「割り箸の不使用は環境破壊に繋がる」という逆説を。
割り箸の原材料は「端材」=「捨てる部分」です。
木は丸いよね。そのままでは木材にはならないから、製材して四角にする。
その際、周辺部はゴミになるわけだけど、かつてはこれが燃料として活用された。
しかし今はマキを焚く家はほとんどないから、ゴミにするしかないのだけれど、
それでは勿体ないから、それを再利用しようということで生まれたのが「割り箸」なんだね。
さらに、割り箸は端材だけでなく、「間伐材」からも作られています。
間伐とは木を育てるために必要な「間引き」で、これをしないと森全体のバランスが崩れてしまう。
「植林」は何十年にもわたる息の長いプロジェクト。
ただ植えただけでは木は育たない。
発育の悪い木は間引く必要があるし、放置しておくと逆に山間部の荒廃を招いてしまいます。
たかが割り箸のために木を伐採していたら膨大なコストがかかってしまい、商売として成り立ちません。
割り箸作りは、原価がタダだからこそ成り立つ商売なんですね。
割り箸はこうして山間部の貴重な産業になるにとどまらず、豊かな森林を作るために貢献してさえいるのです。
発育の悪い木を間引いて、きちんと育った木はしっかりと根を張ります。
この根や、枯葉などによって森は、豊かな土壌をはぐくみます。
しっかりとした地盤を形成した豊かな土壌は、豊饒な地下水をもたらします。
ところが、山間部が荒廃すると、日本の河川の枯渇を招いてしまいます。
川の水は雨水だけではなく、山間部の土壌から湧き出る地下水も大きなパーセンテージを占めているんですね。
いささか極端な喩えを。
仮にコンビニで割り箸を所望する客が日本中でゼロな状態が何ヶ月も続くとします。
コンビニの本部は割り箸不要とみて、割り箸業者への発注を抑えるかカットしてしまうことでしょう。
大口の取引を失った割り箸業者は倒産するか事業を変えるでしょう。
これによって、割り箸業者に端材や間伐材を卸す植林業者も、
商売上がったりということで森林を見捨ててしまうと、木を間引いて森林を育てる人がいなくなってしまう。
結果、良い木が育たなくなり、森林が荒廃し、日本の河川も早晩枯渇してしまいます。
さながら中国の水墨画に出てくるような木が一本もないハゲ山が日本の各地に出現しはじめることでしょう。
割り箸にとって変わる端材の別の商業的な利用法が見出せない限りは。
こちらの方が、環境破壊だと思うのだけれど。
15年から10年ぐらい前から、誤った環境保護ブームに煽られ、
ラーメン屋や、お昼の弁当の時に「マイ箸」を持参することがあたかも文化人であることの証のような風潮が流行りましたが、
あんなもん、本質を見据えない単なる自己満足な「ポーズ」にすぎません。