我が心のベーシスト様

by Kodai Yamase

Kieth Richards

KIETH RICHARDS(The Rolling Stones)

おいおい、こいつはギタリストじゃねーか、とお思いのアナタ。この人は時と場合と、この人の都合によっては立派な「ベーシスト」であることもあるのです。
そもそもロックという音楽で、「グルーヴ」というものを実感したのはストーンズの「Sympathy for the devile」でした。
複数のパーカッションに乗り、地を這い、うねるようなフレーズ。まさに「悪魔を憐れむ歌」にふさわしい、悪魔的なベース。
初めてこの曲を聴いた時、「なんだかんだいっても、やっぱスゲーなビル・ワイマン。」と思ったものです。ところがこの曲でベースを弾いていたのはビルではなく、なんとギタリストのキース・リチャーズだったのです。そのときビルはマラカス坦当(涙)。

ビルは元々手が小さかった事から自分で作ったフレットレスベースを中心に、比較的ネックが細く短いタイプのベースを愛用していました。ギブソンSGベースやフェンダー・ムスタング、VOXなどの使用がビデオなどで確認できます。
キースは逆にフェンダー・プレシジョン・ベースを使用しています。フルスケール・ネックならではのハリのある音やプレシジョン特有の太いサウンドがその理由と思われます。ゴダールが撮った「ワン・プラス・ワン」ではアンプはアンペグで、ローズ指板のプレベでレコーディングしています。 そもそも「Sympathy〜」は最初のうちは「You can't always get what you want」のようなゆったりとした曲で、その時点ではキースとブライアン、ミックがアコギを弾きビルもベースを弾いてました。
しかしアレンジがサンバ調のリズミックなものに変わるとチャーリーとコンガ、ビルのマラカスがリズムを作りキースがベースを弾いてベーシックトラックを作っています。(ブライアンはクスリで使い物になっていない)
そのなかで、あのうねるようなベースサウンドにはやはりプレベの太い音が必要不可欠だったのでしょう。

それまでは純粋なギター小僧だったキースが、ブライアンの事実上の戦線離脱と自分自身のソングライター・プロデューサーとしての資質が目覚めると共に、曲をレコーディングしたりアレンジする段階で自分で坦当以外の楽器をプレイするようになっていった時期でもあります。
その手始めとしてはギターからすんなりコンバートできる、そしてアレンジ的に重要であるパートである、という点からベースを選んだのだと思います。
これに味をしめたのか、TV特番として製作された「ROCK'N ROLL CIRCUS」では、ジョン・レノンやエリック・クラプトンらとThe Dirty Macというバンドを組み、ベーシストとしてビートルズの「Yer Blues」をプレイしています。
このときも前述と同じものと思われるプレベでなかなか男臭くもセンスのいいプレイをしています。

これ以降ビル以外の人間がベースを弾くストーンズナンバーが出てくる事になります。やはりギタリストだったミック・テイラーやモータウンで活躍していたウィリー・ウィークスなどがその一例です。
ベーシストとしては、ビルの心中が穏やかでなかった事は容易に理解できるのですが、挙げ句の果てにビルが脱退を臭わせるコメントをしても「ちょうどもっとファンキーなベーシストが欲しかったんだ」などとのたまうんだ、このオヤジは。そりゃ脱退もするっつーの。

というわけで、キースに限らずギタリストが弾くベースは、ベーシストのそれと比べてメロディックだったりして、なかなか参考になると思います。そういえば、「Tumblin' Dice」ではミック・テイラーが良いベース弾いてたなぁ。

お勧めは・・って、そんなに音源ないんですが、やっぱり「Sympathy For The Devile」を聴いた事無い人は必聴。映像ではゴダールの「ONE+ONE」が「Sympathy〜」のレコーディングをドキュメンタリーっぽく撮ってますのでそちらも。

ってなところで、今回はこんなところで。次回をお楽しみに。SEE YA!!

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