ローランド・カークというミュージシャンをご存知でしょうか?
簡単に言うと、サングラスをかけて口に三本のサックスをくわえて一度に吹き、
あまつさえ鼻でリコーダーを吹くオッサンです。
と言った説明のせいで残念ながらイロモノ扱いされることの多い彼ですが、私は彼の音楽は真剣に凄いと思います。
そもそも上記の表現は誇張です。サングラスをかけてるのは盲目だからだし
、
「三本のサックス」というのは正確にはテナー・サックス、マンゼロ、ストリッチといった別の楽器です。
まぁ鼻でリコーダー(ノーズ・フルート)吹くのはホントすぎてどうしようもないのですが。
あと、循環呼吸もイロモノ扱いされる原因ですね。ディジュリドゥでは基本の循環呼吸も悲しいかなJazzの世界ではイロモノ技法。
特に凄いのが「Volunteered Slavery」とか「Blacknuss」とか(この2枚は32jazzレーベルより2枚組として再発されてます)。
大編成バンドでスティービー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、「Never Can Say Goodbye」はカバーするは「Hey Jude」のフレーズは引用するわ、
かと思えばコルトレーンメドレーなんかもやったりして。
「Blacknuss」の方なんかはかなりアドリブは少なめだったりするんだけど、
それでもこのファンク、ロック、ジャズを混ぜ合わせた祝祭的雰囲気が最高です。
陳腐な表現で申し訳ないんだけどまさしく「闇鍋」。しかも美味い。
で、まぁそういう独自の編成でやってるカークもいいんだけどジャズをキチンとやってるカークも捨てがたいです。
作曲の妙味も楽しみたいなら「溢れ出る涙(The Inflated Tear)」。
「Live in Paris Vol.2」では前述Volunteered Slaveryをワンホーンでバリバリ吹くし。
客演だとCharles Mingus「Mingus at Carnegie Hall」での熱いソロ(循環呼吸しまくり)や
Roy Haynesの「Out of the Afternoon」、Fly me to the moonの3拍子ヴァージョンが最高に泣けます。
フレーズも意外と幅が広くて、大編成のときも感じるけど、本当に過去の音楽に精通してる気がします。
過去の音楽と、それを自分の音楽として出すバランスが絶妙。
最近オースティンパワーズのテーマ曲にもなった、クインシー・ジョーンズの「Soul Bossa Nova」、
あれのフルート吹いてるのも彼。実は日本国民はかなりの割合で彼の演奏を聴いているのです。
って言ってもアレはあんまり好きじゃないですけど。