もう見ましたか?いま話題の映画

『ハルク』

自分の意思に反して巨大なモンスターに変身してしまハルクの苦悩を描く、アクション・ムービー


『ターミネータ3』に対抗する夏の大作というから、またアクションとバイオレンス満載のお子様ランチかと思いきや、これが見ごたえのある本格的なエンターテインメントに仕上がっているのに驚かされた。さすがは、台湾出身のハリウッドでも注目のアン・リー監督である。特撮を巧みに取り入れた手に汗握るアクション・シーン、複雑な人間模様、そして、科学と人間の関係に鋭いメスを入れる文明論的なテーマ。原作のコミックとはひと味違う「超人ハルク」なのだ。
 主人公の遺伝子学者「エリック・バナ」が、実験中の事故で大量のガンマ線を浴びたことから悲劇が始まる。自分の中に他人がいる違和感を覚え始めた彼は、ある時突然、<怒り>の感情とともに緑色をした巨大なモンスター「ハルク」へと変身してしまう。ものすごい跳躍力に戦車の砲弾さえ跳ね飛ばすパワー。それにしても、なぜ<変身>が起こるのか。元恋人で同僚の学者(ジェニファー・コネリー)の愛と、幼いころに別れた父親で科学者(ニック・ノルティ)らとの確執をからめて、次第に真相が明らかになっていく。
 自分が望まないのに、怒ると自然に変身してしまうハルクの苦悩。そこには遺伝子問題に代表される科学と人間のいびつな関係や、傲慢な人間を問い直す姿勢が垣間見える。
 とはいえ、見せ場は特撮工房−LM御用達の特撮シーン。サンフランシスコの街を破壊しつくすハルクは、まさに「ゴジラ」並みの迫力だ。

『クジラの島の少女』

クジラに導かれた1人の少女が、奇跡を呼びマオリ族を救う。


 マオリ族といえば、1000年ほど前に祖先がクジラに乗ってたどり着いた伝説を持つニュージーランドの先住民だ。後継者を探す現代のマオリの族長は、家を出た長男の代わりに孫娘を溺愛し族長にと望むが、代々族長は男と決まっている。それでも、12歳になった孫娘は族長の血を強く意識する。そのとき、クジラが浜辺に打ち上げられた。古い因習にとらわれたマオリを救う1人の少女の、愛と勇気と涙の感動作。

『戦場のピアニスト』

今年度のアカデミー賞で最優秀監督賞など主要3部門を受賞した話題作。


 1939年、ポーランドの首都ワルシャワ。ナチスによって作られたユダヤ人居住区から脱出して逃亡生活を送るピアニスト(エイドリアン・ブロディ)。ある日、隠れ家でドイツ軍将校に見つかり、ショパンを弾くことに。この奇跡的な生還の実話を映画化したのは、ロマン・ポランスキー監督。自らも幼いころ同じような体験をしただけに、緊迫感あふれるリアリズム演出には鬼気迫るものがある。カンヌ映画祭のパルムドール受賞作。



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