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weekly short short February 2001
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4th week

 NHK教育テレビで「未来の教室」という番組がある。それぞれの分野、それぞれの世界で名を馳せている人が子供達に直接教えるという番組である。例えば、三ツ星レストランの料理長をやっている超有名、超一流のシェフが子供達に実際に料理を教える。ただ料理を教えるだけではなく、そのことを通じて人生を生きていく上で大切な何かを教えるのだ。つまり、いかにも教育テレビらしい超真面目なその名の通りの教育番組なのである。

 先日の放送ではサッカー選手が出た。ホルヘ・カンポス。世界的に有名なメキシコのゴールキーパーである。カンポスはキーパーとしては小柄で身長が170センチに満たないのだ。そんなキーパーはまず見掛けない。イタリアのセリエAでは180センチを下るゴールキーパーは一人もいないのだ。190センチを超える人もざらで、オランダのファン・デル・サールは197センチある。カンポスは他のキーパーに比べて10センチ以上、下手をすれば30センチくらいのハンデがあるのだ。

 カンポスは人一倍練習をした。そしてメキシコ代表のゴールキーパーに選出され、ワールドカップにも出場した。ワールドカップではブルガリアを相手にPK戦で敗れ去った。カンポスはブルガリア選手のシュートをあと一歩のところで止められなかったのだ。

 そんなカンポス選手はメキシコのスーパースターである。カンポス選手が子供達にサッカーを教える様子は見ていて楽しい。子供達はスーパースターに実際に会って実際にサッカーを教わって本当にうれしそうだった。ただ、これは国民性の違いなのか、カンポス選手が真剣に話をしている最中、うつむいたり自分のシャツをいじったりと落ち着かない子供の多いこと多いこと。まあ、普通子供なんてこうあるべきなのでしょうね。大人の話をみんな揃って真剣に聞いている様子なんて考えてみると気持ち悪い。軍隊じゃないんだから。

 カンポス選手は子供達に「勝って有頂天になるな。たとえ負けたとしてもそこから何か学び取れる事があるはずだ」とか「規制概念に捕らわれるな。自分のやり方で、自分の個性を磨くんだ」とかいういかにもスーパースター的なことを子供達に教える。まあ、スーパースターが言っているんだからなかなか説得力はある。

 スーパースターのカンポスと話を聞かない子供達の「未来の教室」はかなり面白かった。ほとんど視聴率の取れていないNHK教育だが、見てみると結構面白かったりするのだ。

 そういえば、「趣味悠々」でガーデニングをやっていた田中美奈子さんもよかった。この番組に出演していた初老の鏑木夫妻もなかなか良かった。伊藤麻衣子が出ていたやつはいただけなかったな。この人、司会へたくそ過ぎである。こんなへたくそな人も平気で使ってしまうあたりがかなりNHK的である。

 そんなわけでたまには大注目のNHK教育テレビである。みなさんご覧になってはいががでしょうか。と言っても誰も見ないんだろうな。だって、NHK教育だもんな。
カンポス最高と思うシュークリーム
(2001/2/28)

3rd week

 久しぶりにCDを買った。それも私的に好きではないベスト版である。「THE BEST OF INCOGNITO」というわけで、インコグニートのベスト版である。本当はJTQ(ジェームス・テイラー・カルテット)のアルバムで欲しかったものがあったのだが置いていなかったので、なんでもいいや、と思いインコグニートを買うに至ったのだ。

 というわけで、その「THE BEST OF INCOGNITO」を聴きながらこの文章を書いているのだが、なんというか、全くもってしておっしゃれ〜な音楽である。ここまでおっしゃれ〜だとうちではヘビー・ローテーションしなさそうな予感がしてしまう。特に聴きたいものがないときのBGMとしては良いかもしれない。

 そんなこんなで無理矢理別の音楽の話題にシフトすることにする。

 最近、電車の中吊り広告で町田康を見掛けることが多くなった。確かエイブルの広告に使われているはずである。町田康は「INU」というパンクバンドをやっていたれっきとしたミュージシャンである。それが小説を書きはじめ、芥川賞を受賞するまでに至った。

 町田康に限らず、音楽好きの作家は多い。村上龍は「ブエナ・ビスタ」が流行る前からキューバ音楽大好き人間で、キューバのバンドを日本に呼んだりもした。村上春樹は昔ジャズ喫茶をやっていただけあって「ポートレート・イン・ジャズ」という本までかいた。このW村上は小説の中にやたらとミュージシャンの名前が出てくる(もちろん小説にも依るが)。

 そして、この手の人で有名なのはW村上よりも町田康よりも何よりも辻仁成だろう。

 辻仁成と書いてなんと読むかご存知だろうか。ミュージシャンであるときは「つじ じんせい」で、作家であるときは「つじ ひとなり」であるらしい。なんともややこしい人である。

 辻仁成(じんせい)は「ECHOES」というバンドをやっていた。この「ECHOES」の「ZOO」という曲は去年結構売れたはずである。菅野美穂が歌って(ドラマの中の役名でリリースしたらしいが)話題になったりもした。

