私が聞いた意見(vol.1)

このページでは、J-POPに対する意見をあげて、それについて考えていきます。


J-POPは海外で聞かれていないのか(1)

「マルチ・ミリオンセラーのB'zやGLAYや小室哲哉の一連の作品は、アメリカやイギリスではなぜチボ・マットほどにも聞かれていないのだろうか。それは言葉の壁に加え、音楽づくりの発想が違うからだ。GLAYの演奏にはまだ各楽器の主張を楽しめる部分もあるが、B'zや小室哲哉の曲では編曲のバランスが優先されているので、アーティストの主張が目立ちにくい。これは「和をもっと尊しとなす」日本的発想で作られている音楽だと僕は思っているのだが・・・・・・。

(以上、FMfan 1999.No.13より抜粋、原文通り)

この文の前には、欧米で聞かれる例として、少年ナイフやピチカート・ファイブやコーネリアスや

チボ・マット、それにDJ/テクノ系などがあげられている。ところで、チボ・マットというのは

どういう人たちなのか、まずそれを教えてほしい。この文が書かれているページのどこをみても

全くわからない。

少年ナイフやピチカート・ファイブが海外で聞かれているのは事実である。しかし、これらは

J-POPなのだろうか。もちろん、それらのファンはそうだと思って聞いているのかもしれない。

しかし、私にいわせれば少年ナイフは海外組の一員であり、ピチカート・ファイブは

逆輸入してきた音楽である。J-POPとして受け入れられているとはとても思えない。

むしろ、出自を切り捨てた無国籍音楽の一部としてややマイナーな部分で聞かれていると

思う。日本の主流ではない、と言い換えてもよいだろう。もしも日本の主流だというのなら、

もっと少年ナイフやピチカート・ファイブやコーネリアスがCMやドラマのタイアップをとっても

いいはずである。実際、ピチカート・ファイブには海外ではオルタナティブの一部として

いろんなタイアップが決まっているのに、日本で全然つかなかった時期があることを

本人たちがはなしている(With t 小室哲哉音楽対論 vol.1;幻冬社文庫)。

次に、小室哲哉は海外でほとんど聞かれていないのだろうか。もしそうならば、

1998年フランスW杯で公式ソングを小室哲哉に依頼するなんてことは起こり得ないだろう。

聞いたこともない人に曲を発注するなどということを(日本企業ならともかく)フランス人が

やるというのだろうか。小室哲哉がやっているユニット「ユーロ・グルーブ」がヨーロッパの

クラブ・チャートのべスト10やポップ・チャートの上位に入っているという事実からも、

少なくともヨーロッパでほとんど聞かれていないというのは誤りだろう。アメリカで聞かれて

いないのはまあ当然かもしれない。坂本龍一は、アメリカのマーケットでは、(地域による

違いはあるが)一般に保守的であり、9対1か、それ以上の割合でヒップ・ホップが主流に

なっている(その中で細分化している)と話している。(前掲著)ジャングルはもちろん、

テクノもハウスも聞くのはマニアくらいだそうだ。そういうマーケットなら、J-POPであるという

だけで「絶対聞かない」という反応が起こるのは当然である。つまり、アメリカで聞かれる

ためには、「J-POPではない」という条件が必要である、ということになる。決して言葉の壁や

音のバランスによるものではない。

音のバランスについては、アーティストの主張がなくなるバランスというのがちょっと想像が

つかない。オケの良さを殺すボーカルというのはよくわかる。しかし、globeでのKEIKOの

ボーカルや安室奈美恵のボーカル、B'zのボーカルは音を生かし、音に生かされる絶妙な

バランスを保った声であり、アーティストの主張がない、ということはない。各楽器の主張

というのもよくわからない。ギターが表現する世界、ベースが表現する世界、キーボードが

表現する世界はそれぞれ全く違う。キーボードでギターの表現をだせるわけがなく(ギターの音で

演奏すれば別だが)、音の基本がキーボードである小室哲哉の楽曲にギターの主張がない

というのは無い物ねだりである。ギターとボーカルが基本であるB'zに、ドラムによる表現がない

などというのも筋違いである。

それとも、この文を書いた人は「GLAYの演奏はしょせん二流であり、B'zや小室哲哉の曲は

もはや音楽ではない」とでもいいたいのだろうか。そういう意見であるならば、この流れは

あり得るだろう。掲載紙がFMfanである以上、こういう論旨の可能性もあり得る。しかし、

そんなことがないのは聞いているひとならわかっているだろう。あくまで下手だというのなら

もはやいうことはない。そういう人なんだろうな、ということだろうから。

(もう少しいいたいことはあるのですが、長くなってきたので次回に回します。)


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