| 89.08.21 山路一秀(DIP the FLAG) solo INTERVIEW(前編) 掲載誌:CHROTUM-P Vol.8 ─ギターを始めたのはいつ頃? ……13才。 ─どうゆうきっかけ? 友達がギター部に入って、中1の時に。俺もその友達と仲良かったからギター部に入って、結局その時はほとんど弾けなくて。ギターがうちにずっとあってね、それでラジオからフォークの曲が流れてて、それでそれをすごく気に入って、弾きはじめたのかな? ─その曲は今でも覚えてますか? 忘れちゃいました。 ─その頃好きだったグループとかは。 友部正人、遠藤賢司。 ─結構昔からきいてたんですね。 いや(昔から)きいてない。中学2年ぐらい。 ─いやあ、昔だよねえ。 でもその頃もすでに昔の人だったよ(笑)もう、その頃はレコードが再発されて……って感じだったし……。 ─そうかあ……。 友部正人の1st(「大阪へやってきた」)と2nd(「にんじん」)がすごく好きだった。 ─高校の時は何が好きだったのですか? なんだったっけなあ……。友達がディープ・パープルとか聴いてたから、聴いたり。ツェッペリンとかも聴いたりして。 ─フォークの前は何か聴いてたの? 聴いてない。 ─音楽に興味なかったとか……。 ずっとテレビみてたぐらい。フィンガー5とか出てくるじゃん。ああゆうの。中1の時からラジオとか聴き出して、録音したりとかするじゃん、ラジオで流れてたりすると。 ─普通の歌謡曲とか録音したり? うん、アニメの主題歌とかね。「銀河鉄道999」の主題歌が好きだった。高校のときは、あと何かなあ……。あとは、RCかな。 ─ルースターズは? ルースターズは高校3年生の時から。 ─それはどんなきっかけで? 友達が「いいから」とか言ってとってきてくれたのだ。イマちゃんが。 ─やっぱり友達の影響が大きいと。 そうだね。今きいてるのもそうだなあ。 ─ルースターズを聴いてエレキを始めたとか、そうゆうのはないの? ううん、ルースターズを聴く前からちょっとだけいじってた。やっぱ1人だと寂しいじゃん。みんなバンドやってるし。だから友達のエレキ借りたりして。 ─高校の時はべつにバンドとかやらなかったの? やってたけどコピーバンド。 ─何のコピーバンドですか? 色々やった。RCもやったし、子供ばんどもやったしね。アナーキーもやったしね、歌謡曲もやったしねー。 ─歌謡曲? 山下久美子とか……。 ─ああー……(笑) あとは何やったかなあ。あとはディープ・パープルとかやったし。 ─ツェッペリンは? ツェッペリンはやんなかった。それは1人で部屋で弾いてた。 ─ルースターズは? ルースターズのコピーバンドは高校3年生の時にやりたかったんだけどね、他に聞く人がほとんどいなかったの。 ─エレキを初めて持ったのはいつ頃ですか? たぶん高校1年生。友達に借りた。 ─買ったのはいつ頃? 買ったのは……、買ったのはたぶん高校3年生。 ─何買ったの? フェンダーのテレキャスター。今のと違うヤツ。ふつうの白いヤツ。ちょっとクリーム色っぽいんだけど。 ─今ある? もうない。売っちゃったから。 ─なんで? 下取りに出して新しいギター買ったの。ギブソンのSGを買った。それもない。 ─今のは何コ目? エレキだったら4コ目、うん。最初の白いテレキャスターは半年ぐらいしか使ってない。 ─なんで? あんまりその頃はテレキャスターの音は好きじゃなかったの。もっとね、太い音が好きだったの。重くて。そのつぎSG買って、SG買ったのは(ストリート)スライダーズが好きだったから。 ─スライダーズ好きだったのはいつ頃? 高校3年生。 ─だいたい高校3年生の時にいろんなのを聴いてたんですね。 でも、日本のバンドが多かった。