2000年9月9日の朝は、「手紙書けなかった....」という後悔から始まった。紫の紙を100枚綴りで買ったのに、このていたらく。情けない思いを引きずりつつ、高速バスは、一路新宿を目指した。
新宿着9:15のバスが着いたのは、予定より30分ほど遅れて9:58。本当に何の用意もしてこなかった俺は、京王新宿店の裏手に回った。小物・雑貨店がずらりと並ぶ、通称「モザイク通り」。ここの存在はずいぶん前からわかっていたので、そのうちの1軒に立ち寄る。PINGUの袋を下げたとき、「これ、どこで買ったかモロバレだな」と苦笑した。
新橋駅で昼食を軽く済ませ、「どうせ現地集合だろう」とまっすぐ福家を目指した。始めてきたときは迷子になりかけた銀座の通りも、今ではほぼ庭同然である。福家の前をうろついていると、店から出てきたまるきんと合流した。メンツを見る限りでは、初期メンバーはまだいないようだ。百数十名を数えるまでとなったWGPのメンバーには、誰が誰だか確認するので手一杯である。
「準備してますよ」まるきんに言われ、さっそく2階へ上がる。良く聞き取れないのだが、「酒井さん」と言う人がカーテンの裏にいて、その声に答える声に聞き覚えがあるまるっこさがあったことから、若菜ちゃんがいることは確かなようだ。まるっこい声の主に「また来ます!」というと、俺はまるきん達の元へ戻った。それにしても、酒井若菜が相手だと正気を失いかける。
前回までは、表で歩行者天国をやっていたので整理券も表で売っていたのだが、ホコ天中でないと、表で客寄せというわけにはいかないらしい。虎の子の5千円札と、千円分の図書カード。表のときは使えるかどうか心配だったが...。実質の出費は前述の五千円を除いて300円となった。
12:00を過ぎると、けいえす、ごろー、らすとと言った有名どころが続々現れる。かねてからの約束通り、らすとと整理券を交換し、WGPの切り込み隊長に任命される。
店内に入ったとたん、いつもの脱力感におそわれる。階段の途中というシチュエーションから来るものなのだろうか。2度ほど、耐えきれずにその場でしゃがみ込んでしまった。
カーテンの裏に回り、肩まで髪が伸びた若菜ちゃんが見えると、いつものようにおどけてしまう俺がいた。俺の前の人の時、横目でちらりとどこかを見た若菜ちゃん。そのときは、何の気もなく見ていたが、アイ・コンタクトなのか?
スタッフがPINGUの袋と整理券を持っていった。きっと手渡しはダメ、と言うことなのだろう。そして、いよいよ。
「こぉんにちわぁ、うふふふぅ」あいさつからとばしてくれる。(おぉ、若菜ちゃんだぁ)
さっそく握手。ふわっとした感触。(よし、記憶が飛ばない内に!)
かねてより、考えていたことがある。2度目以来、若菜ちゃんは迷うことなく右手を握ってくれる。うれしいのだ、下手をすれば彼女に抱かれるよりうれしいかも知れない。最初にとまどっていた俺を導いてくれたのは、右の拳に握手をしてくれた、若菜ちゃんの優しさなのだ。応えてあげなくてはならない、そうでなければ罰が当たる。
「すいません」そう言ってしまったのは、照れである。
言葉ではなく、両手で応えたかった。彼女の...やさしさに。
「あっ...」そう言って、彼女は黙ってしまった。彼女の気持ちとしては、(そう来るかぁ!)だったかも知れない。
この後、声をかけようとして、スタッフに撤収させられてしまった。
ま、いいか。やりたかったこともできたし。そう思った、が。
「サイン付きって言ってたけど、どこにあるんだろ?」誰かの声に、手元の袋を見た俺は、「あっ!」と声を上げた。
(なんでここにPINGUの袋があるのよ!)スタッフに何の説明もしなかった俺も俺だが、あんな可愛らしい袋を持ち物として処理したスタッフのバカっぷりも相当なものである。このとき、まだZOEさんたちが並んでいたので、ZOEさんに渡してくれるようお願いする。
俺が「アイスが食いたい」と言ったことから、資生堂パーラーのプレーンアイスを食うことになったのだが、これがうまい。甘すぎず、純粋に素材だけで勝負してくる。特に卵の存在感。これは、アイス通である若菜ちゃんに食べさせたい一品であった。
そうこうしていると、ZOEさんが戻ってきた。「「ありがとうございます」とお伝えください、だそうです」と言づてまでもらってきてくれた。
全体的に「早かった」という意見が多い中、けいえすは「20秒ぐらい話が出来た」と言っていた。
出待ちが終わるまで2時間と少しというハイペースだったため、オフ会に1時間ほど付き合った。
らすとが帰りにちょっと付き合うと言うことになり、上野のカラオケ屋の6階でエレベーターのボタンを探したが、見つからない。スタッフに聞いたら「階段を使え」との返事。
らすとが「ちょっと待て」と言って階段を下りた。どうやら下の階から上がってくれるらしい。程なく、らすとが上がってきたので、1階で別れた。
...まったく、いい友を持ったものである。(Sep.11,2000)
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