-2002 vol.3-
| RITUAL SHAMAN |
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| ANGRA から衝撃の脱退を遂げたAndre Matos(vo.),Luis Mariutti(b.),Ricardo Confessori(dr.)の3人とLuis の弟であるHugo Mariutti(g.)による新バンド、満を持してのデヴュー・アルバム。 Andre らの抜けた穴を見事に埋めるだけの新メンツで快作『REBIRTH』により復活したANGRA との比較は避けて通れないところだが、基本的にはANGRA 同様スピーディでメロディックなパワー・メタルを軸にクラシックや民俗音楽の要素を取り入れたスタイルがこのSHAMAN にも受け継がれている。 とはいえVIPER やANGRA で多くの曲に携わってきたAndre の才能はここでも冴え渡っており、オープニングを飾る序曲1.Ancient Winds から疾走曲2.Here I Am という王道的流れは予想通りではあるものの、特に"Here I Am"などは頭から最後までANGRA 節とでも言いたくなるような展開に彼らの自信と決意が見え隠れするが、曲のクオリティも本家に引けを取らない素晴らしいもので、心をガッチリ掴まれてしまう。 続く3.Distant Thunder はパワフルなメタルチューンながら間奏部でのピアノなどの切な系メロディが印象的でこれまたツボにクリーンヒット。お得意の民俗テイストが曲の魅力を十二分に高めている昂揚感溢れるナンバー、4.For Tomorrow にも言える事だが、"未知数の男"Hugo はなかなかメロウなフレーズを繰り出す良いギタリストだ。 Andre もかつての押し付けがましさみたいなものがいささか減退して、自然に歌っている部分が多く、それでいて独自のファルセットも健在であり、ANGRA 時代の彼の歌唱を好む好まざるに関わらず聴けるかつてと一味違うシンガーになったと言えるのではないだろうか。中でも彼の素養の集大成とも言える繊細かつ壮大な7.Fairy Tale における歌唱は見事なまでに堂に入ったものであり、曲そのものもドラマティックで素晴らしい。 アルバム全篇を通してANGRA の"Carry On"みたいな強烈なインパクトを持った曲こそないものの、それぞれの曲がクオリティの高いもので、よく練られたアレンジと安定した演奏力、そして名プロデューサーSascha Paeth の手腕によりデヴュー作にして完成されたSHAMAN サウンドに今後への期待は高まる一方だ。 (7/26) |
| ONLY HUMAN AT VANCE |
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| ドイツ産ネオ・クラシカル・メタル・バンド、才能開花の4th。 シンフォニックな味付けを加えたスピード感溢れるパワーメタルというもうお腹一杯なジャンルにおいてそれなりに聴く気にさせるにはきちんとした楽曲を作る能力と、それを無理なくこなす演奏力(最悪ライヴは無理でもCDでは聴かせて欲しい)とが必須条件であるが、他の多くのバンドと比べて遥かに巧いシンガー、Oliver Hartmann を擁している点でこのAT VANCE は一歩抜きん出た存在と言えるだろう。 そのOliver、時折Jeff Scott Soto を思わせる声質とブルーズ・フィーリングにも似た結構このジャンルでは珍しい抜群に上手いヴィヴラート、マイルドな中音域からハイ・トーンまで無理なく出せる声域など特筆すべき点は多く、稀有な存在と言えるだろう。 中心人物のOlaf Lenk(g.)はアイデアとしてはYNGWIE MALMSTEEN やSTRATOVARIUS やその他大勢がやり尽くした事の二番煎じ的な印象を受けるものの、クラシック・ギターの素養を持つであろう事が伺える流麗なギター・プレイで曲を華やかに盛り上げている。 でもって技巧的な部分だけでなく曲も良い。ネオ・クラシカルだけどジャーマンというのがブリッジ部に顕著に現われている2.Only Human を筆頭にどっかで聴いた事があろうとなかろうと良いものは良いんだから気にすんなという説得力に溢れた上質のメロディと優れた雰囲気作りで気持ちよく聴ける。 RAINBOW のカヴァー13.I Surrender も含めて捨て曲ナシの力作。唯一つまらないのはヴィヴァルディの曲6.Four Seasons/Spring か。こればっかりはオケの方がずっと良いですわ。 とにかくこの筋を聴ける方なら聴いて損はない一枚。エンジニアとしてSascha Paeth の名前がクレジットされている、と聞いてドキッとした貴方はもうすでに持ってらっしゃるでしょうが。 (7/18) |
| HAMMERED MOTÖRHEAD |