ルースターズとか、ARBとか。 ─テレビジョンとかは? 高校卒業してずいぶんたってから。阿佐ヶ谷に住んでからだよ、きっと。そんなに昔から聴いてない。(テレビジョンは)友達が好きだったの。 ─ジャックスは? ああ……、ジャックスは中3ぐらい。 ─フォークの時から。 うん……。 ─音楽で一番影響受けたグループとかは? わかんない。 ─色々……、 だって耳に入ってくれば、すべて影響を受けてる、って感じ。まあ、周りの人がみればたぶん「テレビジョンが好きなんだ」なって感じでみると思うけど。でもギターのソロとかビブラートかけるじゃん、あれはテレビジョンって言うよりも、ジャックスの人の影響だと思う。 ─この頃、特に山路くんのギターって、トム・ヴァーラインっぽいなあ、って思う。 うーん、わかんない。 ─聴いてる側は「うーん、やっぱり」とか思いますよ。前と比べると、結構影響みたいのがギターに出てる。 思うかもね。でも……うーん……、何だろうなあ。ロバート・クインとか好きだしなあ。激しいソロのところとかはねえ、スラッヂのギターの人の影響が強いの。あとカッティングはウィルコ・ジョンソンかな。Dr.FEELGOODってバンドにいたの。すごくカッティングの歯切れのいい人。 ─(DIP'Sの曲は)カッティング多いですよねえ。 だって好きだもん。 ─大学入ってからは、どんなバンド好きでした? 大学入る前はサンハウスとか聴いて。 ─予備校時代……。 そうそう、予備校時代はサンハウスとか、ジョニー・サンダースとか。ジョニー・サンダースはすごい聴いてたなあ。あとルースターズはほとんどだったかな。あとジャックスと。大学入ってから、近所のよくいくお店に友達がいて、店の人がね、テレビジョンとかとってくれたの。Dr.FEELGOODとかリチャード・ヘルとか、イーターとかバズコックスとか。あとパティ・スミスやベルベットとか。 ─じゃあ、N.Y undergroundとかききはじめたのは大学入ってから? うん。そう、気がついたらね、ほとんどニューヨークの人だったの。ぜんぜん意識してなかったもん。最初の頃はね、ダムドとか好きだったし。どっちかって言うと、やりたいのはテレビジョンとか、そうゆう方が近いかなあ、って。 ─大学ではどうゆうコピーバンドやってたの? 大学ではね、ルースターズのコピーバンドとか、ゼルダのコピーバンドとかね、戸川純のコピーバンドとかね、ARBもやったし、BOφWYもやったしね。何やっただろう……。すごいたくさんやった。シナロケもやったし。 ─なんで(法政大の)フォーク研に入ったの? フォーク研は、勧誘の時に歩いてたら、髪の毛が緑色の人がいたから、「ここはいいな」とか思って。その人はビアズリーのボーカルの人だった。 ─えー、ビアズリーのボーカルの人、法政なの? そうだよ、だって俺の先輩だもん。 ─知らなかった(笑) LOV-INのボーカルの人も俺の先輩だよ。KING BEESで最近までギター弾いてた人も俺の先輩だし。 ─学祭とか出たの? 学祭出てたよ。 ─フォーク研で? フォーク研で出たよ。野外とかでやった。BOφWYのコピーバンドで出た(笑)。そんときベースやった。 ─オリジナルは? わかんない……でも大学1年の終わりぐらいからオリジナルをやるようになった。 ─(山路くんの)オリジナルは何曲ぐらいあるんですか? うーん、わかんない。昔のとあわせたら、すごいある。中学の時つくったのとかあわせたら150曲ぐらいあるよ。そのうちバンドでやれるのは20曲弱ぐらい。 ─あー、すごい。 だって、曲なんて、すぐ出来ちゃうじゃん(笑) ─そうゆうものなのかなあ(笑) 簡単な曲だったら……、なんだっていいんだったらすぐできちゃう。