私にとっての真理(vol.8)

このページでは、私が実際に聞いたJ-POPのなかからいくつかをとりあげ、

いろいろ書いていくものです。


Nostalgia(相川七瀬)

恋愛は女性にとってとても大事なものになり得ます。仕事を達成することや、子どもを育てること

を通じて自己実現する道を持たない女性にとっては(学生とか)、恋愛はおそらく唯一の

自己実現の手段でしょう。それに、彼がいるというだけで楽しい時間を過ごすことができます。

 

しかしながら、特殊な結末(結婚・死別)をのぞいて、彼に振られたり、振ったりすることで

恋愛は終わりを迎えます。楽しい時間を共有したことが、逆につらい時間を過ごさせることに

なるのです。その時の悲しみはとても大きく、他人が分かち合うことができない種類の悩み

なので、悲しみが癒されるのには時間に任せるか、新しい恋を見つけるか、失恋をテーマに

した曲を通して歌い手に悲しみを渡す必要があるのです。

 

彼女は今や女性ロック歌手として唯一の地位を守っています。その理由はおそらく彼女の

声が持ち歌を真実として届けるにふさわしいものであったことによります。彼女の歌は

恋を扱っていても地に足をついた歌だったように感じます。大阪出身という事実は

彼女が現実的な思考を持っているであろう事を伺わせます。

 

たとえ現実的であっても、”恋愛の終了”という事実は彼女にとって重いものであります。

だからこそ、「あふれる想いは今も答えを見つけられずに」いるのです。しかし、過去の

おもいでにいつまでもとらわれているような人ではないので、「あの夏の輝きはもう届かない幻」

であるということも知っています。ときどき悲しい思いに捕らわれることもありますが、

それはもうノスタルジアにすぎないのです。

 

相川七瀬はこの曲で「いつまでも過去に沈んでいる女性」ではなく「過去を捨て去ろうとする

女性」でもなく「過去を生涯持ち続け、それによる傷も引き受ける女性」を書くことに成功して

います。ほかの曲と同様、私にとっても生涯持ち続けるに値する曲だと思っています。

作詞 相川七瀬・織田哲郎 作曲 織田哲郎 編曲 織田哲郎

mOtorod(AVEX INC.) 1998/05/08 CTDR-28026


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