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| バンドの結成は僕が生まれる前。LEMMY(vo.,b.)に至ってはウチの父より年長者。それでいてこのカッコ良いとしか表現できない怒涛のロックンロールにはまさにアンビリーバボー。 そんなオヤジにもかかわらず精力的なライヴ活動を欠かさず、さらにはたったの2年で新作を提供してくれるのだから誠に恐れ入る。そんな本作でも天が落ち、地が裂けようとも不変であろう揺るぎなき暴走ロックンロールが貫かれているのは言うまでもない。 そんな中でやはり目立つのはPhilip Campbell(g.) のギタープレイを中心に、多くのメロディックな箇所が配されている点であろうか。 多くを語る必要もない。自身の価値観のみに基づいて言わせてもらえば、酒とスポーツとロックの良さがわからない人は損している。MOTÖRHEAD というのはその内のロックにおける最も判りやすい例の一つだ。 (7/17) |
| AGAINST THE WORLD FRONTLINE |
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| 専門誌のレヴューにおいてすらも「まだいたのか」的な事を書かれてしまった程人々の記憶から消去されつつあったドイツのメロディアスなHRバンドの5年振りの3rd。かく言う僕もSENTIMENTAL STREET のTAKEさんから戴いたCD-Rで初めてこのバンドが存続しているのを知ったのですが。 事あるごとにJOURNEY を引き合いに出される爽快なアメリカン調ハード・ポップは今なお健在。適度にエッジを利かせたギターに、さり気なくもそれでいてなくては困るキーボード、重厚なハーモニーと押さえるところを完璧なまでに押さえているからこそ、Stephan Kaemmerer(vo.)の甘いハスキー・ヴォイスによる味のある歌唱も映えるというもの。 まんまJOURNEY な7.One Night はさておいて(モノマネじゃ済ませない良い曲なんだけど)、それほど強烈にJOURNEYっぽいというわけでもなく、この界隈にありがちなやたらとバラードに頼ったり似通った楽曲ばかりだったりという落とし穴に陥ることもなく、一曲一曲を安心して楽しめる辺りはさすがといったところ。 個人的には本編終盤の8.You Should Know Me , 9.Don't Break My Pride, 10.Change His Life の叙情性に強く惹かれるものがある。やっぱこのバンドはギターが良いなぁ。 (7/17) |
| KILLING THE DRAGON DIO |
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| 新ギタリストにDoug Aldrich を迎えての10th。このタイトルにこのジャケと来れば期待するなと言う方が無茶というもの、全世界の数多くのメタルヘッドに向けての”完全復活”のマストアイテムとなるかと思われたものの、いざ蓋を開けてみれば残念ながら”そこそこ”で済ませてしまうアルバムだ。 巨匠Ronnie James Dio の歌唱は相変わらず素晴らしく、その点は勿論絶賛に値するが、それってば今までの彼が歌った音源全てに言える事であって正直それだけじゃ物足りないと言わざるを得ない。 このアルバムにおける最大のポイントはやはり楽曲の弱さであり、HM/HR界の宝であるRonnie のヴォーカルを活かしきれるだけのコンポーザーが不在であるという悲しき事実。DIOらしい楽曲が並んではいるがどれもこれもメロディ・ノリに於いてあと一・二歩決め手を欠いている。 一ファンとしてはこのままDIOに健在ぶりを示せぬままで終わってもらいたくはないので外部ライターもしくは敏腕プロデューサーと組んで仕事をしてもらいたいものだ。 というのも新加入のDoug はソリッドなバッキング、流麗なソロと奮闘しており個人的には歴代ギタリストの中ではVivian Cambell に次いで世界で二番目にDIOに適したギタリストだと思われるので曲が書けないというだけの理由でギタリストをすげ替えるのは勿体無いなと。 ついでに言えば疾走曲4.Better In The Dark やムーディな5.Rock And Roll などDIO印100%な楽曲にはやっぱりやかましいくらいのVinny Appice が居ないのは淋しい限り。 (7/17) |
| UNITY RAGE |
