て、パリも5日目、1日自由に使えるのは今日が最後となるわけだ。
今日はお土産を中心に買い物をする事にする。
買い物といえば、デパートが多いオペラ座周辺しか良く知らないので、ちょうどまだ訪れていなかったオペラ座見学を兼ねてその周辺へ出かけた。
本日もとてもいい天気である。メトロに乗って約20分、オペラ座駅に到着する。
ガイドブックに載っていた綺麗なオペラ座を期待して行ったのだが、なんと残念な事に改装工事中で正面は一面ベニヤの板で覆われていた。
「まさかやってないのかなぁ」と思ったがどうやら中は見学できるようだ。
ベニヤ板の入り口を入くぐって入場券を買い入場する。
中は少々暗いが、豪華な階段、高い天井、いろいろな彫刻がありオペラ座としての風格が感じられる。
「正装してくるところだな、やっぱり」といった社交場としての雰囲気がある。
そんなに見学者も多くなくゆっくりと見て回る。実際の劇場の中も見ることが出来る。
天井には大きなシャンデリアとシャガールの絵。私はシャガールの本でこの絵を見たことがあったが実物はやはりとても綺麗だった。
観客席は思ったほど多くはないけど、その場の雰囲気はオペラにあまり興味の無い私が見てもいいなぁと思えた。
しばらくゆっくりと回ってから出る。
はプランタンへ向かう。プランタン銀座でおなじみのプランタンである。
まず、私のパリの目的の一つである靴購入に向けて、靴売り場へとむかう。
日本同様いろんな靴が並べてある。しかし、品揃えは日本の方が多いかもしれない。
私はある一足に狙いを定め、店員サンをうかがう。ちょうど若い男の人は他のお客さんと話を始めたところで、
暇そうにしているのは、髪の毛の短い(ちょうどひと昔前の水前寺清子みたいな)おばさんだけだった。
ちょっと怖そうに見えるので怯みそうになるが、ここで下がっては変えなくなってしまう。
勇気を絞って「エキスキュゼ・モア?」。
そう言うとやっぱり愛想悪くこっちを向く。これ以上フランス語はわからないので
英語で「この靴を試したいのですが?」と言うと、まだ鋭い眼光でこちらを睨んでいる。
「恐えーなー」と思いながら、もう後には引けないので「サイズは46(ガイドで事前に調べておいた)です」
といってみる。すると私から靴を取り上げ、靴の後ろを調べてやっと口を開いた「これが46だ」
そして近くの椅子を指差す。私は言われるままに椅子に座り靴を履いてみる。
履き心地はいい気がするが、少し指の先に余裕があるようでもある。
「少し大きい」というと、無言で去って行ってしまった。
しばらくすると一つ小さいサイズをもって来てくれた。無言で手渡され履いてみる。
今度は少し窮屈である。「少し小さい」と言うと、おばさんの顔が露骨に曇る。
私は最初のやつを買う事にして「これをください」というとやっぱり無表情にレジにむかう。
やっぱりフランス語を喋らないからかなぁと思いながらカードで支払いを済ませ、靴を受け取る。
買い物は味気なく終わってしまったが、お気に入りの靴を買う事ができ一応満足である。
自分のための買い物は終わったので次はお土産だ。前にも書いたが、パリにはいたるところにアガタ(アクセサリーショップ)
があるので、母親へのお土産はここで良かろうと考えていた。もちろんプランタンにもアガタはある。
一階にあるところなんかは日本のデパートとそっくりだ。
いろんなアクセサリーが並んでいるが、どれも150F以下ぐらいでお手ごろだ。
ネックレスを見つけ、店員のおばサンを呼ぶ。「ボンジュー」。
さっきはフランス語を喋れなかったので機嫌をそこねたかな、と思ったので今回は最初に「英語でいいですか」とうかがいをたててみた。
「イングリッシュ・オーケー?」すると、答えは「ノン」!!。
