8.6日目
今日はとうとうパリ最後の日である。
ホテルのレストランで朝食を取りながら、本日の行動を決める。
チェックアウトは10時。飛行場へはちょうど都合のいいことに、
ホテルの前からシャルル・ド・ゴール空港へエールフランスのバスが出ているのでこれを利用することにして、
飛行機は11時ぐらいだから8時ぐらいにバスに乗ればいい。
丸一日遊べる計算になるが、昨日までの疲れは完全には取れていないし、11時間のフライトもあることだし、
今日はのんびりと昨日までに見て良かったところ、
もう一度見たいところなんかをゆっくり訪れてパリを締めくくろう。
バイキング形式の朝食は色々食べられていい。うまいクロワッサンをほおばり熱いコーヒーを飲む。
これもうまい。和食派の私もすっかりパン食になった感じだね。まわりにはいろんな国の観光者がわたしと同じように
楽しそうに朝パンを食べている。かわいいアメリカ人の子供、頭から黒い布をかぶったアラブの女性、
まじめそうな黒ぶちメガネの中国人。パリには本当に世界中から人が集まっている事がこの数日間でよくわかった。
そして、世界中の人を惹きつける理由もなんとなくわかってきた気がした。
部屋に帰り荷物をまとめ、チェックアウトへ向かう。
チェックアウトは日本で宿泊費を前払いしてあるので簡単に終了。荷物を係りの人にお願いして今日の行動開始である。
外に出ると今日もいい天気である。結局毎日晴れ、雨はまったく降らなかった。おかげでかなり日焼けしたようだ。サングラスの重要性も実感した。
さて、まず私がもう一度見ておきたいと思ったのはノートルダム寺院とそこから続くサンルイ島の綺麗な町並みである。
メトロに乗る。パリ滞在中メトロには本当にお世話になった。どこへ行くにもメトロだったし、
パリにいるんだなあと最初に実感してどきどきしたのもメトロの中だった。
メトロは私のパリの思いでの重要な一部となったのである。Chateletで一号線から四号線へ乗り換えてSt
Michelで降りる。
少しいつもより時間が遅かったのですでに沢山の人がノートルダム目指して歩いている。
道路に面したお土産物やさんではノートルダムグッズが所狭しと売られている。
上流から下流に向けてセーヌ川に沿って歩くとノートルダムの落ち着いた姿が見えてくる。
「やっぱりいいよねぇ」というのが感想。パリを代表する建物として十分納得である。
ドゥーブル橋を渡ってノートルダムを真下から見上げる形でアルシュヴェシェ橋へ。
近くから見るノートルダムはいっそう迫力があり、その形はなんとも言えず綺麗で荘厳である。
右手に見えるセーヌはうっすらと濁りその上を船がゆっくりと進んで行く、なんとも絵になる風景だ。
そのままサンルイ橋を渡りサンルイ島へ入る。ここからのセーヌの眺めもいい。
サンルイ島は、まだ目覚めていないのか、もともと人があんまり来ないのかわからないけど、ひっそりと静かである。
私が惹かれたのはここにある建物の美しさである。説明するのは難しいが、ここにはとってもいい雰囲気が漂っている。
次はお土産を買いに行く。
サンルイ島からルイフィリップ橋を渡りPont Marieからメトロに乗る。
Chateletで降りるとサン・スタッシュ教会が正面に見えてくる。最初にメトロから地上に上がったときに目に飛び込んできたのが
この建物だった。私はてっきりノートルダム寺院だと思って写真を撮ったのだ。今となって思うと何故だ?と思うけど、
なんとなく似ている感じもする。その脇を通って近くにある店でTシャツを買う。これはお土産。
この付近は商品取引所や中央郵便局がある。しばし、付近を散歩する。
次に向かうのはパサージュ。パサージュとは、簡単に言うと天井のついた商店街みたいな物なんだけど、
