私が聞いた意見(vol.22)

このページでは、J-POPに対する意見をあげて、それについて考えていきます。


アルバムヴァージョンの『幸福論』

●じゃあ普通に読んだ場合に健気に感じるところが、自分にとっては嘘臭かったりヒネくれてるとこなんだ。
「そうそうそう。(以下略)」

(ROCKIN'ON JAPAN11月号より抜粋)

椎名林檎の記念すべきデビュー曲である『幸福論』には、シングルヴァージョンとアルバム

ヴァージョンが存在します。この2つは主にリズムの違いによってまったく違う曲になっています。

 

私の周りでどちらが好きなのかという話になることがたまにあります。そこで「アルバムヴァージョン

が好き」という人はほとんどいません。おそらくアルバムヴァージョンが好きという人はほとんど

いないのでしょう。

 

私は、そのほとんどいないと思われる「アルバムヴァージョン派」です。

 

椎名林檎にとってその作品は「忘れてしまいたいもの」になりうる一面を持っています。『幸福論』

を作ったときには「本当の幸せはこうだと思う」という理想を詰め込んだものとして作られたのですが

これが理想論であり、現実的ではないことを彼女自身よく理解しています。

 

冒頭の発言は、●がインタビュアーで、「」内が椎名林檎の発言です。

この発言が象徴的に示しているように、彼女は『幸福論』の歌世界に対して一定の距離を

取っています。決してその世界を肯定しているわけではないのです。

 

実をいうと、この曲を『無罪モラトリアム』所収のアルバムヴァージョンで聴いたときには「こういう

理想論を掲げている人を相対化して外から見るための歌」だと思いました。ですから、私にとっては

アルバムにしっくりくる曲であり、これこそが私にとっての『幸福論』の形なのです。実をいうと、

かなり喜劇的な曲のようにも感じています。(最初聴いた後笑ってしまいました)

 

その後、シングルヴァージョンを聴く機会もありましたが、私は違和感を感じましたし、好きに

なれません。とても笑える曲でもないですし。だからこそ、今度の『幸福論』マキシは見送ったのです。

そのうち運が良ければ手に入れることができるでしょう。


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