私が聞いた意見(vol.15)

このページでは、J-POPに対する意見をあげて、それについて考えていきます。


音楽家はその作曲した作品によってのみ

 世間の人が、わたしの本、わたしのプロット、その他に興味を持ってくれることは嬉しいのですが、どんな作家も、その作家の私生活や作家自身の個人的興味から有名になるべきではありません。画家はその絵によって、作家はその作品や戯曲により、そして音楽家はその作曲した作品によってのみ知られるべきなのです。

(ゴルフ場の殺人 アガサ・クリスチィ著 創元推理文庫より抜粋)

この言葉は、引用した本のあとがきでクリスチィ自身が言っている言葉からとった

ものです。私は、この言葉を発見したときにこの本を買ったコストは回収できたと

思いました。なぜなら、これこそ我々がアーティストにたいして取るべき態度であると

確信できたからです。もちろん、その生い立ちやなんやかやは知りたいとは思いますが、

そのことは作品を鑑賞する助けにもなりますが、鑑賞の妨げにもなることを

常日頃思っていたところだったのです。

 

「画家はその絵によって、作家はその作品や戯曲により、そして音楽家はその作曲した

作品によってのみ知られる」。なんと難しいことなのでしょう。それはやはり私たちの

野次馬根性からくるやむを得ない結果なのでしょう。しかし、その作品の価値は、

作者がだれであっても、つまり、王侯貴族であっても犯罪者であっても全く変わらないわけです。

彼または彼女にとって作品が意味することにはそれぞれ違いはありますが、鑑賞するときには

意味がない違いなのです。その作品自体がある思想のプロパガンダにつかわれたのなら

ともかく(そういう作品もまた多く、その中にも名作−たとえばピカソのゲルニカなど−が

存在するのは事実なのですが)、作品の見方は見る人によって違うわけです。

 

ですから、私はこのHP上でだけは原則としてアーティストの記録などは書かないことに

しています。時代は移り変わって、作品が出てから少なくとも1年は経っています。

そのころには作品は其処に鑑賞者が見たもので価値を明らかにしてしかるべきだと判断しました。

これは、わが研究所の方針の1つでもあります。


前回の文  次回の文 
過去の記事一覧  トップページへ戻る  

E-mail address:tursiops@geocities.co.jp感想はこちら。またはブレーンストーミング会場へお願いします。