ガラスやタイルが工夫されていて相当綺麗に作られているらしく、パリの見所の一つになっているらしい。
パリには沢山のパサージュがあって、それぞれ特徴があるらしいんだけど、ガイドブックで見てよさげだった
へ行く事にした。パサージュの入り口は思ったより小さくて回りの商店と同じ大きさの入り口がひっそりあるだけだ。
しかし、中に入ってみるとその美しさに驚いた。天井から差し込む光はなんとも言えず柔らかく、歩道のタイルも綺麗に並んでいる。
所々にあるカフェではこれまた、うまそうに昼食を食べている。実に美しい光景だ。
日本の商店街のアーケードを連想していた私は大きく肩透かしをくって驚きまくった。「これは見所になるはずだ」
納得、納得である。再び付近を散策する。
ヴィクトワール広場のあたりまでやってきて、そろそろ昼食にする事にする。
行き当たりばったりにどこかいいカフェがないかなーと、歩きながら店頭のメニューを見ていると
太った長い髭のギャルソンが笑顔で「ボンジュー・ムッシュー」と話し掛けてくる
その人懐っこい笑顔に誘われてそのカフェで昼食にした。カフェの人たちはみんな笑顔でそれがとってもいい。
ハンバーグとコーラを頼む。焼き加減はどうする?と聞かれたので少し驚いた。
いつものように大盛りのポテト。うまい、うまい。ハンバーグもでかい。うまい。
すっかり腹もいっぱいになり、髭の叔父さんに感謝しながら店を出る。
さて、次はシャンゼリゼの近くにあるチョコレート屋さん「メゾン・ド・ショコラ」へ向かう。
このチョコレートやさんは、やはり少しグレードが高い外見をしている。大きなガラスのドアを空けて中に入ると、
クーラーが効いてて涼しい。店の中はチョコレートでいっぱい。どれもこれも、育ちが良さそうに並んでおり、
「そんじょそこらのチョコとは違うんです。」という感じがすぐにわかる。
それもそのはず、値段が全然違う。軽く、明治の板チョコの倍以上。
詰められる箱も「いい物でっせー」って感じがひしひし感じられる立派なもの。
おまけに、店員のお姉さんも超きれい。完璧であーる。控えめに小さな箱詰を買っておしまい。
「お土産じゃなくて、俺も食いたい!!]と思ったけど、お金もったいないからいいや、と簡単に断念。
再びシャンゼリゼに出た。相変わらずの人通りだ。ベンチに座って一休み。
結構、小学校ぐらいの少年や少女の団体が目に入る。はしゃいで騒ぎながらにぎやかに通りすぎて行く。
時間は3時過ぎである。どうしようか。もう少しお土産でも買うか。いろんな物があるデパートでも行きますか。
と言う事で、再びプランタンへやって来た。が今日は非常に混んでいる。
特に目に付くのがアジアから来たと見られる少年たちである。みんなでスウォッチ売り場を占拠している。
店員の人も大変である。あっちこっちから呼ばれて、汗だくである。
特に欲しい物の目当てもない私はぶらぶらと歩いて一回りする。
見れば見るほど日本のデパートとあんまり変わらないなぁという感じがしてきて、購買意欲が減少してしまった。
歩きつかれたのと、デパートはもういいだろうと感じたのでプランタン前のカフェでコーラを飲むことにした。
「そろそろ、パリともお別れだなぁ」コーラをすすりながらしみじみと考える。
カフェでの注文も出来るようになったし、メトロにも慣れた。何とかパリの町のこともわかってきたのかなと思う。
「さて、そろそろホテルに戻るか。その前にトイレ、トイレ」と、トイレに行く。
トイレは地下にあった。と、そこに太ったおっちゃんがいて席に座っている。
席のところには”10F”と書いてある。
「こ、これは有料便所だ!」私は驚いてしまった。実は本で”パリには有料トイレが多い”というのを読んでいたのだが
