BASS MANIMAL

by Kodai Yamase

「弦」について。

さて、ベースを弾くにあたってこれまた欠かせないのが弦。
何てったって、これがなくちゃ音を出そうにも出せない。
どんなに高いベースでも、弦が張ってなければ木と金属で出来たオブジェ以下の代物となってしまうのだ。

ベース弦は、様々なメーカーから様々な種類、価格、仕様で発売されている。
種類は、ステンレスやニッケル製で最もポピュラーなラウンド・ワウンドや、ナイロン等で造られたフラットワウンド、両方をネック側とピッキング側半分づつにしたハーフ・ワウンドがある。
価格は、4弦の場合1000円でツリのくるものから6000円程する高級ブランド物まで。

後は、それぞれの弦のゲージ、となるだろう。一般的に「レギュラー・ゲージ」として売られているのは 1弦が0.45くらいで4弦が1.00もしくは1.05辺りのセットだろう。
これらは自分の好みや懐具合で決めてもらう他無い。

スラップをバリバリやりたいのにフラット・ワウンド買っても意味ないし、第一ラウンド・ワウンドに慣れてしまった左手ではあの弦の「ツルッ・ヌメッ」とした感触はいつもはパンツの中で右側に座している愚息が左側にいってしまった、というか足の小指の関節部分を蚊に刺されたような、むず痒くも気色の悪い感じがしてしまう事請け合いだ(あくまで個人的感想なのであしからず)。
俺も、いつもはダダリオの0.45〜1.05を使っていたのが金がなくて某楽器屋オリジナルの500円くらいの物を張って耐え忍んだ経験がある。ただ、やはり「安かろう悪かろう」はあって、張ったばかりなのに既に弦が黒っぽく酸化してたり音がミョ〜にこもってたりして「これなら張り替えない方が良かったじゃんか!フザケンなよイ○バシ!!」なんて事が少なくなかったりした。

そんな失敗をくり返しつつも、ライヴが無い限りは大体月イチくらいで弦を交換しているのだが切れてしまったのならば仕方ないとして、なぜただでさえ安くはない弦を、わざわざ張り替えねばならないのか?

まず第1に古い弦だと、音のヌケが悪くなる。どんなにアンプのトレブルを上げても、バンドで弾いてると、音が埋もれてしまうのだ。かろうじて低音を体感する事で自分がベース弾いてるのが分かる、という、実に哀しい事となる。スラップをやる人や、バキバキにアタックの効いた音が好きな人ならなおさらだろう。
例えば、バンドでGUNS'N ROSESの「RIGHT NEXT DOOR TO HELL」の様なベースのリフで始まる曲をやる時、ベースの音がモコモコだと、実にカッコ悪くなってしまう。

さらにはベースのフレーズが曲中で展開が変わる合図になってたりした日には、バンドメンバーから白い目で見られてしまう事請け合いだ。
大体、自分で弾いているベースの音が聞こえなかったりしまらなかったりすると、非常にストレスが溜まるもんである。精神衛生上非常に不健全で、何のために音楽やってんのか分からなくなってしまうわけだ。
第2にチューニングが安定しなくなる。弦を張りたての頃もそうだが、古くなると、微妙にチューニングが合わせにくくなったり、狂い易くなったりする。この合わなさ加減が、もう、何つうかムカつくのだ。
縫い針の穴になかなか糸が通らない時の焦れったさに似ている。前回にも書いたが、いくら良い演奏をしてもチューニングが合ってなくては台無しなのだ。

第3に、弦が切れ易くなっている。俺がライヴ前に弦を交換する理由の第1位はこれだったりする。
月に1回の交換でも、スタジオで弾いている時に4弦や3弦が

「ブチイッ」

といってしまうのだ。ピック弾きやスラップがメインの人なら良く出くわす事だと思う。
スタジオならまだ良いがこれがライヴの真っ最中だったとしたら...。
プロならまだスペアのベースをささっと持って来てくれるローディが居るから良いようなものの、アマチュア風情の俺としては何よりも避けたいトラブルだ。
いざ弦が切れたらオクターブ違いの音で誤魔化したり、残りの弦のチューニングを変えて切れた弦の代用にするなんてワザもあるにはあるが、なんといっても弾きづらい事このうえないし、大抵1本弦が切れると張力の関係で残りの弦のチューニングが狂うのだ。くわばらくわばら。

そういえば、高校生の頃で古くなった弦を張り替えるにも金がない!なんてとき、雑誌をパラパラめくっていたらある記事に目が止まった。
「古い弦は、茹でると新品同様に蘇る!」 まじかよ、そんなら、もう高い金出して弦なんざ買わなくても良いじゃん。そう思った俺は、好奇心も手伝っていい加減古くなっていた弦をベースからはずし、お湯が沸騰したナベへと突っ込んだのだった。
そしてコタツで待つ事しばし。テレビを観ていたまでは良かったが気がつくと、思いっきり寝ていた俺は慌てて鍋の方へ走った。...そこにはすっかり湯が無くなりカラカラになったナベと真っ白に変色した弦の残骸の様なものがあった。
その後、勿体無いのでその弦を張ってみたのだが、確かに前より音は良くなったような気はする。
茹でる事で、弦についていた汚れやサビ等が取れたからだろうか?これはイケるのか?
しかし、やっぱり、というかその弦はすぐに音が死んでしまい、結局新たに弦を買うハメとなった。

あのエディ・ヴァン・ヘイレンも弦を茹でてから使うなんて事をどっかの雑誌で読んだが、彼の場合は新品の弦を茹でる事でネジレを直したり、「いかにも新品」な音を嫌った為らしい。
大体、茹でて弦が新品同様のクオリティーに戻ったら、弦のメーカー半分以上は潰れるもんなぁ。

最後に、あるベーシストのインタビューから。

Q:どんな弦を使ってるんですか?
A:ベースを買った時に張ってあった弦だよ。

これはこれでイカスなぁ。やっぱりアンタ最高だよ、ダック・ダン!!

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