●スズキ マイティボーイ
 

~ ピックアップトラック文化の違いにみる・・・以下略 ~



下の写真は、2006年北アメリカ国際オートショーに出品されたフォードのコンセプトモデル、「F250 スーパーチーフ」

 

【F250 スーパーチーフ】

世界初となる、水素、エタノール、ガソリンの3種の燃料に対応したエンジン、そして超豪華な内装が「ウリ」。
後部になぜか荷台アリ。

 

うむ、すごい。しかし、日本人としては誰もがこう思うはず。

「ピックアップトラックである必然性がないな・・・」

まあ、その通り。
とはいえ、それを口にするのは野暮というもの。
おそらくフランス料理店で出された鴨を持参したわさび醤油で食するのと同じくらい野暮。
アメリカの人にとってピックアップトラックは理屈じゃないものなのだと思います。

広大なアメリカの大地。公共交通や物流サービスはすべての地域をカバーできない。だから人々はいろんなものを自らの手で運ばなければいけなかった。そういう背景から生まれたのが、アメリカの「ピックアップトラック文化」なのではないかと思います。
そのピックアップトラックという自らのアイデンティティに、誇りと自信をこれでもか、というほど塗りつけた、それがこの「スーパーチーフ」なのではないでしょうか。

一方、日本ではピックアップトラックを見ることはなくなりました。
日本のトラックはスペース効率がよく、とりまわしが楽な、「キャブオーバー」が主流ですし、一般家庭で積載量を望む場合、ワンボックスやミニバンが主流です。
日本でピックアップトラックが消えた理由はいろいろあるのだろうけど、最大の理由は雨が多い日本の気候なのではないかと思います。荷台に荷物を置きっぱなしというわけにはいかないから。東南アジアの場合は雨が多くても、逆に風通しがよい方が都合がよいのかもしれないけど。

しかぁし!日本にもかつて「理屈を抜きにしたピックアップトラック」がありました。
それは、こいつです!

 

【ハイゼットデッキバン】

ダイハツが作り続けるピックアップトラック? 松下が街の電気屋さんのために作らせたとか作らせなかったとか聞いたことがあります。


いや、間違えました。
これはこれでアリなんですけど、これは必然性ありますから。花屋さんとか電器屋さんに。現役だし。
というわけで、今回はこちら。

 

【スズキのマー坊】

スズキ マイティボーイ
水冷 4サイクル 3気筒 543ccエンジン搭載。
軽クーペ、セルボをベースにしたピックアップトラック。若者を対象に、当時の4輪車としては54.5万円という最低価格で1983年に販売され、1988年まで生産された。
パワーウェイトレシオがよくて結構やるやつらしい。シートもリクライニングできます。


車以上にインパクトがあったのはTV-CMでした。

「目立ちたいならマイティボーイ♪金はなくてもマイティボーイ♪」

という身も蓋もないような垢抜けた歌詞のBGMとともに、

「“スズキのマー坊”とでも呼んでくれ」

というインパクト爆発の名キャッチコピーで世間の度肝を抜いたのでした。 「この荷台でなにを運ぶというの?」 という素朴な疑問に対しては、

「遊びの星からやってきた」

「無駄があるからカッコイイ」

と、後期型のキャッチコピーで応えてくれました。
自ら無駄って言い切っちゃったよ。
“マイティ・ボーイ”とは「力強い少年」という意味だそうです・・・なんか自虐的なかほり・・・。

けれど、スーパーチーフと見比べると、「日本人でよかった」と思う自分がいたりします。なぜに!?




ON SET :

3/JUN/2006