by Kodai Yamase
あれは今から15年前。まだ汚れを知らぬ少年だった私はテレ朝でやっていた小林克也の「ベストヒットU.S.A.」をきっかけに洋楽の世界へとはまっていったのでした。毎月少ない小遣いからMUSIC LIFEを買い、つまんない授業中にこっそり読んでたりしていたものです。
そのころはL.Aメタル・ブームでRATTやMOTLEYがグラビアを飾っていましたが、当時DURAN DURANのファンだった私は「うわ〜ケバイな、こいつら。こんなの聴いたら不良になっちゃうなぁ〜」等とこっ恥ずかしくも可愛らしい事を考えていました。そんなこんなでHR/HMはあまりマジメには聴いていなかったのでした。
そんな時、同じクラスの岡本君が当時西武球場で行われた「SUPER ROCK '84 IN JAPAN(デビュー当時のBON JOVI、M.S.G.、ジョン・サイクス在籍時のWHITESNAKE等が出演)」を栃木の山奥からはるばる観に行き、YMOファンから一転、HR/HMの住人と化したのでした。そんな彼からある日「これ、ゼッテーカッコイイから聞いてみな」と、90分テープ一杯にいれた「BEST OF HR/HM」を渡されました。
「え〜ハードロックぅ〜?」
などと思う事半分、せっかく作ってくれたんだし聴いてみっか、などとと言うまさにハンパなクソガキの気持ちはA面1曲目で吹っ飛ばされたのでした。
それがSTEVE HARRIS率いるIRON MAIDENの「Aces High」だったのです。
IRON MAIDENに関してはもはや説明は不要でしょう。泣く子も黙るHR/HMのドン。脱退していたBRUCE DICKINSON、ADRIAN SMITHが復帰し、ニューアルバムをリリースしたのは記憶に新しいところです。
そのIRON MAIDENでメインコンポーザーでありベーシストでもあるのが今回紹介するSTEVE HARRISです。 それだけでなく、IRON MAIDENをIRON MAIDENたらしめているのが彼のベースと言えるでしょう。
低く構えたブルーメタリックのプレシジョン・ベース、2フィンガーで弾き出される攻撃的なフレージング。 あのバキバキした特徴的なサウンドを聴いて、最初はピックでアタックの強い弾き方をしているのかと思っていましたがライヴビデオ等を観てブっ飛びました。
2フィンガー、しかも弦はラウンドワウンドではなく、表面のツルっとした、ジャズやブルーズ向きのフラットワウンド。 しかも通常の2フィンガーとチョイとピッキングのしかたが違っていて、弦をボディやP.Uに叩き付けるような感じ、弦をはじくというよりは強めのアタックでピアノを弾いていると言った感じでピッキングしています。
実際にこれでベースを弾いてみると分かるのですが、これがなかなかしんどい。ルートや、ちょっとしたリフならまだしも早いフレーズや弦飛びのあるオカズなどでは、どうしても追い付きません。ましてやこれでライヴやるとなると・・。
また、ラウンドワウンドの弦でさえあの音を再現するのは簡単な事ではないのにフラットワウンドであの音を出すにはかなり強いピッキングと持久力を必要とされるでしょう。
フレージングに関しては、主にベースで作曲するらしく彼のラインがそのままメインのリフとなり、バンドサウンドを牽引してしていくというのが大きな特徴です。またオクターブ上でのフィル・インや、アルペジオ、コード弾きなどテクニカルかつ印象的なラインを弾いています。BILLY SEAHANがメジャーになるまではBEST BASSISTの座を欲しいままにしてたのは当然と言えるでしょう。
そんな彼の使用ベースですが、もはやトレード・マークと化したメタリックブルーのボディにローズ指板のフェンダー・プレシジョンがメインです。市松ペイントのものもたまに使用している様です。また「Aces High」のビデオではサンダーバード・シェイプのベースを使用していましたが、これはカナダのメーカーLADOと一時期エンドースしていたもので現在は使用していないそうです。
さて、お勧めですが1st「IRON MAIDEN」から5th「POWER SLAVE」まではどれを聴いてもハズレはないと思います。曲では個人的な見解ですが「Aces High」「Running Free」「The Number Of The Beast」あたりが曲的にもベース的にもオススメ。
余談ですが先日、都内某所にて有線のHR/HMチャンネルを聴いてたらRATT、MEGADETH、KIXなんかの後に初期のIRON MAIDENがかかってウチのハニーと感動してしまいました。
・・・岡本君元気かなぁ・・・。
ってなところで、今回はこんなところで。次回をお楽しみに。SEE YA!!