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| 至極のパワー・メタル。それがどんな言葉よりもこのアルバムを語るのにピッタリな言葉でないだろうか。元MIND ODYSSEYのVictor Smolski(g.,key.)の加入については知っていたが、それ以前の4人編成時にこのバンドは限界が見えたかと判断して前作は未聴のままであった事が実に悔やまれるほどの力作だ。 MIND ODYSSEY時代から独特のシャープなリフと流れるようなリード・プレイには光るものがあったVictor だが、彼の加入はRAGE にとっても、彼自身にとっても非常に大きいものだと言えるだろう。もともと他の同国のバンドとは趣の異なる”ジャーマンの枠に入らないジャーマン”であったこのバンドの良い意味での特異性に磨きがかかっている。 やはりMIND ODYSSEYを想起させるイントロとライヴでは大合唱必至のコーラスが印象的な1.All I Wantにいきなり引き込まれたら最後、もうこのアルバムの魅力からは逃れられない。 Mike Terrana(dr.) のパワフルなドラミングが一層と曲を盛り上げる2.Insanity 、Victor のギター・プレイの真骨頂とも言えるキレのよいリフが耳を惹く3.Down と初っ端から勢いのあるパワー・チューンが続く流れは圧巻。しつこさを微塵も感じさせないのは適度にメロディアスであるが故か。 続く4.Set This World On Fire ではお得意の引っかかるブリッジからガッツ溢れるコーラスという組み立てが見事に決まっている。5.Dies Irae でのクワイアの大胆な導入はやはりVictor の味だろうか。この曲での小気味よいリフと流れるような素晴らしいギター・ソロは何処となくNuno Bettencourt を思わせる。コンポーザーとしてもギタリストとしても秀でた凄いミュージシャンであると改めて感じさせる。 AメロとそのバッキングがたまらなくRAGEらしくてカッコ良い6.World Of Pain と小インストを挟んでの8.Living My Dream は、いかついパートとメロウなパートがあってPeavy Wagner のヴォーカリストとしての懐の深さを実感させる。あまり技巧的なイメージはなく、実際パワフルさが売りのシンガーではあるがホント巧くなってるわ、この人。一転9.Seven Deadly Sins ではご自慢のパワー溢れる歌唱を存分に堪能させてくれているが、きちんと旋律を辿っている。このあたりを見習って欲しいシンガーは数多い。 紛れもなくVictor が持ち込んだ要素であろうネオ・クラシカル曲10.You Want It,You'll Get It は残念ながらサビが平凡だが試みとしては実に面白い。彼の作ったインスト11.Unity で本編を締めくくるあたりもPeavy がいかに彼を信頼しているかの表れではないだろうか。曲としては中の上くらいではあるが。 怪我の功名とはよく言ったもの、現メンツがRAGE 史上最強。必聴盤。 (7/11) |
| MALADROIT WEEZER |
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| 前作から一年という他のビッグ・ネーム連中には是非とも見習ってもらいたい短いスパンでリリースされた4th。それほど期間を空けてないということもあって前作と同様ゴリッとしたギターリフ主導のパワーポップ・チューンがアルバムの多くを占めている。 発売当初は大物らしく賛否両論渦巻いていたが、それらも鎮火した今改めて聴いて感じるのはこのアルバムが非常にWEEZER らしさに富んだものであるということ。1st・2nd のそれぞれで残した強烈な印象とは異なるものの、独自のポップ感と躍動感と何よりキャッチーなメロディはしっかりキープしており、楽曲も粒ぞろいで独特の浮遊感を持った5.Death And Destruction や気合の入ったエモーショナルな歌唱が光る6.Slob 、仕事の後に聴きたい胃に優しい12.Decemberなどツボを押さえている。 1st・2nd に戻って欲しいなんてミジンコほども思わないし、3rd は凄く好きなアルバムではあるが、今までアルバム毎に変化を見せて来て、どれも魅力的だったWEEZER が初めて横綱相撲というか、まず筋書きありきで作ったような印象があるこのアルバム。もちろん良いアルバムであることに異論ナシではあるけど、ボーナストラックの14.Island In The Sun(しかし何でまたこの曲なんでしょう) はもう死ぬほど聴いてるってのにこの曲を超える曲があるかってのを考えると及第点以上、で済ませてしまうアルバムなのかなと思わずにはいられない。そんだけが期待させる天才Rivers が悪いのであって、悪いのはファンじゃない、きっと。 (7/11) |
| HARD ROCK BOTTOM NO USE FOR A NAME |
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| 本作をもって7枚目。デビューからもうかれこれ10年以上(多分)、初めて聴いた若かりし日の自分もこのバンドの音楽もその間何にも変わってないあたりに非常にメランコリックな気持ちを隠せない。なんて私的な感情なしでも胸を締め付けるような極上の泣きメロの数々には白旗振らずにいられない。 ギターで泣かせてくれるバンドは米ポップパンク界に多くいるが、歌メロの刹那的度合い及びヴォーカルの性質とのマッチングっぷりは北欧パンクと米メロコアの良いところを併せたような繊細で豪放、物悲しくて前向きとでも表現できようか。 2.International You Day 、6.Friends Of The Enemy 、11.Undefeated のようなメロコアの教科書的楽曲も軽快で素晴らしいが、アコースティカルなパートやスピードを落とした場面での「聴かせる」力も有り、何よりも僕のようなリアルタイム・メロコア世代には久しぶりに家に帰ったような気分を存分に味合わせてくれる貴重なバンドだ。 確か飛行機恐怖症で来日しないんだっけか、そういうのも嫌いじゃないです。 (7/11) |
