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Uli Jon Roth Sky Of Avalon     88
 Prologue to The Symphonic Legends (1996年)

   スカイ・ギターを操り、その美しい音色で聞き手を天空へといざなう「仙神」ウリ・
  ジョン・ロート。彼によって創造された三部作からなるSymphonic Legends
  この壮大なスケールを持つ一大プロジェクトの予告編となるのが今作である。
  他のメンバーはトミー・ハートマイケル・フレクシグヘルゲ・エンゲルケと豪華絢爛
  な作りとなっている。
   インスト曲を多く含んだ構成は、その物語性に相応しく起伏に富んでいて、その
  内容は神秘性をも感じさせる程の、光沢に満ちたシンフォニック・アレンジによって
  彩られた、叙情的なフレーズを堪能できる、という作りになっている。ウリ・ジョン・ロート
  のスカイ・ギター、二人のVoのオペラティックな唱法ともに、こちらの感性を直接刺激
  せしめる程の感動に満ちており、この作品の世界観を一層崇高なものと感じさせて
  くれる。
   なんにしても本編の発表が本当に待ち遠しい。

VIPER                       91
 THEATRE OF FATE (1989年)

   ブラジルのメロディックパワーメタルバンドの2nd、VoはANGRAアンドレ・マトス
  である。全8曲入りとやや短めな内容となっているが、クラシカルでどこまでも感動

  的かつ劇的な展開を見せる曲がこれでもか、というほどに収録されている。

   俺はANGRAを聞いた後でアンドレ・マトスがかつて在籍していたバンドがあるとい
  うことを知り、このアルバムを聴くことになったんだけど、正直ここまで素晴らしいとは
  思わなかったね。後のANGRA時と比べるとアンドレ・マトスのVoはまだ完成されて
  いない感じがするけど、こちらの感情を十分震わせる程度の超ハイトーンは聴かせ
  てくれるし、アルバム全体を通して高品質なメロディを味わう事ができるしね。

VIRGIN STEELE                83
 Invictus (1998年)

   独自の宗教、神話的な物語をベースに展開される勇壮で力強く、且つ所々に、
  馬の駆ける音などが取り入れられているドラマ性に富んだサウンドに、Voのデイヴィ
  ッド・ディフェイが時に獣のように雄雄しく、時に吸い込まれるような気高きファルセット
  でもってコントラスト豊かに、その深遠なテーマを持った世界を表現している。
   基本的な歌唱スタイルとなるしゃがれたような歌い方の方は、それほどまでには、
  好きではないが、もう一方のきれいなファルセットの方はまともに心の琴線に触れた。
  勇壮な楽曲によって得られる陶酔感をさらに増幅させる効果を与えている。

VISION DIVINE               67
 VISION DIVINE (1999年)

   LABYRINTHオラフ・トーセン(G)、RHAPSODYファビオ・リオーネ(Vo)らによ
  るプロジェクト。
   正直上記2バンドの作品ほどの魅力は感じない、これという曲があればまた印象
  も変わってたかも知れないけど…

X                          89
 VANISHING VISION (1988年)

   
音質以外は信じられないほどのハイ・クオリティを誇っている。
   荒々しいまでのツーバスの疾走感が堪らないオープニング・チューンVANISHING 
  LOVEはその疾走感と、時おり見せる静寂なパートとのコントラストが絶妙な魅力
  を生じさせている。聞き手の血液を冒頭から一気に沸騰させてくれる。
   スピードは一枚落ちるもののツボをついた印象的なメロディが光るSADISTIC DE
  SIRE。火花を撒き散らしながら疾走するようなオープニングチューンに勝るとも劣らな
  い中盤の神曲I‘LL KILL YOU。序盤の荘厳な静けさから一気に展開していくさま
  が無茶苦茶格好良いKURENAI
   これら疾走曲群の充実度は全作品の中でも屈指。そしてこの楽曲群とVoの悲壮
  感漂うややハスキーがかったハイトーン・ヴォイスとの相性がまた秀逸。   

X                          97
 BLUE BLOOD (1989年)

   私的最高傑作。
   BLUE BLOODXオルガスムという前作同様充実した血湧き肉踊る疾走曲
  群は凄まじい切れ味を誇っている。紅は日本語になってしまったが冒頭に追加された
  シンフォニックパート、同様に変化した後半のアレンジにより一層深みを持つ曲へと昇
  華している。
   そして疾走感、物悲しい雰囲気を持った旋律の美しさ、といった魅力が凝縮された
  大曲ROSE OF PAIN、そのドラマティックな展開力は様式美の極みである。この曲
  と、ピアノを主体に所々バイオリンが加味されているサウンドスタイルが美しい崇高な
  バラードUNFINISHEDの存在によりアルバム全体の深みが増している。

X                          93
 Jealousy (1991年)

   ストリングスとピアノによる美しくも、最後の部分の複雑な展開が印象的なインスト曲
  Es Durのピアノ線により幕を開ける。その後続くはSilent Jealousy、物悲しいピアノ
  で始まりながら例によって疾走パートへと移行していくところが分かっていてもやはりツボに
  はまる。シンフォニックな要素を取り入れながらも良い意味でキャッチーさを持った曲である。
   重厚な力強さ漲る超絶スピード・チューンStab Me In The Backは過去2作に通じ
  る勢いのある曲である。
   作品の終わりを司るシンフォニック・バラードSay Anythingでは、前作までに比べてクリ
  アー度の増したToshiの歌声がその崇高な楽曲雰囲気を一層気高きものにしている。
   前作までに比べてサウンドプロダクションは上昇が見られる。一方、楽曲群は様々な
  スタイルのものが収録されており良く言えばヴァラエティに富んでいると言えるが、前作まで
  のあの怒涛の勢いは大幅に減少してしまっている感がある。

X JAPAN                    91
 ART OF LIFE (1993年)

   29分を超える大曲中の大曲。起伏に富んだドラマティックな展開、シンフォニックに彩ら
  れた数々の美旋律、彼らの一つの魅力である様式美シンフォニック・メタル音楽という側
  面に忠実に沿った作品である。複雑怪奇なピアノの展開、大仰なまでの崇高さを生み出
  すヴァイオリンパート、そして力強き疾走パートへと移行していく作品後半部の展開は見事
  の一言。

X JAPAN                    85
 DAHLIA (1996年)

   勢い、疾走感といった要素は更に減少している。が、代わりにやたらと綺麗に整った
  雰囲気に包まれており完成度は高い作品となっている。4曲のバラード群は非常に高
  いクオリティを誇っており、その充実度は過去の作品と比べても最高のものとなっている。

ZENO                       86
 LISTEN TO THE LIGHT (1998年)

   仙神ウリ・ジョン・ロートの実弟ジーノ・ロート率いるバンドZENO。この作品では、全
  ての楽器をジーノ・ロートがプレイし、全ての曲をマイケル・フレクシグが歌っていて、完
  全にこの二人によって作られた正真正銘の新作である。
   感情を震わせる力に富んだジーノ・ロートのギター・プレイは次々と涙腺を刺激する
  フレーズを生み出していき、また正々堂々としたマイケル・フレクシグの威厳すら感じさ
  せる歌声はとてもエモーショナルで作品に一層の感動を付与している。
   これらの要素が一点の曇りも感じられない透明感あふれた叙情美旋律の数々と
  融合することにより素晴らしい音世界を構築している。