それを、だからバンドでちゃんとやろうとか、ライブハウスで出るバンドでやろうとか思っちゃうともっと真剣に考えちゃうからね。なかなか出来なくなっちゃうけど。 ─フォーク研でやったライブのビデオとかある?(笑) ない。テープならあるけど。でも俺は歌ってない。弾いてるだけ。俺がギター弾いてドラムがいて、ベースでボーカルのコがいたの。3人でやってたの。それが解散してあのグランギニョルのコがいるじゃん、あのコとバンドやったの。 ─なんで学校来なくなっちゃったの? めんどくさくなっちゃったの。あきたんだもん。あんまりおもしろくなかった、思ってたほど。 ─やっぱり最初は勉強しようと思ってたんですか? うん、心理学やりたかったの。 ─哲学科ってあんまりやれないんだよね。 心理学でしょ?うん、心理学やりたくて早稲田とか受けたんだけど。心理学科は専修とか東洋とか受かってたんだけど、やっぱ法政がいいじゃん。だから法政だなあ、って思って、法政に来ちゃった。 ─部だったら心理学コースがあったのに。わざわざ泄狽ゥら心理学やりたいから来た人がいた。 えらいよね。そこまでしようとは思わなかった。軽く、やってみたかっただけだからね。本とかね、犯罪心理学とかね、買って読んでみたりしたんだけどね。……学校にはあんまり行かなかったなあ、俺は。まだ一般教養の時期だったから、そんなおもしろいことやってなかった。で、すぐ行かなくなっちゃった。 ─でもフォーク研のほうには行ってた。 うん、けっこう行ってた。2年生ぐらいまでけっこう行ってたかなあ。 ─DIP THE FLAGを始めたのはいつ頃ですか? DIP THE FLAGという名前で初めてライブに出たのは、おととしの4月。 ─どこ? 屋根裏。そんときはまだ4人だったの。 ─ボーカルがいて……。 ボーカルがいて俺はギターだけだったし。今やってる曲は1曲もやってない。 ─でもオリジナルやってたんでしょ? うん、前のバンドの延長みたいな感じだったの。 ─DAYS OF GREEN……、 そう、前のバンドの曲やってたんだもん、だって。 ─メンバーは誰だったの? ドラムは誰だっけ……、 ─本庄くんじゃないの? 本庄は6月ぐらいから、おととしの。その前は色々いた。ハードロックのドラムの人とかいたよ。 ─ベースは? ベースはイトウ。ボーカルは別にいて。 ─それでボーカルがやめちゃって……、 うん、それはおととしの9月ぐらい。それで3人になって、ライブが決まってたからあわてて曲を5曲ぐらいつくったの。 ─今やってる曲が……、 やってる曲もある。夜光少年とか、生とかね、その時できたの。 テレビジョンとか聴いてて、そうゆうのがやりたいなあ、とか思ってたんだけど全然そうゆうの出来なかったからねえ。3人になったら一気にそうゆうのが出た感じだったからね。……そう、けっこういちばん最初の頃は曲がどんどんできた。一ヶ月に5曲ぐらいできたもん。 ─すごい! ─乱発! うん。 ─その頃、ぜんぜん学校行ってなかったの? ほとんど行ってなかった(笑) ─山路くんにとって、ギターとは何ですか? ギターは……(←考えている)何だろうなぁ。……何にでもなるなあ、金になったりするし。ヒマつぶしにもなるし。 ─ギターなくなったらどうする? ギターなくなっちゃったらねえ……、うたう。……、ギターなくなんないもん、だって。 ─(笑) 一番長く続いた趣味ってかんじ。切手集めたりとか(笑)、野球したりとか、マンガかいたりとかしてね。……うん、いちばん長く続いた。だって、もう10年ぐらい続いてるもん、ギター弾くのは。 ─まだ弾くと。 うん……たぶん。まだ飽きてないからね。 ─おもしろい? うん、だって全然たどりつかないもん。 ─奥が深い。 ─たどりつくとこもないしね。 うん。 ─自分でどんどんやっていけば……、 俺よりセンスのいい人もうまい人も沢山いるしね。他の人は別にどうでもいいんだけど。自分でまだまだだと思うし。別にまだまだとか思ってやってないけど。とか言って、言ってるけど。 ─(笑) ─今、色々なバンドのヘルパーやってますけど、それらのバンドにどんな印象がありますか? けっこう楽しい? ─人のバンドでやるのが? ぜんぜん違うからね。ASYLUMはハードロックっぽいしね、わりと。楽しい。もう1人のギターのコもけっこううまいから。2人であそんだりして、楽しい。 ─WALT FALL。 WALT FALLは、やっぱりね、ピアノの人に俺はすごくひかれてるからね。ピアノの人がいる限りけっこうつきあっていきたいなぁ、と思っているつもりだよ。WALT FALLやめてもピアノの人とは色々やりたいなぁ、と思う。アルルカンは、もう1人のギターの人が色々教えてくれるから……、うん。 ─自分のバンドもあるし、(ヘルプをやってて)つらくなったりはしませんか? 今はまだない。 ─「厭だなあ」とか思ったことはないの? 眠くてめんどくさいことはよくある。 ─自分のバンドで弾くより、ずいぶん違いますか? 変えてる。変わってないけど。 ─(笑) ─曲がぜんぜん違うからね。 ある程度、出し惜しみしてるよ。他のバンドだと。自分からあんまり意見言わないもん。 ─やっぱりいちばん本気を出すのは自分のバンド……、 本気を出すっていうか、いちばん好きなのはね。やりやすいし。 ─やっぱ、自分のバンドが一番だと思う? やっぱりそうでしょ?だって、うちよりASYLUMがいいと思ったら、ASYLUMにいくもん。それは、それぞれだからねえ。 ─前は、何か淡々とやってるかんじで、最近はこう(激しいアクションをしてみる)やったりして……。 そんなことしてたっけ? ─っていうか、前は山路くんは淡々とやってたの。 あんま動かなかったからねえ。 ─最近は感情こめてるっていうか……。 ああ……、そうかなあ。……前のほうが好きなの? ─うーん、どっちもどっちだけど。 わかんない。自分ではあんまりかわってない。前より素直になったんじゃない?うん。ギターをを投げたり投げなかったりとかは、あれは別に投げたってしょうがないもん。本当は怒ってないんだもん。あれは、ひっこみがつかないから投げてるようなもん。あれは、「終わりです」って言ってるようなもん(笑)。怒って投げた時もあるけど。 ─さいきん日本語の詞が多いですけど、なぜですか? ……日本人だから。 ─さいきん日本語の詞が多くなったし、感情こめて歌ってるし(笑)、なんか前とくらべてかわったなって……。 うーん、わかんない。俺はぜんぜんかわってないんだけど(笑)。 ─前のほうがクールっていうか……、 だって本当はクールじゃないもん。 ─だから、前はドラムが本庄くんだったでしょ? なんで……、前の方が好きだったの? ─なんか前のほうが近寄りがたくてかっこいい。 今は? ─今の方がね、感情こめてひいたりとか、何か「がんばってんなー」って感じ。クールに見えるっていうかね……、 だって昔からがんばってるもん。 ─って言うか、がんばってるんだろうけど、そうゆうのを感じさせないって言うか。 ああー、昔はねー。あんま、がんばってんの見られたくないとか思ってたけど、今もいっしょだけどなあ……。 ─今は素直なんだ。 そうなのかなあ……、わかんない。 ─日本語の詞だと、共感っていうか、聴いてる方は(その曲に)のめりこんじゃう。 いいじゃん、いいじゃん(笑)。でも共感はもてないと思うよ。俺の日本語の詞で聴いても。 ─うん、わかんない。 わかんないように詞かいてるから、ぜったいにわかられたくないから。こんど英語の詞もできたよ。 ─英語の詞だと何言ってるかわかんないからかっこいい(笑)。 それはけっきょく雰囲気だけってことなんだよ。 ─はじめは「雰囲気かっこいい」とか言って毎回毎回来てて、だんだんだんだん歌詞とかちょっとわかってくると、「ああ、こんな歌詞なんだ」とか言って、口ずさんじゃう人とかいるんじゃないかなあ。 うーん、いるかもね ─割礼じゃないんだからやめてよ(笑)。 ─でもけっこう「夢が見た」とか口ずさんだりするよ。 へえー、口ずさんでんだ。あれは昔、歌詞がなかったんだよね。 ─歌詞がないの?よくわかんなかった。英語じゃなかったの? 英語じゃないよ。 ─適当に歌ってたの? そう、適当に歌ってただけ。去年ぐらいに初めてちゃんと日本語に聞こえるとこがあって、話題になった(笑)。 ─(笑)。 日本語のほうが歌いやすいんだもん。わかんない、……なんでだろうね。 ─なんで最初のほうは英語なの? あんときは日本語の詞がかけなかったしねえ、英語のほうがのったから、メロディーに。 ─最近は日本語の方がのりやすい……、 (のりやすい)曲が多い。 ─そうすると、日本語ロック。 いいじゃん。 ─(笑)。 ─だから、前の方が向こうのっぽかった。 ─やっぱ変わってきてるよね、歌詞が日本語になったり……力の入れ方とかけっこう違ってきているよねえ。新曲とか静かな曲多いし。 だってできないんだもん、最近。 ─つくりなよ(笑)。 出来たらね。つくろうかと思ってスタジオ入って、つくろうとするんだけど、いいのが出来ないからやってないの。 ─ゆっくりの曲の方が出来ると。 すぐできる。 ─(笑)。 ─このごろ、よくカバーとかやりますよね。 ─それはなぜ?やりたいと……、 うん……。でも昔からやってたよ。(クリスタル・シップとか) ─でもライブのたびにあるような。 気に入ってるから。「SEE EMILY PLAY」とかね、けっこう気に入ってるから、最近あれはよくやってるなあ。 ─あれはかっこいい。 んー、だって気持ちいいんだもん。 ─ベースではじまるイントロがまたかっこいい。 ─DIP'Sってベースではじまる曲ってないよね。 3曲ぐらいしかない。「口紅」がたまにベースではじまるし。あー、でもオリジナルは「口紅」だけだ、うん。ベースではじまってほしいの? ─うん。 ─なんかギターばっかだからね。前に割礼のコピーやった時あったでしょ。あれで「ラヴ?」ってベースからはじまるでしょ、あれで「あっ、なんかDIP'Sってベースからはじまる曲ってないよな」とか思って。 いいんじゃないの、はじまり方なんてどうだって。 ─まあ、そう言ってしまえばそうだけれど……。 ─カバーとかは誰が「やろう」って言いはじめるんですか? さいきんは俺。 ─他の2人は何がやりたいとか言わないんですか? たまに言う。 ─何? うーん、「PEAPLE ARE STRANGE」 ─ああ、やったよね。 あと「WAITING FOR MY MAN」 ─「PEAPLE ARE STRANGE」はバニーメンもやってるんだよね。 ああ、やってたね。あんまりよくなかった。ドアーズの方がよかった。ドアーズといっしょなんだもん、だって。いっしょだったら原曲のほうがいいに決まってるじゃん。 ─でも大阪に住んでる人がDIP'Sの「SEE EMILY PLAY」を聴いて、「あんなのは自分のギターで弾いたらこうなりましたってやつじゃん」って。 そうだよ。 ─そういうの聞いて“ショック”とか……。 なんでショックなの? ─って言うか、私はDIP'Sの方がかっこいいと思ってたから、その人に言われて「えー」とか思って。 だってそうじゃん。そんなもんじゃん。