブラガ?」と感じた。確かにこの1曲目、そして今作屈指のキラーチューン2曲目"BATTLEFIELD"などは新機軸とも呼べる魅力を帯びているし、他の楽曲も以前のブラガにはなかったものを持っている。ハンズィ・キルシュも今作以外で彼らの作品で唯一聴いているSOMEWHERE FAR BEYONDの時に比べると、別人レベルに表現力をアップしている。今作は巷の評価よりもっと評価されるべき作品なのかもしれない。しかし、それはブラガだという認識を捨てればの話だ。他の人の考えはわからないが、少なくとも自分がブラガから見出していた魅力は暴風雨のような荒々しさを持ったサウンドだった。その勇壮でドラマティックな中にある無骨さはSOMEWHERE〜で聴いた時は同郷のハロウィンからも感じられない魅力であった。他のバンドとの比較という点においても、このバンドの存在価値の観点からもこの点は重要だった。その荒々しさが彼等特有のドラマティックな展開と相乗効果になり、他からは得られない高揚感をもたらしてきた。今回の作品は飛ぶ鳥を落とす勢いのラプソディーを意識したか、やたらクワイアを重ねた楽曲が多く、やたらオペラティックだ。元々ラプソディーのヴォーカルはオペラティックな声だからいいが、ハンズィは思いっきりメタルな声やん。もっと純粋なメタルの魅力で勝負した方がいいんじゃないかな?また、今回1曲単位にせよ、アルバム単位にせよ、楽曲自体にメリハリがないって言うか、ずうっと同じ波長のものが続いて正直、しんどいのよね。 今回の作品で問題なのは、疾走曲が少ないとか以前に、ヘヴィメタルバンド、ブラインド・ガーディアンとしての魅力が失われてしまった事にあるのではなかろうか。まとまりがよくなる事が必ずしも、いいほうに傾くとは限らない。やっぱりこのバンドはいつまでも無骨なままでいて欲しいというのが、自分の希望である。