 どうでもいい話だが、辻仁成は「ECHOES」として、やしきたかじんのラジオ番組に出演した事があるそうだ。やしきたかじんは演奏が終わった後の「ECHOES」の面々に色々と質問(今度の曲はどういう曲だとか…)をしてみたのだが、辻仁成は全く答えようともしない。一言も口を聞かない連中に対して腹を立てたやしきたかじんはこう言ったそうだ。
「おい、お前らさっきからだまってばっかりいよって。なんやねん。なんか文句でもあるんかい。あるんやったらゆうてみい」
そう言っても全く答える様子は見受けられない。
「おい、なめとんのかこら!」
そうすると辻仁成は静かに口を開いてボソッと「言いたい事は全部歌にあるから…」と言ったそうだ。
「どつき回したわ」と後日やしきたかじんは語った。「周りにファンがおって、キャー、って悲鳴上げとったわ。ま、そんなん関係あるかい思て殴ったったけどな」こういう人はあまり敵に回したくないものだ。
何でも「歌、歌うだけやったらFM行け! AM来るんやったらしゃべらんかい、ボケ!」というのが殴ったときの台詞らしい。辻仁成はなんともトホホな台詞で殴られたものである。言うまでもないが番組はめちゃめちゃになったそうな。

 そんな辻仁成(じんせい)も辻仁成(ひとなり)として作家デビューすることになる。デビュー作からすばる文学新人賞をとり、ひたすら順調に次から次へと出版して行く。途中で女優の南果歩さんと結婚した。このころは辻仁成よりも南果歩さんの方がはるかに有名だったように思う。何年かのベストカップルに選ばれた挙句に離婚。その前に「海峡の光」で芥川賞を受賞した。

 いつも思うことなのだが、ミュージシャンというのは自分の彼女、恋人、奥さんなんかに歌を歌ったりするのだろうか。ボクは絶対にしていると思う。ちょいとギターを爪弾きながら軽く「じゃ、君のために…」なんてなことを言って歌っているに違いない。いや、奴らは絶対にそうしているに決まってる! 辻仁成も絶対に南果歩相手に去年売れた「ZOO」なりなんなりを歌っていたはずだ!

「僕たち〜は、この街じゃ〜♪」
(ああ、私のために歌ってくれてるのね)
「愛を、下さ〜い〜、ウォウウォウ♪」
(愛を下さいだなんて、なんて素敵な歌詞なんでしょう…)
「愛を、下さ〜い〜、果歩〜♪(な〜んてね)」
(いやん、仁ちゃんったら…、ポッ)

 あ〜、もう、こいつらは何をやっとるんじゃい! むしずがはしって痒くて仕方がないわい! 何がウォウウォウじゃい! 気分悪いわ! というわけでこの話はおしまいじゃい!
そんなことやってるわけないじゃないと思うシュークリーム
(2001/2/18)

2nd week

 昨日は久しぶりにゆっくりと寝た。ここまでゆっくりと寝ると変な夢を見てしまう。というわけで変な夢の話。


 ワタシは関西のお笑い芸人である。普段からそれほど面白い事を言うわけでもないワタシは体当たりで笑いを取りにいく。男の人なら当たり前のことも、女のワタシがやると笑いになってくれる。だからワタシは、どつかれる、ぶつかる、水をかぶるといったことを平気でやってきた。だが、先日はヒドイ目にあってしまった。

 ある晴れた日に、先輩芸人さんたちと同じ舞台に上がった。舞台と言うのは野外に設置された特設ステージである。お客さんの数はそこそこであった。多いとはいえないが、閑散としているわけでもなかった。

 何も芸のないワタシはいつものようにどつき回されていた。でも、いつもと様子が違う。ある先輩芸人さんが厳しいのだ。いや、厳しいなんてものじゃない。ワタシは殴られているのだ。その先輩芸人さんはワタシの事をこぶしを握り締め思いっきり殴る。顔面をガツガツという音を立てて殴る。何故だろう。もちろんこんな行為で笑いが得られるわけはない。かといって、お客さんがひいてしまっている様子はない。淡々と、ただただ、ワタシは先輩芸人さんの握り締めたこぶしで殴られているのだ。

 気がついたらワタシは一人になっていた。唇が厚く腫れあがってしまっていた。ぷっくりと腫れた唇。口を閉じようとしても上唇と下唇がくっつく事はない。いくら頑張ってみても無駄だった。くっつかない唇の間から常に白い歯が覗くのだ。

 黒人の男性がワタシに近づいてくる。さっきの先輩芸人さんの乾いた表情とは随分と違う表情を浮かべている。なんだろう。ワタシに何かを話し掛けてくる。唇がキュートだと言っている。唇? ワタシの唇が黒人女性のぷっくりとした愛らしい唇になったとでも言うのだろうか。

 白人の男性もワタシに近づいてきた。さっきの黒人男性と同じような事を言ってくる。ワタシは軽く会釈をしただけで立ち去った。そしてまた一人になった。

 あとで聞いたところによると、この白人男性はシルベスター・スタローンの息子らしい。何故、あの場所にいたのだろうか。よくわからない。そういわれてみると、ワタシはロッキー・バルボアのように先輩芸人アポロに殴られ回されていたのだ。