カバーなんて、自分の中を通してみて、出してみて、「こういうやつだったからやってみました」っていうんじゃないの? ─ベースとかぜんぜん違う。 イトウがちゃんとコピーしないから。ちゃんとコピーするのあまり好きじゃないみたい。まあ、そのままやってもいいと思うけど、好きだからやってみただけで。カバーはね、自己満足だからね。 ─カバーでやっても(その曲が)DIP'Sに合っちゃうっていうか、うまくはまっちゃうみたいな。 ─いいと思うけど。 ─原曲を知らない人が聴いたら、オリジナルじゃないの、とか思うんじゃないかなあ。 そうか……、いちばん自分に合う形でやってるからじゃないの。 ─たまにカバーバンドみたいなのやるじゃない。 ─それもすごくいいと思うけど。 ホントに? ─だってかっこいいもん。 (笑)。 ─終わってから、「あーすごいかっこよかった」とかすごく喜んじゃうもん。 それがいいんじゃない、やってる方もかっこいいと思ってやって、見た人もかっこいいと思って。それが、なんかいちばんおちつくんじゃないの?うん。そうじゃない時もあるけどね。カバーじゃないけど、レコードの「口紅」のさあ、最後に入ってるじゃん、ちょろちょろって。それはね、メンバーはすごくいいと思ってやったの。でもね、レコーディングしてるまわりの人はね、「本気でやってんのか」って。 ─え、なんで? なんかすごい適当にやってるじゃん、実際適当にやってんだけど。……よくないよ、みたいなこと言われたんだけど。……そういう場合もある。 ─ま、人それぞれですね。 うん。……あれは、なんか、わかんないんだなあ、とか思って。 ─あのレコード、(ジャケットの中に)レコードしか入ってないでしょ?だからおまけみたいでうれしい(笑)。 ん、でしょ?おまけだもん、あれ。ライブでもたまにやる。名古屋でやったんだよあれは。大阪ではやんなかったけど。名古屋でやった時はすんげえかっこよかった。 ─で、誰かが泣いたと。 だって、俺とイトウは笑ってたんだよ。あんまりかっこよかったんで。なんか、ツアーのシメってかんじだったんで、「ちょっとやろうか」ってかんじでやったの。 ─じゃ、千葉とか横浜でやるやつは? 「口紅」やんないよ。当分やらない。ツアーだから特別にやったの。 ─でも、千葉と横浜もいちおうツアーなんじゃないの? あれは地元みたいなもんじゃん(笑)。ツアーだから、大阪と名古屋の人は昔のパターンみたいなの知らないから、まっいいかって思って。最近のちょっと前まではずーっと長々やって「口紅」で盛り上げて終わるんだなあって感じだったでしょ。そうゆうのはヤだったからやめたの。 ─パターンを変えようと。 なんかやじゃない。「あーきたな」って。 ─(笑)。 なんか予定調和っていうかさあ、これから盛り上げて終わるんだなって感じでしょ。(口紅は)他の曲と性質が違うじゃん、なんか。 ─(深くうなずく) はじめかおわり……。でも、なんか、昔のことばかりになっちゃうけど、(まえは)「DIZZY#2」とかで終わってたでしょ? ─あれがシメの曲みたいなかんじで。 ─そうそう。 しめてたね。 ─最初が「スラッヂ」ではじまって、あの曲になると「おわりだ」って。 んでしょー。 ─あれはばーって終わって気持ちよかったけど。 でしょ?でもあれはやったからもういいの。 ─さいきん「DIZZY#2」やらないね。 うん、あんまりうまくいかないんだもん。そのうちやるかもね。 ─最近「口紅」じゃん。で、長いでしょ。 ─大阪とかだと、あんまライブみないから「いいじゃん、なんか……」とか思ってきいてると思うけど、たくさん聴いてるとだれちゃう時もある。 いいんだよ別に、だって自分のためにやってんだもん(笑) ─客のことは考えないと。 うん、だってタイミングじゃん。たまたま客と自分の趣味があうかあわないかだからじゃん。