-2003 vol.1-
| HATE CREW DEATHROLL CHILDREN OF BODOM |
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| メロディックな方向性を持つバンドにおけるデス声というのには若干の抵抗があって、ライヴではそれほど気にならないんだけれどCDだと所詮パーカッシヴな役割でしかないのでは、という風に感じる事もあり、そういう意味ではAlexi Laiho(vo.,g.)の歌メロみたいなものを追って喚くスタイルはアリなんじゃないかなと思う。これだけギターとキーボードが埋めちゃってるところでハイトーンで渡り合えるシンガーなんてやたらめったにいるもんでもないし。 で、やっぱり注目すべきはAlexi の流麗ギター・プレイとJanne Warman(Key.)のキラキラ鍵盤プレイの超絶ランデヴー。この白熱バトルも今までで最も火花出てますね。 しかし何と言っても一番声を大にして誉めておきたいのはサウンド・プロダクションではないでしょうか。音像の一つ一つが極めてハッキリしているからメロディやグルーヴネスがメリハリづけられてるところもあるし、生々しさもきちんとあるし。ドラムのJaska も凄いけど、Henkka のベースのやたらと太い音も尋常ではなく、さすがに本家には勝ち目のないヴォーカルで挑んだSLAYER のカヴァーも、ベースは互角以上の勢いだし。いやはや、面白いバンドだ。 (3/6/2003) |
| WE'VE COME FOR YOU ALL ANTHRAX |
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| サイト名見てもらえばお分かり頂けるでしょうが、僕にとってANTHRAX というバンドはフェイヴァリットの一つであるし、いろいろあって散々待たされたこともあり、聴く前の期待は生半可なものではなかったのです。でもって聴いたら聴いたでこんなにレヴュー書くのが大変なアルバムなんてそうそうないもんで、感想つったら「これなら10,000円でも安いね」とか「アンスラ全部。」みたいな感じになってしまうわけですよ。 誰の真似でもない、誰にも真似できない。ANTHRAX というのはそういう意味でロックの世界のアーティストであり続ける連中なのだと思います。だからってタキシードに蝶ネクタイしてライヴに行けとかCD聴く時は冷水を30回かぶって正座して聴きなさいとかいう堅苦しさもなく、聴いてるだけで頭が、カラダが動いてしまうその"肉感的・リズム的キャッチーさ"を中心とした楽しさいっぱいの遊園地みたいなところが最高に良いじゃないですか。 好みなスタイルという点では、もっとリフがザクザクしていた時期もあったし、ベースが今以上に目立っていた時期もあったけれど、どちらが良いとか悪いとか言える問題でもなく、とりあえずは6.Any Place But Here 〜7.Nobody Knows Anything 〜8.Strap It On の流れはその前後を挟み込む温かな5.Safe Home と爆殺チューン9.Black Dahlia とのつながりも含めると、今までのどのアルバムにもなかったぶっ飛び続けの展開ではなかろうか。 ニュー・スクールとかオールド・スクールとか、メタルとかハードコアとか、そういうのを気にせずにとにかくラウドでヘヴィなロックが聴きたい、って人には激しくオススメです。 (3/6/2003) |
| A PASSAGE IN TIME AUTHORITY ZERO |
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| アリゾナから現われた期待のホープ。Dave Jerden がプロデューサーというあたりから露骨なまでの売れっ子予備軍臭さが漂っているが、あまりにあんまりなルックスと無骨なサウンドにはかなり好感が持てる。 こんなにメロコア丸出しな新人が出てくるとは、正直考えてなかった。エモやdrive-thru系こそ未だ人気を保っているものの、所謂昔ながらのメロコアなんて一握りのベテランぐらいしか健在とは言えないし、シーンそのものが終息しちまった感があるのが悲しい今日この頃、このAUTHORITY ZEROの登場はなかなか喜ばしい出来事なわけです。 『SMASH』までのOFFSPRING風 、というのが乱暴だけれどもこいつらのクールネスをわかりやすく伝えるのに便利でしょうか。メタリックなギターリフや男臭いハーモニー、やたら音を伸ばすヴォーカル、タムの躍動感と疾走パートの勢いがナイスなドラム。ホントかつてのオフスプのカッコ良さをそのまま踏襲したかのような気持ちのよさがある。 そんな中に"波打ち際の裏打ちMETALLICA"な佳曲、5.One More Minute があるんだけど、マッタリテンポなこの曲がやたら味があって良いです。この曲を境にバンドの引き出しの多さがバシバシ炸裂して非常に飽きのこない展開に。とまでは行かないけど、スカチューンが面白いので疾走曲だけのバンドではないのです。 今年の夏、海へのドライヴのお供には是非灼熱の太陽が似合うこのアルバムを。 (3/6/2003) |
