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日本語に訳すと「海洋療法」。ギリシャ語のタラサ(Thalassa)、海ということばとフランス語の治療という意味をもつセラピー(Therapie)との造語です。日本では美容法のひとつととらえている人が多いようですが、フランスでは、医学療法、予防療法として広く認められており、「海洋性気候、海水、海泥、海砂など海洋資源の効用を利用し、医学的観察のもと治療目的で行う処方」とフランス厚生省が定義づけています。日本に本格的なタラソテラピーの施設が開設されたのは十数年前からですが、ダイエット、美肌、美容、あるいは費用回復の目的で利用されることが多く、治療目的だけで施設を利用する人はまだ少ないようです。

「夏、海で泳ぐと冬に風邪をひきにくい」とか「海に入ったら皮膚病が治った」という話を聞いたことがありませんか。日本でも古くから、海の効用が認められていました。ヨーロッパには、古代ギリシャの医学の祖ヒポクラテスが海水を用いた治療を施していたという記録が残っています。しかし本格的にタラソテラピーが注目されるようになったのは、16世紀にフランスのアンリ三世が、ノルマンディー海岸で皮膚病を治したことから。19世紀にはいると、科学的に海洋療法が研究されるようになります。そしてヨーロッパの海洋性気候の地域にタラソテラピー施設が建設され、富裕層や貴族が保護のために訪れるようになりました。さらに20世紀になると器具や方法が改良され、フランスでは1960年代に大ブームを迎え、現在でもいちばん盛んな国となっています。フランス国内にある70か所ほどの施設は、治療や予防医療のためのものから、美容、記念のためなど目的はさまざま。女優やモデルはもちろん俳優、スポーツ選手、政治家、実業家など男女を問わず、多くの人が利用しています。
  タラソテラピーは、海水、海藻、海泥など、海のさまざまな資源を利用しますが、具体的には、ジェットシャワーなどを用いた入浴療法、プールでの水中エクササイズ、海藻、海泥療法(これらを原料にしたもののパックやマッサージ)、気管支の洗浄や殺菌に効果的な海水の噴霧療法、足のむくみや肩のこりを医療的にマッサージする理学療法、熱砂療法、冷水欲などがあります。その中には、海産物を中心とした栄養バランスのよい食事療法も含まれています。

  日本での利用者は、今のところ女性が中心です。東伊豆のさるタラソテラピー施設の話によれば、男性の利用は3割ほど。施設がスタートして1年足らずではありますが、当初より利用者が増加しており、それにともなって男性の利用も増えつつあるとか。昨今の癒しブームの影響か、あるいは男性にも美容の認識が浸透しつつあるかもしれません。
  日本のタラソテラピー施設は、規模や設備などがさまざま。厚生労働省が運動型健康増進施設として認定している本格的なところもあれば、海藻や海泥の化粧品、タラソテラピーの施術をセールスポイントにしている美容のためのエステティックサロンもあります。技術レベルはまちまちなので、基準の整備が望まれています。


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