ほんとかよーーと言いたくなっちゃうけどしょうがない、そう言ってるんだから英語は使えない。
こうなったらもうジェスチャーしかない。私「これ」。おばサン「これ?」。「いや、これ」「これ?」。
「こっち、こっち、こっち」「どれ?」
「それ、それ」「あーこれ」。「そうそう。それ」。
そんな感じでやっとこ買う事が出来た。言葉は重要だね。ほんと。
で、次に向かうのは知り合いに赤ちゃんが生まれたので子供服を買いに へ。
店内はかわいらしい服がいっぱい。いるだけで幸せになりそう。
ただ、お客サンがいないので、店員さんとマンツーマン。
入って右側に服のバリエーションのサンプルが置いてあり、それで商品を確かめるシステムになっているので
、棚の商品に手を出すとあんまりいい顔をしない。
店員のおばさんと相談した結果6ヶ月用の子供服を購入した。
しかし、かわいらしい服だ。赤ちゃんがいる人には是非おすすめ。
さて、しばらく歩き通しなので休憩する場所をさがす。カフェに入るほどではないので、
静かなマドレーヌ寺院へ行く。外は相変わらずの日差しと暑さだが、マドレーヌ寺院の中に入ると、
ひんやりとして、さらに静かで、その厳粛な雰囲気に心が休まる。ここは私のお気に入りの場所の一つとなった。
しばし、休息を取る。
(ここから写真白黒で撮りました。) 体と、心を休ませて、いざ出発だ。次は近くにある「エディアール」である。 日本のデパートなんかにもたくさんあるので有名な店である。 ここの本店がマドレーヌ寺院のすぐそばにある。 思ったより小さな入り口だが、中に入るとかなり広い。 おなじみの赤地に黒のトレードマークのついた商品がたくさんある。 紅茶、ワイン、缶詰め、ビスケット、ジャム、、、その他もろもろ、沢山の品揃え。 紅茶、ビスケットなどを購入する。日本で買うよりかなり安いようだ。 店を出て、ぶらぶらしていると、あの有名なフォーブール・サンノトレ通りに出る。 高級ブランドが軒を連ねる通りである。 みると、ありますあります、グッチ、ランヴァン、フェラガモ、エルメスなどなど。 エルメスを少し覗いてみると、スカーフ売り場には若い日本人が次から次へとやってくる。 店内にお客さんの半分は日本人である。さすがに店の中は世界の超一流ブランド、ゴージャスで いるだけで金持ちになった気分がしてまんざらでもない。商品もよさげな物ばかり。 一通り見学する。 エルメスで目の保養をしてまた、ぶらぶらする。しばらくすると再び疲れを感じる。 さすがにパリ5日目で疲れがたまってきているのは昨日から感じていた。 再び休息をと思い今度はカフェに入ることにした。いろいろ物色をした結果、マドレーヌ寺院の 正面にあるカフェに入った。オレンジジュース(オレンジーナ)とイチゴアイスを注文する。 もうカフェでの注文にも慣れたものだ。注文取りのおばさんにも緊張することなくオーダーする事ができる。 「俺も大きくなったもんだぜぃ」と一人満足げにオレンジジュースをすすると、 どこからともなくアコーディオンの音色が聞こえてくる。 近くの道端で叔父さんがシャンソンの名曲やジャズのスタンダードを上手に弾いているのだ。 すっかりいい気分でお気に入りのマドレーヌ寺院を眺めながら、「おーこれが、パリだね。うん、うん」 とうなずく。「俺はこのひとときを味わうためにここまで来たんだよなぁ」 としみじみその雰囲気を噛み締めた。
5Fのチップをテーブルに残して席を立つ。どうも体の疲れは取りきれないので無理をせず部屋へ帰ることにした。
初日からの疲れは想像以上に体に残っているようで、ホテルに着くとすぐにベッドに横になりたくなる。
仕方ないので今日の行動はここまでにして、最後の夕食だけを外のレストランで取ろうと決めた。
夕方の7時ごろまで部屋でMTVなんかを見ながら、ゆっくりして夕食を食べに出かけた。7時はまだまだ明るいが
