第3話
6月14日 朝
ニノ「母さん?『WhiteDream』って何だと思う?」
母 「ん?突然何言い出すかと思ったら、それって、昔和也が
だぁ〜いすきだった絵本の名前でしょ?懐かしい〜!
あの本ちょっと大人っぽい話しだったのに、何で和也はこの本
好きなんだろう??って思ってたから、よく覚えてるわよ?何で?」
ニノ「っあ、別に何でもないけど・・・。その絵本どこにあるのかなぁ〜?何て」
母 「あぁ〜、絵本?確かぁ〜・・・お隣にいた・・・そう!悠太くんに貸して、
そのまま引っ越しちゃったから、戻って来てないんじゃない?で、何で?」
ニノ「え?なんか結末忘れちゃってさ、気になっちゃって!悠太ん家って何処
行ったんだっけ?・・・っあ、別に取り返しに行くとかそういうんじゃないから」
母 「う〜ん、福ださん家は・・・ごめん!忘れちゃったぁ〜!そうそう、でもね、
悠太くんの上にお姉ちゃんいたでしょ?和也の3つ下の。まきちゃん?
あき?あれ?何だったっけ??・・・えっと・・・」
ニノ「・・・・・さ・・・き・・・・・」
何だか不意にでたその名前。俺は、知らないうちに呼んでいた。
母 「っあ!そうそう、さきちゃんよ〜!!良く覚えてたわね〜、感心!」
そのさきちゃんがね、○×女学園にいるんだって!すごいわよね〜!」
明るく話す母さんの横で、俺の頭は真っ白になっていた。
『さき』と『さきちゃん』・・・まだ同じと決まったわけじゃないけど、
あの絵本は彼女のお気に入りで、本はまだ彼女の元にあって・・・
思えば『夢』に出てくる人は、なんだか彼女に似ている気がする。
何で?
すごく胸が苦しくなって、気づいたら・・・
朝食も途中のまま、学校に向かっていた・・・
*
ガ ラ ガ ラ ガ ラ ー ドン ・ ・ ・
「はぁ、はぁ、はぁ〜・・・」
誰もいない教室。少し蒸し暑い。席について眼を閉じる。
絵本 悠太 俺 そして さき。 色々思い出す。
楽しかった時 ケンカした時 イタズラした時・・・
引っ越しの時・・・
「・・・やっぱり似てる?○×女学院か・・・。歩いて20分かな?
とりあえず行くかなぁ〜・・・」
バタバタバタ〜〜〜・・・ガラー・・・
「ニノ!先に行くなら連絡ぐらいしろって・・・!ん?分かった?」
「 ・ ・ ・ ・ ・ 」
「分かりましたか?二宮和也くん!!」
「・・・なぁ、相葉?今日帰り付き合ってくんない?暇だったら」
「え?別に良いけど、何処行くの??」
「・・・歩いて20分の所」
*
「はぁ〜〜〜〜」
大きくため息をついて寝転がると、昨日と同じ空が広がっている。
「何のために行くんだろ・・・??」
『結末』?『本を取り返しに』?『さき』を求めて?
ワ カ ラ ナ イ
でも たぶん 『自分のため』
しばらくすると、今まで澄みきっていた青空から水玉が落ちてきた。
「つめてぇ――・・・やっぱ、梅雨なんだよなぁ〜」
でも、その後に広がる世界は空からのプレゼントで生き生きしている。
それを見ている人間も。 ジメジメしてても、本当はいい季節??
たとえ嫌いだって言ったとしても、本気で嫌いになんてなれない。
それは、『17』という日が俺を迎えてくれたから。
*
放課後
ガヤ ガヤ ガヤ ガヤ ・ ・ ・
ニノ 「・・・相葉、行くぞ」
終礼が終わると、友達と話していた親友に声をかける。
「あははは〜>< ん?っあ、あ、あぁ〜、うん分かった!」
俺は、少し怖かったけど、すごく行きたかった。
歩いて20分の場所へ。
*
少しの期待と、大きな不安を交差させながら学校を出る
少しだけ雨が降っている
しばらくだまったまま歩き続ける
いきなり 「どうしたの?」 声がした。
「・・・何でもないから。お前は、気にしないで俺に付いて来て
くれればそれでいいの!!」
「ん、分かった。・・・今日のニノはすっごい変だ。」
自分が 『変』 ってことは、朝からずっと分かっていた。
あまりにもそれが当てはまりすぎて、少し怒った感じで歩いた。
*
15分後・・・
「あ〜、もしかして、お前の行きたい所って○×女学園?」
顔を上げると、道路の向こう側に○×女学園があった。
「 ・ ・ ・ 」
ちょうど下校時間らしく、たくさんの生徒が校門から出てきた。
「おぉ〜!いっぱいいるよ〜!っあ!あの子すっごい綺麗!!」
そこへ眼をやると、見慣れた顔・・・懐かしい顔・・・
そう・・・『さき』の顔があった。
「・・・・・さ・・・き・・・・・?」
夢で感じた鼓動、同じ顔、同じ声。
俺は夢中で姿を眼で追った。
気づくと回りの音なんか全然聞こえなくなっていて、
親友の慌てた声なんて耳に入っていなかった・・・
「・・・さき!」
何処からか名前を呼ばれて、
キョロキョロしている彼女が見えた。
その瞬間 ・ ・ ・
「ニノ!危ない!!」
「え?」
キィ――――!!
ドンッ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
何故だか、彼女と眼が合ったような気がした。
<つづく>
小説にモドル