まだ、それにお目にかかったことが無かったのである。
私はまだまだ、パリについて実感していない事が多いのだなあと思い嬉しくなった。
パリはまだまだ奥が深いはずなのだ。
私は世界中の人をひきつけ続けているパリの魅力のほんの一部を垣間見ただけに過ぎないのだろう。
またここに来てもっと多くのパリを見て体験するぞ!と思ったのである。
コンコルド・ラファイエットのフロントでシャルル・ド・ゴール空港行きのバスチケットを購入し、ホテル前のバス停に行くとすぐにバスがやって来た。
一段高いバスの窓から町を見ながら「さらば、パリよ、また来るぜ!」と一人で悦に入っている馬鹿一人を乗せバスは空港へと向かった。
バスはパリ効外を高速道路を使って走り抜け、予想以上に早く空港に着いた。
免税手続きやぼけっとしながら暇をつぶすと、どこからともなく私と同じ飛行機に乗ると思われる日本人が集まってきた。
あれほど、街中では見かけなかった日本人がこんなにパリにいたのかと驚くほどである。
飛行機は夜の11時発。早々と搭乗手続きをして、中で免税店をのぞいた。
お決まりの香水と、あまった小銭で紅茶とお菓子を買う。
さて、やっと搭乗である。私の席は行きと同じ窓際であった。
来たときと同じように、これから12時間不眠不休で行くぜ!と、鼻息も荒く離陸を待つ。
やがて、スチュワーデスさんのアナウンスが終わり機体はゆっくりと動き出し、青や緑の電飾の綺麗な滑走路をスムーズに加速し真っ暗な
夜空へ浮かび上がった。どんどん上昇して行く飛行機の窓から、下を見下ろすと家々の光が綺麗なオレンジ色に光っている。
その暖かい光がなんとも言えず綺麗で印象的である。「さらばパリよーーーー」後ろ髪をばっさばっさと引かれながら
飛行機はさらに上昇を続けた。
すぐに機内食の時間である。食べ終わってしまうと、私は不思議なぐらい簡単に眠ってしまった。
12時間がんばるぞ、映画2本完全制覇!の夢はパリ6日間の疲れの前にいとも簡単に破れてしまったのである。
2度目の機内食も、食べるとすぐにうとうととしてきて寝てしまった。
起きてみると飛行機はもうシベリアあたりまで来ていた。
私はこのとき初めて知ったのだが、風の影響で飛行機は北半球では東から西より西から東に飛ぶほうが早いのだそうだ。
つまり、帰りの方が行きより早く着くということらしい。それも2時間も早く。10時間ぐらいで到着する計算だ。
「風の力、恐るべし」である。
窓の外を眺めたり、トイレ行ったり、オレンジジュース飲んだり(機内はかなり乾燥している)して時間は過ぎて行った。
しばらくして、モニターの画面は日本列島だけを映すようになり、もう東京も近い事がわかる。
アナウンスが流れ高度が徐々に下がる事が伝えられる。もうすぐ成田だ。
窓の外にはパリの風景とはまったく違う日本の田舎の風景が見える。
濃い緑の木、田んぼ、それに沿ったあぜ道、神社の鳥居。かんかんでりの太陽の下で
麦藁帽子に虫取り網をもって走り回った田舎の夏休みの感覚が突然よみがえり、
「日本だ!」と実感する。数時間前に見たパリの風景がまるで夢のように遠い感じられる。
飛行機は旋回しながら高度を下げ無事に成田空港へと着陸した。
こうして、6日間のパリ旅行は今思えば、あっという間に過ぎ去ってしまいました。
でも、パリの美しい町並みや、うまかった食べ物は強烈に心に刻まれていて、今でも簡単に思い出す事が出来ます。
その思い出をもう一度体験しに、そしてさらにいろんなパリを経験しに、いつかまたパリに行きたいと思っています。
こんな私の旅行記でも読んで少しでも興味を覚えたかたがいらっしゃったら、考える前に是非行ってみてください。
きっとパリの魅力に取りつかれますよ!。
旅行記トップへ