我が心のベーシスト様

by Kodai Yamase

照井

照井利幸(BLANKEY JET CITY)

あれは今から10年前。RCは解散状態。テレビではバンドブームと名をかたったクズのような音楽が溢れ、私は日本のロックというものに失望しかけていました。
そんなとき突然あらわれたのがBLANKEY JET CITY。
彼等はまさにロックの救世主でした。
70年代イギリスのグラム・シーンでもてはやされたのが「キャンプ」と言う精神概念でした。
それは、老人の明晰さと少年の純粋さを持つ、というもので、BLANKEYの音楽を聴く度にこのことを思い出さずにはいられません。
たとえば2nd「Bang!」収録の「Bang!」のなかで歌われている「クールなロックみたいに汚れ知らず」というフレーズはそのままBLANKEYに当てはめられるのではないでしょうか。
そして聴いてる者の血潮を煮えたぎらせる怒とうのスピードナンバー。

そんなわけで今回はBLANKYのボトムを支え続けたベース=マン、照井利幸です。

さて、ベーシストの役割って何でしょう。
リズムをキメる?バンドのボトムを支える?ベーシストの数だけ答えはあるだろうし、永遠に正解の出ない命題なのかも知れません。

ただ、メンバーの編成がシンプルになればなるほどベーシストに求められるものは自ずと増えてくるのではないでしょうか。バカの一つ覚えのようにルートだけ刻んでりゃいいてもんじゃないのです。

とくにロックにおいて様々な3ピースバンドをみても、THE POLICEしかりMOTORHEADしかりTHE JAMしかり。BLANKEYにおいての照井氏もまたしかり。

時にはグルーヴあふれるリフを黙々と刻み、時にはドラムとともにバンドを疾走させ、時にはメロデ ィックなフレーズで曲をグっと引き締める。

ベーシストのとっての1つの理想形ではないでしょうか。
さらにBLANKEYの野獣ドラマー、中村達也氏とのコンビネーションはまさに「奇跡」としかいいようがなくずいぶん耳コピさせていただいたものです。

特にBLANKEYは「演奏ごとにアレンジやニュアンスが変わる」バンド内ガチンコ勝負をするバンドでその苦労たるや想像を絶するものがあったのではないでしょうか。しかし、だからこそあの素晴らしいバンド=マジックがうまれたのでしょう。

奏法としては比較的オーソドックスでは有りますが、指弾きとピック弾きを曲によって使いわけています。BLANLEYではメロディックなフレーズや横ノリなグルーヴの曲で指弾き、「PUNKY BAD HIP」のような縦ノリの曲ではピック弾き、といった具合です。
それとこの人の大きな特徴で、8ビートでルートを刻んだりする時等には他の弦へ移動するのではなく、同じ弦で移動するケースが多い、というのが有ります。

例えばE-G-A-Dなんて進行が有った場合、すべて4弦のフレット移動で音を出していたりします。実際に弾いてみると分かるのですが、こうすると、高い音域が3弦や2弦の同じ音で出すよりもより、ベースを前にグっと出す事が出来るというメリットが有るのです。

さてさてそんな照井氏の愛器ですが、1stのころは白いボディに黒のピックガード、ローズウッド指板のフェンダー・プレシジョン・ベースとウッド・ベ ース、2ndではプロデューサー土屋昌巳のすすめでギブソンのEB-3 とフェンダー・ジャズベースを レコーディングに、ライヴでギブソン・トライアンフを使用しています。

ジャズ・ベースは72〜3年頃のものらしく、クリーム色に変色したボディとローズ指板、ブロックポジションマークが特徴です。
「SKUNK」以降はもっぱらジャズ・ベースをメインに曲によってEB-3を使う、といった感じのようです。また「ロメオの心臓」の「彼女は死んだ」ではウッドをバリバリ使用しています。
BLANKEY解散後、カルネやROSSO等の活動でもやはりメインはジャズ・ベースを愛用しているようです。

ウッドはオリエンテというメーカーのもので、EMGのPタイプのものと、フォッシュマンのBP-100BASSというピエゾピックアップを取り付けています。
またごくまれにギブソンのEB-2Dをライヴで「悪いひとたち」をプレイする際に使用していました。

アンプはアンペッグを主に使用。エフェクターは基本的に使わんそうです。敢えていうならば1stの「MOTHER」でディストーション、「SKUNK」の「PURPLE JERRY」では卓でフランジャーをかけてるぐらいですな。
ちなみにBASS MAGAZINE2002年5月号に使用機材の写真を含めて詳しい解説とインタビューが掲載されていますので、興味の有る方はバックナンバーを探してみると良いかもしれません。

というわけでおすすめは全部!といいたいとこですが、あえて個人的には「Bang!」「C.B.Jim」「SKUNK」「LOVE FLASH FEVER」あたりでしょうかな。
ROSSOの「Bird」でも全編に照井節は健在で、これからの活動がますます楽しみです。

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