柔らかさの裏には静電気のような痛みもあり(普段ピリピリ、時々バチッ!)、鼓膜をやさしく刺激する、そんな音色の歌の背後には“うた or die”な凛とした決意が――なんで僕はhalの歌を聴き続けているんだろう?てなことを改めてつらつらと考えていたところで聴く新作『ブルー』。この、丹念につづれおられたアルバムには、halという、いちシンガー(・ソングライター)の部屋から見えるランドスケープが広がっていて、それはやはり、青を意味する言葉で表されるべきものだった。広がりと、深みと、そしてちょっぴりの憂愁と――。部屋とはつまり、自分。自己表現の手段としての、うた。ともすれば自室へご案内!で終始しかねないそんな“うた”で、halはきっちり、例えばグァムの夜空まで見せてくれているのだから! ともあれ扉は開け放てるゆえ、遠慮せずに部屋へ上がって景色を眺めればいい。hal本人はもちろん、渡辺善太郎、上田ケンジ、朝本浩文、丸木土定男、エトセトラ、エトセトラ……といった面々がやいのやいのと賑わうこの部屋では、ナンバーガール・向井秀徳が“6階の少女”の目を借りて世の中を頬づえついて眺めてたりするからホント、楽しかったりするんだなあ。