お腹は結構すいている。ホテルの近くに”シェ・ジョルジュ”というレストランがあるとガイドに出ていたので
そこに向かう。ホテルからは5分といったところか、
テラスの席に真っ白なテーブルクロスと逆さにしたグラスが綺麗に並べられている。まだ時間が早いのだろうか、
お客さんはいないようだ。店先には白いワイシャツに黒のベストと蝶ネクタイ、白いエプロンのギャルソンの方々が4人立ち話をしている。
「なんか入りずらい」しかし、ここでひるんでしまっては美味いものは食べられない。
勇気を持って店先のメニューを偵察する。メニューは英語版があり助かった。値段は予想通りぐらい。
さて、入るか。さらに勇気を振り絞ってギャルソンに向かって行く。「ボンジュー」。
ひげを生やした一見恐そうな叔父さん(推定45歳)と目が合う。
すると恐そうな顔が崩れて人懐っこい笑顔に変わる「ボンジュー」。やさしそうに返事してくれた。
とってもうれしい。
テラスの席まで案内してくれて、フランス語、英語、それから日本語のメニューまでくれた。
どうやら、ここは結構日本人が訪れるところのようだ。日本語のメニューのおかげで助かったが、
ちょっとこれでは醍醐味半減かな(勝手な俺)。飲み物はエヴィアン、ソーセージとポテトの前菜、
メインに牛ヒレのステーキを注文した。まもなくパンとエヴィアンの一リットル瓶ぐらいのがやってくる。
このパンがかなりうまい。これだけで満足。
このごろから、次第に人が集まってくる。車でやってくる叔父さんもいれば、
おばさん同士で夕食を楽しむ人、商談の後なのかネクタイを緩めてがんがんワインを飲みながら
英語で熱く話し合っている若者。店の前には何かのパーティーだろうか、
おめかしをした若者が待ち合わせに集まってくる。
まわりを観察していると前菜が運ばれてくる。茹でたソーセージとポテトだ。
程よくコショウが効いていてうまい。あっという間に食べてしまった。
隣の家族連れのお父さんがうまそうにワインを飲む。いろんなところから笑い声が飛び交う。
楽しい晩餐だ。
私のメイン、牛ヒレのステーキがいい匂いをさせながらやってきた。
付け合せはフレンチフライのポテトだ。早速ナイフを動かす。
中はほんのり赤く、ブラウンの綺麗なソースの香りがたまらない。
柔らかい肉はちょうど良い焼き加減で、香ばしいソースと共に最高にうまい。うまい。うまい。
ポテトもうまい。フランスのポテトは異常にうまい。
ギャルソンの人が微笑みながらポテトがぎっしり入ったボールを私のテーブルにおいて行く。
「こんなに食えるか!」と思うがうまい食べ物に沢山囲まれて大満足である。
いつ間にかオレンジ色になってきた空を見ながら、涼しい風に吹かれ、こんなにうまいものを腹いっぱいに食う。
まわりからは、明るい話し声と笑い声が聞こえ、「これぞ至福のときだなあ」と思う。
「フランス来てよかったなあ」と心の底から思う瞬間である。
案の定ボールのポテトは食べきれなかった。
デザートだが色々種類があってどれもうまそうなのだが、いかんせんそろそろ腹いっぱいなので、
食べられそうなものが限られる。仕方なく食べきれそうなソルべの盛り合わせとエスプレッソコーヒーを頼む。
ソルべは口をさっぱりとさせてくれてとってもうまかった。
最後のエスプレッソを飲みながら、今日の夕食とこれまでの5日間を思い出し、しばしパリを噛み締めた。
大満足の夕食であった。お腹はパンパンだ。
いっぱいになったお腹を慣らしながらホテルに帰った。
しばらくするとやっと夜がやってくる。11階の窓からはライトアップされたエッフェル塔が見える。
これが夜景を見るのも最後である。綺麗なエッフェル塔を目に焼き付けて、軽い疲労と満腹感の中、眠りについた。