22 april 1999 Bangkok 
無事にバンコクに着いた。大韓航空も追撃されなかった。 それにしてもバンコックは暑い。暑いだけでなくじめじめしまくりなのでイスラエル人のおねえさんも一日に3回シャワーするとか言っていた。そのぐらいシャツもすぐべとべとになるので気持ち悪い。 ちょうど4月5月は暑い盛りらしく、去年もゴールデンウイークにタイに来たのだがちょうど暑い雨季ばかりに来ているようだ。 去年は朝空港に着いて、電車で中心部へと向かったのだがその時のタイ人の第一印象は、朝っぱらから暑くてだるそうといったものだった。目がみんな半開きでいかにも「だるー」とでも言っているようなのだった。 はっきりいってこの気候はだるい。 国民性はたぶん気候によるところが一番でかい。例えば日本が経済成長してるとか、こんな生活してるとか耳にして、タイ人は「いーないーな」と一時は思うだろうが、すぐに まあいーや となるだろう。まあいーや暑いし昼寝しよー とか、その気持ちよくわかる。別に欧米みたいなのがよいわけではない。又、インド人の大部分に比べればタイ人はだるいながらもかなりまじめな働き者であろう。
今日は安くてきれいで電源のあるホテルをさがしてうろうろしていた。旅行人の集まるカオサンロードをふらついていると、十四、五歳くらいの若者が道の角で横になって昼寝をしている。大股広げて気絶した様に、あるいは死んでいるのかと思うほどぐっすり眠っている。そこで私は大変なことに気づいた。その若者がはいているのはよくみるとズボンではなく、スカートだった。ミニスカートだった。そして私が一歩進むと視線の角度はおのずと変化した。そこで私が目にしたものはもちろん真っ黒なおめこだった。 おまえはむすめやろーが と一瞬思ったが、その気持ちもわかる。そんなことさえ「どうでもいいよな」と思わせるような気候なのである。道端で突然おめこに遭遇してちんちんのちの字ひとつピクリともしなかった。
道端で 黒いおめこに遭遇し 暑さにちんこ ピクリともせず
エロティシズムも 消えてなくなる この暑さ この人類の 未来を想う
そんなことよりも今日は散髪に行ったのだが、最初の頭のマッサージの方がよっぽどチンピクであった。外人なんて来ない通りをふらふら歩き、入った美容院であった。冷たい水で頭を洗われ、ぬーっときてさーっといくあの感じは至福の気持ち良さだった。 この「ぬーっときてさーっといく」感じと言うのは、タイ全体の感覚なのではないかと思ったりする。例えば王宮などのあの建物。あの屋根の形状、曲線。ぬーっとやわらかく伸びて行って、最後はさーっと天を向いているのだ。これはまるで国王が、「わかるよわかるよ だるいよな、暑いよな。そんなにいっつもがんばらなくてもいいよ。そうそうその感じで、何しろ暑いんだからね。けどよ、さいごだけはよ、こうやって締めくくるんだよ。天の方を向いてな。それでいいんだ。終わりよければすべてよし。」とか言っているかのようだ。 こういうのがタイなのかなとイメージする。例えば剣道が武士道だとしたら、そういうのとは正反対である。型を決めて一本一本、気合を入れてえいやっー、えいやーっというのとは全然違う。どっちもそれなりにいいのだが、王宮なんかのあのデザインは結構美しいのがちょっとわかる。あれはきれいだ。色合いも鮮やかだ。