| LONG WAY HOME DOKKEN |
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| お得意のすったもんだは相も変わらず、残ったのはDon Dokken(vo.)とMick Brown(dr.)の二人だけ。 ギターにJohn Norum,ベースにBarry Sparksを迎えて制作された本作はさらにトラブルで発売が遅れ放題。期待が間延びしたような状況で入手する運びとなってしまった。 未だにこのバンドにGeorge Lynchの面影を探してしまう向きもあるだろうが、今のDOKKENにも最大の強みである哀愁に溢れたメロディとそれを最大限に泣かせるDonの華奢でひ弱な(誉めてます)ヴォーカルは当然残っているわけで、そのヴォーカルを軸とする作風は予想通りなのだが、そのメロディ及びDonの歌唱の質が思いのほか高く、正直期待をはるかに上回るモノと言える。 5.Goodbye My Friend(この曲の歌詞は思わず深読みしたくなります) ,7.There Was A Time,そして10.I've Found としっとりした曲調の秀曲が多いが、バンドの歌モノ志向と言うよりは、Donのソロプロジェクト化が感じられ、ファンの中には複雑な気持ちで受け止める方もいるだろうが、まぁ良い曲書いてるんだからアリかなと言った感じ。 バンドが、いや、それ以上にDon Dokken というミュージシャンはまだまだ終わってないと改めて知らしめるだけの十分なクオリティを持ったアルバム。もはやメタルというよりはブリットポップやらその辺りに近い趣すら感じさせるがそんな中でかつてのDOKKEN とはまた違った良さが多く見受けられるのも一つのポイント。 ちなみに加入のタイミングのせいもあってかJohn の曲作りへの関与は聴いた感じでは殆ど無さそうだがアルバム発売後の脱退劇との関連はあるのだろうか。 (7/4) |
| LIMP LIMP |
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| オシャレなジャケに思わず気をとられて買ってしまった新進のポップ・パンクバンド(らしい)。フルレンスとしては初めてなのだろうか、よくわからないです。 1.Oh No を聴いた時点でその独自のフックを持ったメロディラインに感心。全然普通のポップスな2曲目を挟んで、3.Atom Bomb でもやっぱり聴けるのが非常にヘナチョコで、しかしその中にロマンチシズムすら漂わせるPhil Ensor(vo.,g.)の発する歌メロである。 続く4.Tin Foil や6.Last Chance でやっとこ気づくのがこのバンドの麻薬的な魅力かつ幾多の歌謡パンクとの境界であるのが強烈な70's後半〜80'sポップスの香りではないだろうかという事。そう感じるのは自分だけなのかもしれないし、年代的にはズレがあるのかもしれないけど、要するに古臭い雰囲気が胸を刺激してやまない半ば反則的なメロディなのです。 9.Lesson のイントロなんていきなり産業ロックでもやるのかってくらい唐突だし、この辺のセンスは個人的にたまらないものがある。しかし惜しむらくは彼らが自らの才能に気づいていないのか、残りの曲が普通のポップ・パンクやら歌謡曲だって事。 それを差っ引いても個人的には十分楽しめる一枚。こいつら絶対ガキの頃僕と同じような音楽聴いて育ってるんだろうな。 (5/31) |
| FASTER DISASTER TERROR 2000 |
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| 掛け持ち・移籍が珍しくない北欧メトゥ界。SOILWORK が出たばっかでTERROR 2000
が出るのに驚いちゃいけないのだろう。 『FASTER DISASTER』なるタイトル(さらにこのジャケ絵)からその意気込みが判るように、速くてスラッシーな楽曲がずらりと並ぶ構成は、はじめはただただ万歳三唱と言ったところだが、聴いているうちに物足りなさを感じる事もしばしば。 ギターはSLAYER 系のスラッシュ、というのが頭にあるのだろうが、いかんせん禍々しさに欠けるっちゅうか、スマートすぎると言うのか、リフもソロも聴いてて熱くなれない。 Speed(vo.,b.)のアラヤ節にも似た歌いまわしは堂に入っているのでこれは好き。 あとはメンツのわりに音が軽い気がするのもいただけないところだが、速いメタルという観点に立ち返って語れば非常に高水準なものであり、ちょっぴり期待しすぎて聴いたフシもあるので、良いアルバムではある。聴く時は必ず勝手に頭が動くし。7.Menace of Brutality の消化不良な終わり方とか、ごく小さな不満が何故かやたら気になる一作です。 (5/31) |
