その日、私は優雅に朝食を取っていた。バイキング(宿泊料金とパックになっている)と言うことで、ベーコンエッグとソーセージを平らげながら、オレンジジュースを3杯飲んだ後、パイナップルとライチと一緒にコーヒーを2杯。久々に満たされたひとときだった(食い過ぎだっつー)。
銀座を歩いていると、前日の夕方に新宿であった騒ぎ(二人の男の人が暴行を受け、ひったくられたらしい)がまるで嘘のようである。開店の準備をしている女性に道を聞くと、その女性は私が来た道を指さした。とんだ無駄足を食ってしまったが、急ぐ必要もないので、ゆっくりと来た道を引き返した。昨夜は見過ごしてしまった福家書店は、即席のバトルステージを用意していた。
私がゆりかもめの新橋駅前に到着すると、それから一人増え、二人増え。WGPの有名どころ総登場と相成った。極寒の北海道からは来られなかったものの、会いたい人にはほぼ会えた。中でも、らすとさんは手渡しが不可能なのにも関わらず、プレゼント(トレカのベースコンプと言うのが、いかにもらすとさんらしい)を持ってきており、私たちを驚かせた。
遅れ気味のshiryuさんがようやく到着し、整理券を買ってくれたGoroさんを先頭に総勢19人での移動となった。けいえすさんは、関西出身の気さくな人で、移動中も私に気楽に話しかけてくれた。yusukeさんはそこいらにいそうな若者で、ZOEさん、のりどん3さん、なをさんも、「酒井若菜」というくくりがなければ、もしかしたら一生会えないのでは、と言った感じの人たちだった。
さて、整理券というものにもランクがあり、色紙の整理券(1〜300)は直筆でサインがもらえ、しかも握手が出来る「サイン会」、白い紙の整理券(301〜*)は、握手だけの「イベント」となる。最初に「イベント」の紙を見たときは愕然となったが、握手が出来ると聞いて復活した(なんてわかりやすいんでしょ、この人)。この時点でナチュラル・ハイになっていたのは、言うまでもない。
やがて、私たち300番台の番になり、私たちは階段の踊り場で待つこととなったのだが、そのころの私と来たら、ナチュラル・ハイをとうに越え、ZOEさんの服にしがみつかないと立っていられないような状況になっていた。
そして、ZOEさんの出番となり、しゃべっている声が聞こえているのだが、私は次が出番だと言うことをすっかり忘れ、『ZOEさん、いいなぁ、しゃべれて』と客観的になっていた。古館伊知郎でもいたら、ここで仕切ってくれたのだろう。
『あなたの心と体の準備はよろしいでしょうか?』...正直に言います。「お願いします」とはとても言えない状況でした。
若菜ちゃんからサイン本を受け取るのがやっと。あとはもう、真っ白。動くことも、しゃべることも、出来ませんでした。
「えっ...?」一瞬、空気が凍りました(盛り下げてどーすんだよ(--;;)。若菜ちゃんも、とまどっていたようです。そして、若菜ちゃん、あなたは最良の決断をしてくれました。
拳を作ったまま、正常には動かない、右手。あなたに会えたことよりも、握手が出来たことよりも、私はあなたの優しさにふれたことが、とても、とても、うれしかったのです。
その右手を包む、暖かい、そして柔らかい、感触。
差し出された右手を、あなたは、優しく包み込んでくれました。
私より、少し小さな...両手で。
近くの喫茶店は、WGPで占拠され、異様な盛り上がりを見せていた。中でもなをさんは、「両手で握手したけど、まさか握り返してくれるとは...」と興奮気味に語ってくれた。この異様な盛り上がりは、上野のカラオケボックスでもとどまることを知らず、「燃えろ!ドラゴンズ」、「魔法使いサリー」の替え歌では全員が合唱していた。
私は新宿で宿無し人として一夜を明かすのがいやだったため、再びイベントで会う約束をして、メンバーに別れを告げた。けいえすさん、らすとさんと一緒に上野駅を歩いていると、shiryuさんが追い抜いていった。「上司に呼ばれた」とのことだが、仕事になったのだろうか。心配である。
私?聞かない聞かない(仕事が手に着かなかったらしい)。
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