 映画俳優の息子の白人男性は再びワタシに言い寄ってきた。ひょっとしたら玉の輿のチャンスなのかもしれない。でも、どうしよう。彼はワタシのぷっくりとした唇に興味があるのだ。この腫れがひいてしまったらどうなるのだろう。この唇のために再び殴り回されるのだろうか。彼の父親がワタシの事を、最終ラウンドのロッキー・バルボアがワタシの事を殴り回すのだろうか。

 嫌だ。ワタシは殴られたくなんかない。ぷっくりとした唇なんてもう御免だ。ワタシはあたたかい布団の中にやさしくくるまれて眠っていたいだけなのだ。
殴られたら痛いよね思うシュークリーム
(2001/2/17)

1st week

 先日、「モー娘。ドンジャラ」なるものをやった。

 ドンジャラは誰もが一度はやったことがあるゲームなのではないだろうか。ルールが簡単な麻雀みたいなゲームだ。とにかく、お気楽にみんなで(みんなといっても4人だが)遊べるテーブルゲームである。何種類かの牌があって、それぞれには様々な絵が描かれている。その絵は、飛行機や車であったり、ドラえもんの登場人物であったり、モーニング娘。のメンバーであったりする。
 「モー娘。ドンジャラ」にはそれぞれの牌にモーニング娘。のメンバーの顔が描かれている。誰それを3枚、誰それを3枚、誰それを3枚と、9枚の牌を揃えればあがりである。単純明快。本当に誰でもすぐに出来る。

 この「モー娘。ドンジャラ」大会は西荻窪にあるぴこざわさんのうちで開かれた。参加者はぴこざわさん、パゴットさん、ひま@@さん(以上ハンドルネーム)、そしてボクの4人。牌をテーブルの上にばら撒き、ゲームは始まった。

 一番最初にあがったのはボクだった。
「あ、それ、ロン」ボクはそう言って牌を全部倒し表に向けた。
「あれ? それ、ホダが入ってるじゃん」そう言ったのはひま@@だった。「これが1点で、これとこれと…、で、合計マイナスだよ」
あがっておいてマイナス。恐るべし「モー娘。ドンジャラ」である。

 実は、このドンジャラを始める前に、「保田圭の牌はマイナス」というルールを決めていたのだ。しかも、「ヤスダ」ではなく「ホダ」呼ばわりされていた。西荻窪のぴこざわさんのうちの中にある限り、保田圭さんは永遠にマイナスキャラなのであろう。


 モーニング娘。の保田圭さんの不人気はなにも西荻窪の一角だけでの話ではないのだということを、その後、ボクは知ることになった。

 塾で生徒二人ととダラダラ話をしていると、女の子の可愛いという基準はなんなのであろう、という話になった。男の人はどういう人のことを可愛いと思うのであろうか。男の人は女の子のどういうところを可愛いと思うのであろうか。生徒とすれば、女である以上、永遠に分かり得ることのないテーマなのであろう。

「じゃあ、じゃあねえ、う〜ん、じゃあ、モーニング娘。でいうならば、誰が一番可愛いの?」生徒の一人にそう聞かれた。
そんなこと言われても困る。だいたいああいうのは誰だって可愛いに決まっているのだ。可愛いと思われている人達だからこそ、ああやってブラウン管の中で歌を歌い、踊りを踊っていられるのだ。
「そりゃそうだけど…、でも、敢えていうなら誰?」
そこまで言われると答えない訳にもいかなかったので、とりあえず「後藤まきかな?」と後藤マキオに敬意を表して答えておいた(後藤マキオについては先週のこのコーナーを参照して下さい)。もちろん本当のことを言うとこんなの誰だっていいのだ。
「ああ、そうか。後藤まきはこの前読んだ雑誌でオカズにするアイドルランキングで1位になってたものね」
こいつらは何てことを言い出すんだろう…。

 じゃあ、彼女達にとって可愛いのは誰なのか、と尋ねると、一人は「飯田かおり」、一人は「なっち、辻、加護」と言った。ようするに男でも女でも好みは人それぞれなんだからどうしようもないじゃないか、ということなのだ。そりゃそうだ。当たり前だ。今までの話は本当に不毛でどうしようもない話なのだ。

 が、ところが、ここであらゆる人の中で共通認識として、「保田圭はブサイク」というのがあることが分かった。

「なんであのひとモーニング娘。入っちゃったんだろうね」
生徒は二人とも口を揃えてこう言った。なんでもでしゃばっているらしいのだ。ブサイクのうえでしゃばっている、そこが気に食わないらしい。
「モーニング娘。に入ってなけりゃ普通だったのにね」
余計なお世話である。


 だからこの話の結論はって、そんなものないですよ。ただ、そんな話があったんだよってことです。ボクがこんな下らない事を書いている間にもモーニング娘。さんはどこかでお仕事でもしてお金を稼いでいるのでしょうね。もちろんホダさんも含めて。
なんのこっちゃいなと思うシュークリーム
(2001/2/7)

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