1. 旅の準備
そもそもなぜ、パリ旅行をする事になったのか。それは沢木耕太郎のせいだったのです。
99年4月、私はほんの暇つぶしのつもりで立ち寄ったお茶の水丸善で、”深夜特急”を手にしました。
”深夜特急”といえば著者沢木耕太郎氏が香港からロンドンまで一人旅をした時の旅行記で、
発刊から10年以上たった現在でも書店に平積みされている大ベストセラーノンフィクション小説です。
その時の私は”ただ暇だから、なんか読む本がほしい”といった非常に単純な理由と”確か誰かが面白かったといってたような気がする”
というあいまいな理由から購入したのです。
しかし、この”深夜特急”実はとても恐ろしいシロモノだったのです。
めちゃくちゃおもしろい!どんどんどんどん先を読みたくなって、暇を見つけてはいつも読みたくなる。
「あれやんなきゃいけないんだけど、この章が終わるまで!」なんていってその章を読み終わると次の章の展開が気になる。
で、「ちょっとだけ」と次の章の始まりを読んでしまったらもうだめ。途中で本を置く事はまず無理。
そして、3日後に文庫6巻を読み終わった時には、もうすっかり自分がユーラシア大陸横断サバイバル旅行を
成し遂げたような気分にさせてくれるのです。
その深夜特急の中で主人公の旅立つ理由の一つが「26歳までには海外に行ってみる」だったのだ。
私は今、27歳。「やばいっ!!こりゃすぐにでも海外に行かなきゃ良くわかんないけどとんでもないことになる」
単純な私は、海外旅行をせずに26歳をやり過ごしてしまった自分を後悔し、はやく遅れを取り戻さねば!!と
訳の分からぬ衝動にかられたのでした。
さて、こうして初の海外旅行に向けてこぶしを握り締めた私は、早速行き先選びに入りました。しかし、いざ具体的に旅先を考えてみると
「やっぱり、深夜特急的にアジアか?いや、まてまて、最初アジアはきつくないか?治安悪そうだし、
おなか痛くなるかもしんないしー。こりゃヨーロッパあたりが良いんじゃないか?安全そうなイメージあるし」
などと深夜特急に触発されたとは思えない弱気な考えに支配され、結局、国旗の色が良い、女の子がかわいい感じがする等の
理由によりフランスのそれもパリに決定したのでした。
日時は夏休みしかまとまって休めないので仕方なく2番目のハイシーズンである7/25発、期間は経済的な理由から5日滞在になりました。
航空券は世間で「格安」と言う事で有名なH.I.S.で取りました。航空会社は直行便があって、
名前がかっこいいので、エールフランスに決定。
最初にH.I.S.で見積もってもらった時は往復で18万6千円だったのに、後になって
「日曜出発、到着便は各5千円ずつ高くなる事を忘れてました。」とHISお姉さん。結局19万6千円。
「海外とは金のかかるのものよのう。とほほ」しかしこんな事でめげてはいけない。
「深夜特急の主人公のように金では買えない何かを俺はつかみにいくんだぁ!」と、りきむ私でありました。
次は宿泊。
「やっぱパリの生活を味わうなら、プチホテルでしょ。パリにアパートを借りた気分を味わえるに違いない。
でもまあ、慣れない旅で安全で居心地が良いのはアメリカ式のビッグばホテルだなぁ」
と思って2日間プチホテル、3日間大ホテルという折衷案に落ち着きました。
調べてみるとパリにはプチホテルと呼ばれる宿泊施設がたくさんあるらしい。
設備のグレードで1から4つ星に分類されているから、それを頼りに選んでみてもそれでもたくさんあって
なかなか決め手がなくて選べない。しょうがないから、まずは場所を絞り込むことに。
「あまり中心地だと物騒かもしれん。ちょっと離れてて、といっても電車で5〜10分で危なくない所がいいなあ。
なになに、『カルチェラタン周辺は比較的安くて、安全。パリきっての文教地区』そうか。
ノートルダム寺院とかも近いし。じゃ場所はカルチェラタン付近にしよう」てなわけで場所決定。
でもやっぱりたくさんあって迷う。インターネットなんかを使って部屋の画像なんかを見てもあんまり良く分からない。
しょうがないので、運を天に任せて本に出ていたよさげな所に決める事にしました。
予約は本に載っていたFax Formを使って直接予約しました。
7時間の時差を考えて、あっちが起きていそうな昼ごろ(日本時間の夜8時ごろ)に送ってみると、
数時間後に英語で「今回は御宿泊のお申し込みをいただき有り難うございます。云々かんぬん」的なFaxが返ってきて
「この紙(あっちが送ってきたFax)にカード番号を記入して送り返せば予約オッケー。そのかわり、
48時間以内に返信がない場合は予約は自動的に取り消されます」というので、早速書込んでFax送信。
結構簡単?てな感じです。そのかわり「ホントに取れてるんかいな?」という変な不安はあったけどね。
おっきなホテルは数が限られてるんで、場所が程々中心地に近く予算に合う所を大学の生協に頼んでゲット。
これは、「ここお願いします」で良いからさらに簡単。これで宿泊施設は確保できたわけです。
あとは、”地球の歩き方”を熟読して来たるパリへの出発を指折り待つのでした。
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