名古屋ではソロが凄く長かった。たぶん「口紅」20分ぐらいやってたと思う(笑)。 ─えー(笑)。 終わりたかったんだけど、終われなかったの。 ─イトウさんとオッパラくんがよくついてきたなと。 笑ってたよ。早く終わんないかなってかんじで。いつまでやってんのかなってかんじで。 ─それにしても20分は長い。ふだんのライブの時は10分ぐらいのような気がする。 あれは長さが決まってないからね。 ─その日の気分によって長かったり短かったり。 うん、終われないときはずっと続いちゃうし、終わるきっかけがつかめないとなかなか終われない。 ─今もちょっとありましたけど、ツアーの話おねがいします。大阪はどうでしたか? 大阪は調子よかった、けっこう。1時間ぐらいやったらしい。やっぱ7曲だからねえ45分ってとこでしょう、とか思ってたら……。 ─「口紅」が最後だったからじゃないのかなあ。 うん、久しぶりだったから、はりきっちゃったのかもしれない。 ─1曲目に新曲やって、それも良かったし。 良かった? ─うん、あのイントロのところあるじゃない、あれはちょっと前「生」のイントロで使ってましたよね。 やってたよ。なんとなくつけてみた。 ─初めてやったとき(89年8月10日at.20000V)「“生”がはじまるのかな」とか思ったら新曲でびっくりした。 驚かないよね。 ─驚いた。 「あっ」とか思った? ─うん。 まだやってる、とか思ったり……、 ─うーん。って言うか、「あれれ……」とか思って。 そしたら歌いだしちゃった(笑)、 ─そうそう。 だからね、イントロ用のフレーズがたくさんあるの。「生」って3〜4つぐらいはじまり方があるじゃない。「スラッヂ」も昔から数えると5コぐらいはじまり方があるの。夜光少年も3コぐらいある。歌だけから始まるのとか。 ─1年前のライブ(88年7月18日)でやった「スラッヂ」のイントロが、「WATER COLOR」の間奏でやってた。 ああー、そうだよね。あれは本当は曲にするつもりだったの。でも曲にできなくて、どうしても俺はライブでやりたくて、無理矢理くっつけたの、頭に。ずーっとあれはやんなくて「WATER COLOR」の後ろにくっつけたらいいんじゃないかと思ってくっつけた(笑)。「WATER COLOR」のイントロも、あれも新曲だったの。でも曲にできなかったの。でも俺はあのフレーズが使いたくて、「WATER COLOR」の頭にくっつけたの。 ─これからも、よくライブにいってよく聴いて……、 そうだよ、たまにどれがどの曲にくっついちゃうかわかんないからね。 ─前にもやったな、って。 こんな曲になったんだなって。 ─思い出すとおもしろい。 あの時すでに出てたんだなってかんじで。 ─なんか予告編みたいなかんじで(笑) ─前は「この曲があって、つぎはこの曲」って決まってたけど、この頃は(曲が)終わってなんか弾いててつぎの曲、みたいな感じが多くない? 流れがある方がいいな、と思って。ステージに。 ─だからDIP'Sって、(ライブが)あっ、という間に終わっちゃうんだよね、そんなことない?(笑) ぜんぶで1曲みたいな(笑)。そうなったらいいんじゃない? ─切れないよね、どっからも。 本当はちょっとは切ったほうがいいんだけど、つい弾いちゃうんだわ。 ─こう、流れで本当は(ライブは)長いんだけれど、すぐ終わっちゃう。 曲をこなすだけだと、1曲1曲やってるだけだと見ててもつまんない。 ─割礼みたいになっちゃう。 割礼はね、俺はあれでいいと思うけど。「ぱっ、ぱっ」ってかんじで。 ─あと何曲って数えちゃったりして(笑)。 |
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