その日、俺は小道具を持たずに、銀座の街を歩いていた。ナップザックの中には、ろくに冷えてもいないスポーツ飲料が横たわっている。胸にちょっと重たいWGPキーホルダーをぶら下げ、博品館に着くと、おもむろに昼間食ったづけ丼のご飯粒を取った。ふと見ると、最近の流行に合わせてか、小麦色のキティちゃんの着せ替え人形が売っていた。夏らしく水着を着ている。『時代は変わったな...』思いながらその場を後にした。
福家で整理券を買おうとおろおろしていると、あんにゅいが助け船を出してくれた。後はもう、いつものむさい集団が、歩行者天国の真ん中に集まるといういつもの光景。と、
「ひさしぶりー!」
見たことのある厚い壁に抱きすくめられた。けいえすである。瞬間、暑さよりうれしさがこみ上げる。見たことのある女の子の隣にいるちっちゃい人に目がいく。後に、この子がとんでもない秘密兵器になるのだが、いつもの光景にとけ込まない若い吉田日出子は、正直気になった。
「140番までの方!」呼ばれるままにけいえすたちの後ろに着く。裏から見ると、けいえすとその子の掛け合いは夫婦漫才さながらであった。「お前らいっそくっつけ!」とは、大きなお世話のツッコミだった。
やがて、本棚の森を抜け、俺たちは標的に近づく。...見えた!えっ?
その標的は白ではなく、小麦色をしていた。後にスポニチさんの記事を見ると、髪も茶系統に染めていた。表紙との顔のイメージの差は、その程度である。肌が白いままだとデビュー当時のアグネス・チャンまんま(と言うより今の感じが...まんま)なのだが。
次に目がいったのは、黄色いキャミソールである。3人祭に飛び入りで参加しても遜色なさそうな、そんな服装である(これが彼氏の趣味だったりしたらものすごくいやなのだが)。後にけいえすといた子に聞いた服装は、黄色いキャミソールにデニムスカート、腕にはビーズのブレスレットをしていたらしい。
けいえすたちと前に出ようと飛び出して、グレー集団に止められた。
『焦るなよ、tosh。練習しような』言い聞かせて定位置に戻り、握手の練習。と、
「指、きれいですねぇ」WGPの秘密兵器から荷電粒子砲(ゾイドを見てない人にわかるのかなぁ、これ)が炸裂した。スタッフに笑いが洩れる。
『まず、こうやって』右手に来るから左手でフォローする形でしっかり握手、と、ここまではいい。
『えっと...やべぇ、わかんないや』今まで言おうとしたことが、練習でも真っ白になってしまう。森の中でも何度もやったのだが、結果は同じだった。
場は暖まった、意識レベル正常、この上ないロケーション。
キャップの唾を後ろにやる、若菜ちゃんを見るために。このために来てるんだから。
バトルフィールド、セットアップ。フィールド内、スキャン完了。tosh VS.酒井若菜、READY,FIGHT!!!
俺:「こんにちわぁ」
若菜ちゃん:「こんにちわぁ」
俺:「お久しぶりです」
若菜:「お久しぶりですぅ」(右手に両手を伸ばす)
俺:「可愛いね」(左手でフォロー。相変わらず柔らかい(^^))
若菜:(笑いながら)「なぁに言ってんですかぁ、もぉ!」
ここで変な間が空いたため、toshをシステムフリーズとみなします。
WINNER,酒井若菜!(この後、スタッフに「もう一回回るんでしょ?」と言われた。先立つものがあればねぇ...)
今回、からかわれただけでもかなりの進歩と見ていいでしょう。気が付いたんだが、この言葉、らすとのページの以前のタイトルじゃなかったか?
小麦色良かった...それだけで壊れた...できることなら、できることなら。
次の日、上司に電話でたたき起こされ、遅めの朝食を食べながらテレビを見ていた。居間のテレビでは「レッツ!」が放映されている。今日は午前中父がいるらしく、母親ももちろんテレビを見ながら、やってきた叔父の接待をしていた。この場で、もしも...。私はそうならないことを祈りながら、敢えてチャンネルには手をやらず、やり過ごすことにした。
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