3.1日目
出国審査を終え荷物を取ると、長い長い歩く歩道を通って高速郊外地下鉄(RER)
の駅まで行った。
最初の日の宿はRER(B線)のLuxembourg駅にあったので、ここからなら乗り換えなしで行けたのだ。
駅は日曜日ということもあって人はまばら。さて切符買わなきゃいけない。
最初窓口はちょっと恐いので自動販売機に挑戦。でもなんか良く分からない。
RERとTGVとあってどの自動販売機で買っていいのかも分からない。しょうがないので窓口へ移動。
幸い窓口の壁に"Paris 49F"と書いてあるので値段はわかった。
勇気を出していざ、窓口へ。
「ボンジュール、チケット、トゥー、パリ、プリーズ」英仏ごちゃ混ぜの変な言葉で何とか切符を買う。
「変な外人なんだろなぁ俺、でも通じて良かった」一安心。
電車はすぐにやってきた。始発らしく、人がみんな降りてしまってそこに乗り込む。車内はがらがら。
と、いきなり電気が消えた。真っ暗。しばらくして真っ暗なまま電車は出発。すぐに点いたけどちょっとびっくり。
電車は2駅ほど地下を通って地上にでた。窓から見えるパリの郊外は、空が大きくて、家々もきれいでとてもいい景色だ。
「こりゃえーわ」てな気分。

パリに近づくにつれて人が乗ってくるようになる。
黒人、白人が鋭い目付き(に見える)で座っている。「やっぱり外国だ」と実感もひとしお。パリの中心地に入ると再び地下に潜り、
40分ぐらいかかって目的地Luxembourg駅に到着した。
外に出てみるとそこはもうパリだった。
なんていうかやっぱり建物がきれい。どこを見ても煙突のあるヨーロッパの町並みが続く。
「すげーなー」ぐるっと見回してもう一回[なー」。何が凄いんだかわからないが
とにかくここに来れてよかったー、と早くも少し感動。
しかし、あんまりゆっくりもできない。
宿のチェックインの時間がとっくに過ぎているので先ずは宿に行こう。宿は駅からすぐだった。
中に入り、レセプションにいた女性にFAX(東京で受け取ったやつ)を見せながら
「ボンジュール、東京からFAXで予約したものですが」と得意の英仏ごちゃ混ぜで交渉すると、予約は無事取れているようだった。
その後、部屋を見せてもらいこの部屋で良い事を伝えてチェックイン成功。簡単である。
ガイドブックにも書いてあったけどホテルの人はだいたい英語が通じるので問題無いみたいだ。
部屋に着いてほっとする間も無く早く外に出てみたくなった。長旅の疲れは吹っ飛んでるみたいだ。
キーをフロントに預け、いざパリの町に出発だ!。パリはもう7時を過ぎているのにぜんぜん明るい。
宿の周りをしばしぶらぶらし、早速パリ名物カフェへ行く事にした。しかし本当にパリにはカフェが多い。
日本のコンビニエンスストア、もしかしたらそれ以上あるかもしれない。だから、どこに入ろうか迷ってしまう。
どこのカフェにもフランス人らしき人々がテラスの椅子に座ってこっちのほうをジーっと見てるので、かなり入るのに勇気がいる。
いつまでも迷っててもしょうがないので、勇気を出して角で一番流行ってそうなところに入った!!。
テラスの空いてる席につかつかつかと近寄って座る。小さな直径45センチぐらいのテーブルにメニューが一つおいてある。
(メニューは店の正面に見えるように掲示してあるのでそれを確認してから入ったほうがいい)
さて、。先ず注文を決めなくては。
このカフェでのやり取りは日本で少し勉強したから自信あるのだ。もう答えは用意してある。
「アン、カフェ、シルブプレー」であーる。あと少しおなかすいたのでクロックムッシューを食べたい。
よしこれでいいだろう。ギャルソンを観察するとかなり忙しそうに動いている。
私はギャルソンに気付かれようとするが、私の後ろを何度も通り過ぎてゆく。
テニスの観客のようになりながらやっと目が合って手で合図すると、どうやらわかってくれたようだった。
ギャルソンが近づいてくる。と、
「ボンジュール!」フランス語の先制攻撃だ!ちょっと動揺する。
「アアッ、アンカフェオレ」やばいとっさにカフェからカフェオレに変更してしまった。
それからクロックムッシュー一つはどう言うのだー?頭真っ白・・・
「クロックムッシュー、、、一つね」何言ってんだ俺。日本語だぞそれ。当然めちゃくちゃ怪訝そうな顔してる。
冷静を装いながらもう一度最初っから
「(人差し指を立てながら)クロックムッシュー、ワン、アンド、アン、カフェオレ、シルブプレー」
祈るような気持ちでギャルソンの顔を覗き込むと「OK,That's all?」「イエース」英語で返されてしまった。
ズタボロであーる。しばらく放心状態で人の行き交う道を見ていると、カフェオレとクロックムッシューがやってきた。
なんか味良くわからないけどうまいような気がした。緊張しながら苦労してオーダーしたのがうまくて良かった。
オーダー一つでこんなに疲れていて、この先どうしたらいいのだ。
そんな暗い気持ちで夕焼けっぽくなってきたパリの空を眺めているとどんどん気がめいる。いかんいかん。
気を取り直してがんばっていこう、せっかくパリに来たんだ。そう思い直して会計をする事にする。
ここでもギャルソンと呼吸を合わせるのが大変だったが、私がレシートを持っているのに気がついて
やってきてくれた。100フラン札を出すと腰につけた袋からお釣りをジャラジャラとくれた。
その中からチップとして5フラン硬貨を一つ渡そうとすると、めちゃくちゃ元気に
「メルシー、ムッシュー!!」と言って笑顔を見せてくれた。
なんか、こっちがうれしくなってしまった。カフェでチップを渡せた。それがすごくうれしかったのである。
オーダーでの恥も忘れ「カフェ入って良かったー」と思った瞬間であった。
カフェを出て宿に向かう道はもう夕暮れで人々も少ない。パリの一日目はこうして暮れていった。
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