SONATA ARCTICA

ECPLITICA
97点

北欧の蒼き星、ソナタアークティカの1st。はっきり言ってマイツボにメガトンヒット(あばらわっ!)。当時(vo)のトニー・カッコこそ24歳だったものの、他のメンバーは18、9そこそこの若者たちが、これほどのハイクオリティーのものを仕上げてくるとは、まさに叩き文句のとおりメタルメシア。楽曲面も充実。トップを飾るBlank File。出だしから最後まで悶絶させられまくりのこの疾走曲は、今後彼らにとってはずす事のできない楽曲となるだろう。2曲目のMy Landも緩急を上手く織り交ぜた佳作。6曲目のFull Moonはラナウェイ♪ラナウェイ♪というサビのフレーズが耳にしがみつきまくり(いい意味でね)。8曲目 ののUnopenedの美しすぎるメロディセンスには脱帽。そして本編を締めくくる7分を超す疾走曲10曲目"Destruction Preventer"とまぁ、あなたを毛細血管までソナタ色に染めてくれる事間違いなし。ソナタアークティカというバンドの凄さは、おそらくこのバンド、メタルというジャンルを超えて、普通の音楽しか聴かない人でも共感できる可能性があるということではなかろうか。ラプソディーやアークエネミー。確かに凄いバンドだが、これを非メタルの人に聴かせてもあまり響いて来ないだろう(メタルリスナー因子を持つ人を別として)。彼らが日本音楽界を洗脳する日がやってくるかも(してくれっ!)
Sucesser
84点

ソナタの1stと2ndのつなぎに出された作品にしてソナタを初めて聴いた作品。ちゅうかサイモン&ガーファンクル(ふるっ!)を買って以来メッチャ久々の生涯の中で洋楽2枚目購入。それまでは邦楽占有率99%、メタルは聴いてもSEX MACHINEGUNSくらいのもんだった。そんなあっしを一瞬にして海外のメタル作品に目覚め指したのがこれ。4曲目のSan Sebastianが流れた瞬間。あっしの音楽の好みが毛細血管、足の爪の先、傷んだ毛先に至るまで、海外メタルに傾いた。その後、CDを買いあさりまくり、似たようなバンドのわずかな個性を見出して買いあさり、それを聴いてにんまりする毎日。かっ、金けぇせ!話が横道にそれたが、この作品自体ヒットするのはその4曲目だけ。後のライブヴァージョンは…。まぁ悪い意味で若さがみなぎってます。ちょっとまだライブは要改善かと。どうでもいいけど"Full Moon"で声がひっくり返って舌を鳴らして照れ隠ししているトニーってお茶目だなぁ(笑)

Silence
95点

はっきり言って、1stと2ndの間にリリースされた"Sucesser"は僅かばかしファンに不安要素を与えたに違いない。しかしその不安要素を払拭する会心の作品を作ってきたあたり、さすがソナタアークティカ。作品全体の印象は基本的に前作と大幅な変更なしだが、専任キーボーディストミッコ・ハルキンの加入による(もうすでに脱退しっちゃたけど)シンフォニックなアレンジがよりました感じ。期待を誘うインストからソナタファンを歓喜の渦に巻き込む悶絶疾走チューンWeballegyに突入。それに続く3曲目、シンフォニックなアレンジが特徴の"False News Travel Fast",狂おしいバラード曲"The End Of This Chapter"様式美チックな"Black Sheep"など捨て曲は見当たらない。でもやっぱつまるところは"Weballegy","San Sebastian","Wolf&Laven"の三曲の疾走曲がすごいという事になるのだろう。ボーナストラックが本編の間に挟まれているという変則的な曲順だが、この曲もなかなかいきのいい曲でいい感じ。ラストの"The Power Of One" は冗長な感じがする曲。よく聴けば悪い曲ではないが、この名盤を締めくくる曲としてはやや不満。ラストの選曲だけは失敗したような気もする が、全体を見回せば、とんでもなくハイクオリティ。また、各メンバーの成長幅も大きく、特に(vo)トニー・カッコ、(g)ヤニ・リマタイネンの成長に驚き。


