「白銀(しろがね)」by sayaka kimura
おそれるものなどなにもなく あなたの進む水たまり
愛の愛や 胸の悪は 極まれり
わたしを捨てたその腕で あなたは今夜も猫を抱く
抜かれた牙や 燻る想いは やり場なく
歌声はかすれて 消えいりそうでも
切り裂くような断末魔だとしても
届くような耳もない から
いつか 行き場をなくして飛び降りるあなたを
微笑んでみているでしょう
なぜに その空は蒼くて あたたかい日差しも
悲鳴に変える 白銀い羽根
あなただけでいいのに
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汚れる領域も残りなく わたしの狂う片乳房
関する水や ただれる下肢は 濁る黒
薄れゆく意識を振り絞り あなたに宛てた言霊は
薄っぺらな善や 崩れ去る爆音に かき消され
歌声はかすれて 消え入りそうだとしても
瓦礫のなかで見えないとしても
誰かを救う腕ならない から
だけど 跡形のないあなたにひからびた月夜に
伝えるべきをなくすの
なぜに あの空は蒼くて あたたかい日差しが
悲鳴に変わる 白銀い羽根
あなただけでいいのに
わたしだけでいいのに
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(C)sayaka kimura 2002 shirogane
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