| ホーカーシドレー他 “ハリアー”シリーズ | |
~ 変態でも人気者 ~ |
助手: | 我々、乗り物学徒はこれからどこへ行けばよいのでしょうか? |
博士: | なんじゃね、突然? |
助手: | いや、先日、我々がマイノリティであることを実感することがありまして・・・。 |
博士: | マイノリティであるとなにか問題があるかの? |
助手: | たとえば女の子に、「なんの勉強されているんですか?」とか聞かれたときとか・・・ |
博士: | ・・・(軽蔑の眼差し) |
助手: | あ、いや、まあ、そんなこともあるかなーって。 |
博士: | 己に誇りを持たない者はモテないのじゃぞ。 |
助手: | だって~。 |
博士: | たとえ人から変態と蔑まれても人気がある乗り物はある! 君もわが道を往くのじゃ! |
助手: | まあ、博士はそういうの好きだから・・・ |
博士: | 馬鹿者。好事家でなくても大人気というのもあるじゃろう、ほれ。 |
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助手: | ・・・変態だ。 確かに変態だ。 |
博士: | このホバリング風景。まっとうな固定翼機としての形状が、物理法則を無視しているような思い込みをさせてしまう…何度見ても違和感アリアリじゃのう。 |
助手: | 実質的に史上唯一といってよいS/VTOL戦闘機ですよね。 |
博士: | まあソ連のYak-38はアレじゃからのう。 |
助手: | そしてたしかにハリアーは人気者です! |
博士: | さよう。スペイン、イタリア、インド、タイなどで採用されたし、発展型のハリアーII攻撃機もある。 |
助手: | けれど、なぜS/VTOL戦闘機はハリアーだけだったのでしょうね。1960年代に結構どこの国でも研究していたと記憶しておりますが? |
博士: | うむ、英国人のジョンブル魂がそれを成功させたと言えるじゃろう。 |
助手: | 回転砲塔単発複座戦闘機に国を挙げて取り組んだりとか、他の国が捨てたものに挑み続けるところとかでしょうか? |
博士: | さよう。回転砲塔戦闘機は失敗じゃったが、ハリアーは英国人のこだわりの成功例じゃな。エンジンから開発したのが成功の理由じゃと思う。 |
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通常、1つのジェットエンジンには、後方に1つの排気口(ノズル)がある。 |
助手: | けれど実際のところ、ハリアーシリーズの評価ってどうなんですか? |
博士: | フォークランド紛争時のキルレシオ(撃墜対被撃墜比率)は抜群じゃ。24:0じゃからの。 |
助手: | けれど、あれは両国の都合(おまけ参照)があるからあまりあてにならないかと思うのですが。 |
博士: | 確かに。結果として艦隊防衛の役割をハリアーが果たしたとは言えんの。また空戦結果はよくても、対空砲にけっこう喰われとる。 |
助手: | おまけに湾岸戦争じゃ7機中5機が地対空ミサイルなどにやられてますしね。 |
博士: | 速度がない、というのがなによりの理由じゃが、エンジンが機体中央部にあるから、赤外線誘導ミサイルが被弾したときのダメージが大きかったりするらしいの。 |
助手: | それでもいまだF-35B型というS/VTOL機の後継が望まれています。その理由はどのようなものなのでしょうか? |
博士: | 一言で言えば。 |
助手: | 一言で言えば? |
博士: | マイノリティだろうと変態は永遠に不滅なのじゃよ。 |
助手: | 誤解を招くオチをつけないでくださいよ。 |
(艦上や小さな飛行場など、制限がある場所での攻撃機運用が必要とされているからです) |
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<アルゼンチン軍の都合>
アルゼンチン軍の攻撃目標は、フォークランド(マルビナス)諸島に上陸せんとする兵を乗せた敵艦艇である。 |
<イギリス軍の都合>
実際のところ、この戦争でイギリス軍の艦船は、アルゼンチン軍航空機にボッコボコにやられた。 |
<空戦の結果>
ハリアーの一方的勝利だった。24:0という圧倒的キルレシオだった。 |
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