WINTERHEART'S GUILD
90点
ついにでたぁ!メタルメシアの新作。キーボード奏者ミッコ・ハルキンの脱退により、ゲストとして超絶キーボーディストイェンス・ヨハンセン(STRATOVARIUS)が参加している。また、彼が参加していない楽曲では、再びヴォーカルのトニー・カッコがキーボードを兼任しているようだ。
内容の方だが、今までの"ECPLITICA","SILENCE"とたしかに若きメタルヒーローとしての魅力に満ち溢れたものであったが、これまでの作品はたぐい稀なメロディーセンスを持ちながらも、ある種まだまだ未完の部分を残す若さで勝負をしてくるバンドであった様に思える。今回はそうではなく、あきらかに若さが持つ魅力ではなく、ヨーロッパメタルシーンを牽引するバンドとしての貫禄に満ちた作品になっていると思う。そして、そうした貫禄に満ち溢れながらも、新たな音楽の可能性に挑戦しようという意欲が感じられる作品だ。
1曲目のAbandoned,Pleased,Brainwashed,Exploitedは前作、前々作の1曲目は明るめの疾走曲という雰囲気から一転してやや寂しげな感じが漂うソナタ得意の北欧的極寒哀メロ悶絶疾走チューン。ギターソロと呼べるものが皆無なのが痛いが、歌メロがツボをつきまくりんこ。2曲目はキーボードの音色が美しいスローテンポからテンポアップする"Gravenimage"。3曲目はイェンス・ヨハンセンのキーボードソロ全開の悶絶疾走チューン"The Cage"4曲目もイェンス参加のSilver Tongue"5曲目は美しいバラード"The Misery"。出だしをはじめとするキーボードによるシンフォニックなアレンジがあまりにも美しい6曲目の悶絶曲"Victoria's Secret"7曲目は6曲目とつながっており、意識してないと6〜7曲目で1曲と思ってしまう曲Champagne Bathはヤリのギターとイェンスのキーボードがいい感じで交差し合います。また、中間部分にソナタ(イェンス)らしからぬお軽いアレンジが導入されており、遊び心に飛んだ楽曲となっている。8曲目のBrokenはミドルテンポの曲で、トニーの表現力の増したヴォーカルが見せ場になっている曲。続くボーナストラック、9曲目のThe Rest of the Sun Belongs to Meはいきのいいの疾走曲。前作同様ボーナストラックは、ボーナストラックとしての役割以上のものを持ってきている。ちょっとギターソロのあたりがちょっとリズム隊とずれた感じ(勿論故意だろうけど)でちょっと好き嫌いわかれるかも。続く、10曲目のThe Ruins of My Lifeはバリバリの激走曲。これもソナタ節満載の曲で、これもまた展開の激しい曲で後半スローダウンして、最後にスピードアップする感じ。この曲のラストも賛否両論だろうなぁ。11曲目の静かなバラード曲Draw Meで幕を閉じる。
今回耳を惹くのはトニー・カッコのヴォーカリストとしての成長。問題のあるライブでの歌唱力は改善されているかどうかはわからないが、スタジオ収録のものを聴いている限り、前作よりさらに幅を利かせた表現力豊かなヴォーカリストに成長している。また、(g)ヤニ・リマタイネンも作を重ねるごとに完成度を増してきており、頼もしい限り。
彼らほどの存在になると難しい問題が変化し続けるか不変でありつづけることかということだと思う。変化し続ければ、HELLOWEENのように今の音楽を評価するというリスナーがいる一方、昔の黄金時代に執着するリスナーもいる。また、STRATOVARIUSのように変わりつづけないようであれば、それはそれで批判を受ける。今回の彼らは大きな変化をしないが、細部で新たなる試みを見せるということで、過去の作品より冒険し、それでいて、自分たちの良い部分を残しつづけるという難しい事をやってのけようとしたように思える。このアルバムでは、まだ彼らがやろうとしているヴィジョンがまだ明確に見えて来ない点があるというかなんというか。すこしまだ煮え切らない点(ギターソロ以外の部分でギターの音が希薄な曲が多い、次の曲につなげようと言う意識があるため、1曲1曲の終わり方が中途半端な曲が多い、イントロが中途半端。)があるのも事実(実は最初にレヴューを公開したときにこの点を黙認し97点と言う高得点をつけていた。レヴュワー失格)。また、前作の3曲の疾走曲のような絶対的キラーチューンという点においても「絶対これがいい」というやつがあるかというと疑問。やっぱ好きなバンドだろうが本音を書いた方がいいと思い修正。ただ、もし今回が過去作品を踏襲しただけのものならば、このバンドの限界を感じてしまうし、次の作品の布石としては重要な作品であると言えるのではなかろうか。
今回の作品は賛否両論あるだろうが、その真価は次作で決まると思う。 ソナタは高い評価を受ける一方で結構非難対象にもなっているが、これほどのメロディーメイカーはいないし、また、その類稀なメロディーセンスはメタル人間と非メタル人間を同時に満足させる。稀有なバンドだと思う。認める認めないは人の勝手だが、これ以上に将来を嘱望できるバンドは他に見当たらない。