| MARY STAR OF THE SEA ZWAN |
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| 全世界のスマパンファンが待ち望んだBilly Corgan(g.,vo.)とJimmy Chamberlin(dr.)の新バンド。 当初はCHAVEZ で知られるMatt Sweeney(g.,vo.)を入れた3人だけでやっていくのかと思われたが突然のライヴ活動開始宣言の後"Skullfisher" の異名を持つDavid Pajo(g.)、A PERFECT CIRCLE のPaz Lenchantin(b.,vo.) とメンツを揃えてライヴで慣らした後レコーディングを開始。そして生まれたのがこのアルバム。 親しみ易いどこかほのぼのしたメロディラインと胸の高鳴りを誘発するドラマティックさ。THE SMASHING PUMPKINS と同じ魅力がこのZWAN にもやはり受け継がれている。言ってみれば遠足みたいなもんでしょうか、期待も裏切らなければちゃんと驚きもあるっていう嬉しさ。 もともとスマパンとは別な事がやりたくてMatt と組もうとしたわけだから新たな面白さも勿論あるわけで、どこか牧歌的で柔らかな印象を受ける楽曲が多かったり、10.Baby Let's Rock! で顕著なんだけど後期BEATLES的な貨物トラック横転事故みたいなブチマケロックがあったりとBilly のソングライターとしての成熟ぶりも垣間見えれば、一方でギターが3人いるだけあって音に厚みがあるだけでなく、四方八方から耳を惹きつけるフレーズが呼びかける賑やかさがある。 ドナルドダックみたいなBilly のヴォーカルも、とっちらかったJimmy のドラミングも、郷愁を呼び起こしてくれるものだけど、それだけでは終わらない素晴らしい曲がいっぱい詰まった長きオルタナティヴ・ロックの旅の終着点であろうZWAN のはじまり、はじまり。 これでバックコーラスでもいい味だしてるPaz がヴァイオリンでも引っ張り出してきたらどうなるんだろう、とかいろいろ楽しみな部分も多いZWAN 。期待せずにはおれません。 (2/14/2003) |
| 修羅囃子 人間椅子 |
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| 大規模ではないが根強い人気を誇る日本HR 界の屈折せし重鎮が放つ11th。 タダでさえ取り上げられる機会が少ないバンドなのにどこでも「いつも通りの」って言っときゃいいだろう的な紹介しかされないのでそりゃファンしか買わないわけだが、まぁやっぱり良くも悪くも独自のスタイルを貫いているわけで。そんな中でも今作はプログレッシヴな展開やサイケデリックな雰囲気が幾分薄く、ストレートなロックのダイナミズムを感じさせるアルバムとなっている。 幕開けは古式ゆかしいヘヴィなリフが引っ張る1.東洋の魔女 。楽曲中盤と最後はクールなギタープレイと派手なドラミングが光る。 2.鬼 は緩急織り交ぜたヘヴィネスがさらに緊張感を際立たせるナンバー。鈴木研一(b.,vo.)のおどろおどろしい歌声ともマッチしている。実際よりスピードを感じるAメロとサビの勢いが凄い。 3ピースならではのタイトな演奏でシンプルなロックンロールもクールに仕上げてしまう底力を見せる3.愛の言葉を数えよう 、同じ淋しい音使いでも欧州の叙情性とは一味違う虚無感が滲み出る4.月に彷徨う と序盤からヴァラエティに富んだ楽曲が続いたところで5.野球野郎 は後藤マスヒロ(dr.,vo.)が歌うメタルチューン、ある意味ハイライトとも言える強烈な盛り上がりを生むのは楽曲の良さもさることながら音のバランスの良さも手伝っている。ミックスが良いんだろうな。 個人的にバンドの好きな部分である幻想性が強く打ち出された6.最後の晩餐 は2つの曲を1つにしたかのような不思議な楽曲で歌詞も独特のものがある。 定番の演歌メタル・ナンバー7.終わらない演奏会 はイントロからやられ、自称"ディスコ・チューン"の8.王様の耳はロバの耳 はツガリアン・テイスト溢れるギターソロが以外にもマッチしていて面白い。 巧くないのに聴かせられる和嶋慎治(g.,vo.)の特長を活かした淡々としたバラード9.恐山 、終盤のバトルロワイアルが見事な10.蛇性の淫 を経て、クライマックスを飾るのは劇的な展開がいちいちバッチリ決まるのがあまりにも見事な11.相克の家 。この曲での和嶋のソロは殊更泣いていて素晴らしいが、このアルバムでは全体的に見事なソロが多いけど。 所謂70年代ロックを完全に消化して、新たに創造できるアーティストなんてのは貴重な存在だし、ほとんどがその領域に辿り着けずにただの手の込んだ模倣で終わってしまっている昨今、これだけ肩に力入れずに70年代ロックをやってのけるのは立派なことでしょう。 (2/14/2003) |