| PLASTIC FANG THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION |
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| なんだか知らぬ間に大物扱いでそこら中のレコード屋に置かれていたクールなジャケのこのアルバムを見て(ジャケはマジカッコ良いです。ハウリング)、そして家に帰ってCD聴いてみて大爆笑。 こんな埃臭くてオヤジ臭くて酒臭くて煙っぽいロックをそんなにたくさんの人が喜んで聴くって事?日本も変わったもんだ。以上が日本の音楽事情レヴュー。 ルーズでブルージー、何よりピュアなロックンロールが全篇にわたってぶちかまされるこのアルバムはジョンスペという人物のほんの一部分をやたら拡大して映し出したようなものであるし、『ACME』は何だったんだ?という疑問もなくはない。どっかから拝借したようなフレーズが多いので曲が良くってナンボなこの世界、このアルバムもそんな中の良盤のひとつぐらいにしか思ってなかったけど、後に酔っ払って聴くと半端じゃなく気持ちよいという事が発覚。一気にヘヴィ・ローテーション入りしたものの、最近あんまり酒飲まなくなったので聴く機会もめっきり減ってました。 そして現在、久々に聴いてみたらやっぱこれ凄く良いので慌ててレヴューしました。あくまで音楽が聴き手を選ぶのではなく、聴き手が音楽を選ぶのだと言う事を踏まえた上で、やっぱりこのCDを買ってしまうという人が聴けば、やっぱり気に入るのではないでしょうか。正直曲は中の上くらいにしか感じないけれど、もう21世紀なのにこの生々しいギターの音はヤバい。 (5/31) |
| AN AMERICAN PARADOX STRUNG OUT |
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| 青空・青っパナ・青いケツなエモ加減と切ないメロディで人気急上昇中、FAT WRECK
CHORDS の若大将STRUNG OUT、ここ日本でも知名度をグングン高めている。 そんなオセオセムードの中で作られた本作はシャープでメロディックな1.Velvet Alley で幕を開けることに象徴されるように、いわゆるメロコアに徹したかのような雰囲気すら漂うものになっている。 時折胸キュンメロディを交えつつ、メタリックと言って申し分ないザックリとしたギターが絡んでくるスピーディでポップな曲はエモコア・メロコアそれぞれのファンからの支持を得られるであろう多彩な魅力が感じられる。 エモでメロだからエロだよな、とか考えると男らしい歌いっぷりにもより一層艶っぽさを感じる。 メロディの良さだけでなく、この突っ走るような爽快さはハマると癖になるタイプ。能天気系パンクも悪くないんだけど、このバンドの場合カッコ良さを目指してるであろうシリアスな曲の方がしっくり来るように感じるので、今後はそっち一本に絞ってもいいんじゃないかな。 (5/31) |
| BLACK SUN PRIMAL FEAR |
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| GAMMA RAYの黎明期を支えたドイツを代表するハイトーン・シンガーRalf Scheepers(vo.)と、シンガーさえ良ければもう1ランクか2ランクは上のバンドだったと思われるSINNER のMat Sinner(b.,vo.)を中心に結成され、良質な正統メタルを提供してきたPRIMAL FEAR の4th。 聴く前からこのバンドがやるのはスピーディで程よくメロディアスな鋼鉄音楽以外にありえないとわかってしまっているという絶大な信頼というか、腐れ縁にも似たあきらめ感というか、何でかCDを手にとってしまうのにしばらくすると全然聴かなくなるある意味危険なバンドであったのだが、今作では楽曲が非常に充実している。 速めの曲が多い構成も勢い重視の開き直りのような後ろ向きなものではなく、随所にフックを伴う硬質なリフと、力強いハイトーンを存分に活かしたへヴィ・チューンの数々には血がたぎらないわけがないというメタルヘッド必聴の一枚。このバンドに求めていたものが4枚目にしてようやく聴けたという感じ。 歌メロのバリエーションの少なさは未だ改善の余地アリだが、勢いで聴けてしまうのでそれほどは気にならないレベルになっている。時々あるミドル・テンポの曲がセピア色のα波をもたらすのだろうか、アルバムの魅力をさらに高めている。これ聴いてダメな人はこのバンドは圏外と思った方が吉。 (5/31) |