
Cat People
キャット・ピープル
発行/東宝出版事業室 1982年3月発行 定価300円
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チャールズ・フライズ・プロダクション制作 1981年/テクニカラー 1時間58分
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暴力とエロティシズムに彩られたニューオリンズの夜の幻想
映画評論家 河原 晶子
(前略) ジョルジオ・モロダーの幻想的なシンセサイザー・サウンドにデヴィッド・ボウイーのハミングがまるで妖しい呪文のように絡みあって,映画が始まるこの一瞬から観客は遠い未知の場所へと導かれてしまう・・・。 (中略)
今は黒豹の姿に身を変えたアリーナの,その悲しげなグリーンの瞳がストップモーシヨツになって映画が終ると,テヴィット・ボウイーのうたう主題歌〈プッティング・アウト・ファイアー〉が,まるでアリーナの悲しい叫びででもあるがのように流れてくる。なんと悲痛な,荒々しいポウイーの声! 彼の歌は,まるで彼自身の痛みをうたっているようではないか! このラスト・シーンは,テヴイッド・ポウイーが主演したニコラス・ローグ監督の「地球に落ちて来た男」のラスト・シーンを私に想い出させた。宇宙の遥か彼方の惑星から地球にやってきて,地球の女と恋をして永遠に帰ることができなくなってしまつた宇宙人トーマス・ジエローム・ニュートンと,そして永遠に黒豹の姿から“女”にもどることができなくなってしまった“キヤット・ピープル”のアリーナ。「地球に落ちて来た男」でトーマス・ジエローム・ニュートンの悲しみのための子守唄となったのはアーテイ・シヨー楽団の〈スターダスト〉だったけれど,今ここでアリーナのためにうたうのはポウイー自身だ。ジヨルジオ・モロダ一の創るどこか東洋的なエキゾティックなシンセサイザー.サウンドとテヴッド・ポウイーのスリリングな出会いは,ポール・シュレーダーの狙ったアメリカ映画らしくないスタイルを見事に表現して,この映画のラストをしめくくったのであつた。
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ボウイさんは、この作品をダンス・バージョンに作り変えてアルバム・レッツ・ダンスにも収めています。あなたは、レッツ・ダンス盤、幽玄なサウンド・トラック盤、どちらの「PUTTING
OUT FIRE」がお好き?
「PUTTING OUT FIRE」のサウンド・トラック盤が聞きたい方は、このCDをどうぞ。
