TheBlairWitchProject
はっきりいってこの映画は前評判だけで見に行った映画でした。はじめてこの映画の存在を知ったのは、三週間ほど前にLAを友達と一緒にぶらぶらドライブしているときでした。なんか小さい映画館に大きく飾ってある文字は「TheBlairWitchProject」・・・。その語感からつまらない映画を想像したことを覚えています。しかし通り過ぎながらその友達が言うにはその映画は実はドキュメンタリーでMarylandで失踪した大学生が残したフィルムを映画館で流しているらしい、しかも噂ではかなり常識を超えたことがうつっているらしい・・・。
とまあこれが僕のその時入手した情報です。後にこれらは全てデマだとわかるのですが、まあそれはいいでしょう。とにかくその時に感じたのは「今までとは違うホラーだ」ということでした。僕も今まで僕なりにホラー映画は見てきたつもりでしたが、やはり感じるのはマンネリと特殊メイクに頼った演出でした。この映画はそれらの映画とは違う、その期待が僕を映画館に運んだと思います。
それで見に行ってみて思ったことですが、やはり今までの映画とはかなり趣を異にしています。映画に「モキュメンタリー(ドキュメンタリーの形を借りたフィクション)」という言葉があるくらいなので、おそらくこれが最初ではないのでしょうが、やはりショッキングな手法です。
とりあえずこの映画は今までの手法からは完全に自由になっています。やはり興味深いのは全く(といっていいくらい)不自然な展開がないということです。設定にまずリアリティがあります。大学生が大学のProjectのために森に入って行くというのはまあありがちなシチュエーションですし、実際うちの大学のFilm専攻の人達は自分達で映画を作っています。そして主人公達もアメリカの大学生から見れば等身大に見えます。リーダー格の女の子もどこにでもいる自己主張の強い女の子だし、(道に迷う)途中で地図を捨ててしまうMikeという男もどこにいてもおかしくない感じです。
ストーリー的には森に迷った大学生が魔女?に殺されていく、というまあありがちなものです。しかし何が怖いかというと、最後まで結局見ている我々には情報が与えられないということではないでしょうか?我々が得る情報は主人公たちがカメラから得る情報と全く一緒なので、今までとは違った意味の臨場感(あるいはシンパシー)が出てきます。つまり敵(?)は姿をあらわさない、あるのは夜の森から発せられる謎の音と彼らが残していくこれもまた処刑予告とも取れる木片で作られた謎の人形達・・・これらがいやが上でも我々の想像力をかきたてます。そしてその想像は我々人類が先祖から受け継いだPrimitive(原始的?)な恐怖(闇や不安)から来るのです。誰でも闇を恐ろしく思う瞬間があるでしょう、そして自分達が文明から遮断されているという不安がそれを助長します(リーダーの女の子が「現在のアメリカでこんな事が起るはずがない!」と主張するのはその不安からだと思います)。
一人目が消えた後(つまり恐怖が現実化した後)からの主人公を襲う恐怖は目を覆うものがあります。その恐怖から逃れるために現実を拒否しようとする行為もいいかんじで現実味を出していますね。そして最後の晩。消えたはずの男の声が森の闇の中から聞こえてきます。そしてそれを追って行ってみつける一軒の家・・・。ストーリーも恐怖もクライマックスを迎えます。必死に消えた男を探すMike、そしてただただ叫ぶつづける女の子(名前忘れた)。家の中には謎の手形などが散在しています。おそらくもうドキュメンタリーを作ることなど念頭にないであろうに、光りを保つためにまわされつづけるカメラ達そしてそのカメラが「あるところ」に入った瞬間に全ては終ります。
このラストも色々と意見が分かれるところでしょうが、僕は評価します。なぜなら理不尽な結果こそが人生だからだと考えるからです。交通事故で突然死んでいく人達にその理由を考える時間はあるでしょうか?こたえはNOです。死というのは往々にして理不尽なもので、それゆえに人は恐怖するのです。そしてその辺のことを考えればこのラストも納得できるのではないでしょうか?
しかし最後に立っていたMikeは一体なんだったのか?何故みんな死んだ後にFilmが埋められることになったのか?その辺の謎は来年夏の続編で明かされることでしょう。え?僕が期待してるかって、続編に?それは無理でしょう(笑)