11日〜





-11日-
昨日のアツシの言葉が信じられない。
でも、本当の事だったら大変
僕に何ができる?
僕には何も出来ない?
僕はどうしてやればいい?

アツシに何かしてやりたいとは、心の中で思っているのに
どうしても部屋にアツシを入れる事が出来ない・・・・

弱虫め




-12日-
アツシに話しの一部始終を聞いた。
身の毛もよだつ
なんて事を
それも僕が原因。
僕の所為。
やっぱり僕は、産まれてきてはいけなかったのか。
存在自体、あってはいけないものなのか。
僕は

死ぬべきなのだろうか



-13日-
死ぬといっても、どうやって死ぬか
死ぬという事がどういう事なのか
僕が例え死んだとしたら、何かがかわるのだろうか
今でも死んだ人間の様な扱いなのに
アツシは報われるだろうか
アツシの罪は無くなって、僕がかぶる事になるかも
その方がいいね

アツシの罪は、日記には書かないでおこう。
僕が死んだ後にこの日記が、誰かの目に触れたら大変だ。




-16日-
あれから3日しかたっていないのか。
僕にはもっと長く思えた様な日にも感じる。

というか、今は自分がこうしてまた、日記の続きを描いているという
現実を目の前に、いかに自分が臆病者なのかという事が解る。
自分にも幻滅するよ。
それでも僕は、今こうして生きているという事に感動してる。

臆病でも、弱者でも。
僕にはアツシがいる。




-17日-
この数日間の事を日記に標しておこうと思う。
他の誰かに見られてしまうかもしれないという不安は、少々あるけれど
それはそれ、今の現代のハイテクっていうのを大いに活用しよう。
僕以外は見れない、大丈夫。

数週間前のメイドの殺人事件。
あの事件は1人の人間では到底出来そうもない、殺人方法だといわれ
今では、グループ犯罪なのではないかと。
警察の方はその線で捜査を続けているらしい。
あの3人は、うちの家以外でも敵が多かったらしいから、適当に犯人なんか
はみつくろえる。

あのメイド達が殺される何日か前、僕は石畳で車椅子ごと転んだ。
そのときの記憶をたどってみると、アツシが僕に「あの人達が悪口を」とか、
あのときは思い出せなかったけど(頭を打ってぼ〜っとしてたから)「僕に任せて
おいて下さい」とか。
そんな事を言っていた事の様に思う。
そのときの僕には何の事かなんてわかんないかったし、きっと真実をきくまで
解る事もなかったと思う。
その、僕が転んだ次の日あたりに、アツシはまたメイド達に呼び出されたらしい。
僕への仕事は終わった後だったので、僕が知る由もなかったのだけれど。
そのとき、どうやらメイド達に言われたらしい。
「ヒサシさんのお部屋から、金目のモノを盗んで来い」ってね。
そういえば、アツシの前のメイド達が僕の部屋にくる度、万年筆がなくなったり
窓辺に飾っておいた置き物がなくなってしまったり、そんな事はしょっちゅうあった。
僕は気に入ったモノといのが、元々ない人間なので、さして気にはしてなかったのだ。

アツシは盗みをするという事自体したくない、ましてや僕の物を盗むなんて
いう事は、主人を冒涜しているから嫌だと言ったそうだ。
そのときに1人のメイドが僕の悪口みたいな事を言ったらしい。
「足のないガラクタ人形の子供には、使えないものが沢山あるだろう。
使える人間が使った方が、物だって喜ぶに決まっているじゃないか。
あの人には、車椅子と義足だけがあれば、それで十分なんだよ」と
それからは、アレをとっここい、これをとってこいと、僕の部屋のものを
あれこれと指示したそうだ。
しかし、アツシはこれっぽっちも僕り部屋から盗みをする気なんてなかった。
盗みをしなければ、苛めは酷くなるのはわかっているけれど、そんなの自分にとっては
痛くも痒くもない、と。

そしてそのときだ、僕の部屋で掃除をしているとき、僕ポツリと言った言葉に
アツシは触発されたのだろう。

「騒がしいメイドはいらねぇよ」

この一言でアツシが行動におよんだのか。
僕はこのときまですっかり忘れていた。
アツシがどうしてこんな事をしたのか。

アツシは僕のメイドなのだ。



-18日-
アツシの罪も一緒に、僕が持って行くよ



-25日-
目覚めた此処は、僕の知らない場所。
目が覚めたらそこは夜で・・・・いつまでたってもここは夜で・・・。
傍らにノートパソコンがあったので、僕はこうして不安な時間をこのパソコンと
過ごしている。
僕はあの後どうなったのか。
アツシは?

僕は・・・・
記憶の中も夜のようだ。



-26日-
僕がベッドで目覚めると、いつも料理が容易されている。
誰が作ったのか、誰が持ってくるのか。
お腹空いてるけれど、どうしても食べる気になれない。
この料理に毒が入っていたら?

おかしな話しだ。
僕は死のうとしたっていうのに、今は死ぬのがとっても恐い。



-27日-
真夜中の部屋の角を眺めながら、今迄の自分の記憶を辿っていってみた。
メイドが殺されて、そのメイドを殺したのがアツシで。
僕は、生きる気力をなくして死のうとしたのは憶えてる。
どうやって死のうか考えて、それからどうしたっけ?
何か薬を飲んだっけ?
それとも手首を切ったっけ?
首は・・・・つれそうにないなぁ。

良く憶えていない、どうしようとしたんだろうか。
僕はどうしていたんだろうか。
アツシは何処にいるのだろうか。










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