私にとっての真理(vol.19)

このページでは、私が実際に聞いたJ-POPのなかからいくつかをとりあげ、

いろいろ書いていくものです。


本能(椎名林檎)

リス研で始めてのことですが、一度取り上げた人の別の曲を取り上げます。それだけの価値が

あるからです。今後もそういうことがあると思います。

 

ジャケットなどから想像できるような攻撃性はあまりなく、むしろ自らをおとしめることで心の安定を

図っている人特有のオーラを放っているように思います。椎名林檎は「どうして歴史の上に

言葉が生まれたのか」と問うのですが、この事は言葉に対する不信感を意味し、彼女が言葉

だけでは不安になってしまうことをも端的に示しています。

 

「言葉に裏切られ、言葉だけでは伝えることができない思いを歌でもってようやく伝えようとしている」

椎名林檎にとって、言葉ではもちろん、体での交渉でも不安をうち消すことはできないのかも

しれません。そうして彼女はいったん全てを疑った上(私がみるところ、英国居住はそのための

行動だったのかもしれません)、やはり信じずにはいられないものを発見したのです。

 

それが何であるかを直接言うことはできません。しかし、彼女は社会との折り合いをつける術を

発見し、以後そのように振る舞っているのです。そこには何らかの方法で自分に自信をつける

方法を実行している林檎がみえるのです。

 

この曲が「今現在の椎名林檎」を表していると、ROCKIN'ON JAPANのインタビューで椎名林檎は

言っています。この曲を聴いていると、ある種の奇人を思い出します。少なくとも、彼女の中では

論理的に(あるいは感覚的に)完結しているのです。

 

今後彼女がどういうリリーススケジュールで曲を出すのか、あるいは出せるのか興味があります。

彼女の背後には、少なくとも80万人の「危険な人」が見え隠れするのです。その方達が社会との

折り合いをつけるのに役立つ人となっているのかもしれません。

作詞・椎名林檎 作曲・椎名林檎 編曲・亀田誠治

EAST WORLD(東芝EMI) TOCT-22010 1999/10/27


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