私が聞いた意見(vol.21)

このページでは、J-POPに対する意見をあげて、それについて考えていきます。


歌謡曲の遺産と椎名林檎

 親が聴いてた歌謡曲がオムニバス・テープであったんですけど、そういうものが家に隠されてて、ある時、親がいない隙に聴いちゃったんですよ。そしたら、驚きの世界が広がるわけです。ペドロ&カプリシャスの”別れの朝”とか朱里エイ子の”北国行き”とか、全部不幸な歌で。しかも、歌い方がすごいんですよ。それが小学2年生くらいの時かな?自分はナウシカのサントラが好きなふりをしつつ、五輪真弓とか古い歌謡曲に影響を受けました。

(FAMOUS 創刊2号 p121より抜粋)

私は個人的に椎名林檎のファンです。最初に聞いたのは確か「歌舞伎町の女王」でした。

いつ聞いたのかはわかりませんが、頭のどこかにその印象が残っていて、それが「ここでキスして」

を聞いたときによみがえってきました。だから、「無罪モラトリアム」を買ってしまったのです。

 

それを聞いているうちに、彼女の世界にぐんぐん引き込まれていきました。そして気がついたら

彼女のファンになっていたのです。

 

考えてみると、彼女の歌には猥雑な表現や率直な要求が詰め込まれています。よく考えてみると、

巧妙に「セックスによる愛の確認」「愛のない哀しさ」「愛以外に関心を持たない女」、そして

「愛によるコミニュケーションの汚さと美しさ」を描いているのです。私が好きなのは、「歌舞伎町の

女王」の他に「幸福論」「モルヒネ」「正しい街」(今気づいたんですが、この曲は音韻もふんでいる

のです)ですかね。もちろん他の曲も好きです。

 

彼女が利用した世界の一つに文学的な美をあげる人は多いです。しかし、歌詞が文学的な

だけでなく、歌い方が猥雑さと率直さを醸し出していることも彼女の特徴であることを、冒頭の文を

見るまで気がつきませんでした。

 

歌謡曲というジャンルには美しくも猥雑な世界が広がっています。その遺産をやや異端的に

引き継いだのが彼女なのかもしれません。

 

それにしても、「本能」などの新たな曲がどう展開するのかが待ち遠しいです。


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