杉山裕一 (ディレクター)
今回のシングルは、セカンドにして彼女のアティテュード(シンガーとしての)を決定付ける作品といっていい。スウェディッシュポップスに憧れ、そしてクラウドベリー・ジャム プロデュースという夢を実現させた彼女は、その経験から出した答。それは、日本の緻密なレコーディングに立脚した、ヴァーチャルなローファイ感とスウェーデンの温度感のミクスチャーである。本シングルはそんなhalの意欲作にして、決定版的楽曲である。M-1、M-2共にA面、つまり両A面という構成で成立しているシングルは、M-1は、元ブリッジ(ある意味もっともトラットリアらしかったと言えるかも?)の大橋伸行のプロデュースによる、アコギがガシガシ迫る、その名の通り“キュート”なポップチューン。M-2は、クラウドベリーとhalがコラボレイトしたスウェーデン録音で、M-1とは違い、グッとアダルトになったボサノバ調だ。この2曲が元歌が同一曲というのもびっくりする(そこが又彼女の狙いでもあるのだが…)。同じ曲「CUTE」を全く違う風土で録音したら、それぞれの国の特徴、それは空気感であったり、温度差であったり、正に文化差といものがこの2曲に込められている。halの感覚は、その異質な二国を自由に行き来する。M-2は曲に合わせ別れの歌に、M-1はアンサーソングとして再会の歌になっている。このシングルでhalは、別れと出合いを輪廻している訳だ。彼女のHitch Hikeはこれからも続くのだろう…。
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