| A FLAME TO THE GROUND BENEATH LOST HORIZON |
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| 21世紀という時勢を考えるまでもなく、色モノ然としたルックスとは裏腹に(いや、だからこそか?)、へヴィメタルに心底誠実な姿勢と有無を言わせぬ完成度の高いアルバムで多くのリスナーの度肝を抜き心を惹きつけた1st
が話題になったLOST HORIZON。ギタリストが一人増え、さらにキーボーディストも加わってますます誰が誰だかわからなくなった2nd。 1stからして既に方向性が明確に定まっていた感があったので強烈なまでのインパクトというのはさすがにないものの、2.Pure から見事な(そう、あまりにも見事な)メタル・シャウトに胸がすく思い。際立った個性を持つDaniel Heiman(vo.)はあいも変わらず伸びやかなハイ・トーンを聴かせているし、リズム隊もうるさいし、キーボードも大活躍だしでホント穴のない充実振り。ギターが2本になったから劇メロ・ハモリ・ツインリードを期待したんだけどさすがにそれはなかった。いや、なくても良いんだけど。 なんつっても見事なのはトラディショナルなヘヴィメタルそのもののサウンドで、しかも曲が長かったりしても冗長さを感じさせないという点で、いっくらスリリングな演奏力があってもつまらない曲はつまらないという贅沢なヲタク心理をも満足させる展開とアレンジメントには脱帽。6.Cry Of A Restless Soul なんてベタなパーツを合体させたような曲なのに素直にカッコイイと思えてしまうんだから大したもの。 イントロと中間部だけ疾走する7.Think Not Forever で人は脳内にも"ガマン汁"があることを知る。 (2/14/2003) |
| ELEMENTS PT.1 STRATOVARIUS |
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| ベタにキャッチーな疾走曲1.Eagleheart で幕を開ける9th。別に『守護神伝』をやりたいわけではないんだろうけどパート1、パート2とか言われるとそっちを意識してしまうがオープニングから吉本新喜劇ばりな飛ばし方に感動すら覚える。曲は至極つまらんけど。 気を取り直して2.Soul Of A Vagabond は定番のモッタリ・ナンバー。いつもなら同じような歌メロと展開に飽き飽きなところだけど凝ったアレンジのおかげで最後まで聴く事が出来た。ここまで読んだところでお気づきいただけたかもしれませんが僕はSTRATOVARIUS というバンドは好きではない。正確に言うとTimo Kotipelto(vo.)が嫌いでして、常日頃「俺に歌わせろ」と思っています。じゃぁ何で買うのかと言われればそれは即ちJens Johansson(key.)がいるから、というのを筆頭にTimo Tolkki(g.)も迫力あるリズム隊も好きだから。そんな演奏陣が活きる曲調。 1曲目がHELLOWEEN 風の典型的STRATOVARIUS ナンバーだったのに対して3.Find Your Own VoiceはANGRA とかそっちよりのスピーディなナンバー、ここのリズム隊は本当にヤバくて、Jörg Michael(dr.)のクソパワフルなドラミングもJari Kainulainen(b.)のうねりを上げるベースラインも異常である。 続く大作4.Fantasia はプログレ・メタル的に展開を繰り広げる曲でやっぱり疾走パートがあるのが微笑ましかったり、Jens の聴かせどころがあったりするので冗長とは感じられない。歌メロも良いし寧ろこの曲に関してはもっと練って超大作にしても面白いかもしれない。 次はやっぱり速い5.Learning To Fly が待っていて、Jens のテクニカルなソロが堪能できる。加入当時はいかにもパートタイマーだったJens も作品を重ねる毎に存在感というか目立った出番を拡張してきているので嬉しい限り。6.Papillon はメロディがアウトなのでアレだけど、Kotipelto の声質その他を考えるとこういう曲調の方がハマると思うし、そういう意味では惜しい。 そしてハイライトの7.Stratofortress へ。やりたい放題。 8.Elements も10分を超える大曲だがこちらもすっきり纏まっているので鬱陶しさはない。Kotipelto はハイトーン一歩手前が良い声だと思う。このレンジでラフに歌うとカッコ良い。曲の方は荘厳なアレンジとクワイアが見事。 ラストはトラッドぽい優しい旋律が心地よい9.A Drop In The Ocean 。言わずもがなKotipelto の歌唱が冴える。この手の曲できちんと聴けるのはこれがバンドの歴史で初めてかもしれない。 抜群の演奏力とアレンジセンスを除けば、メロディのフックの単調さやマンネリ感漂う曲調或いはアルバム構成と中途半端な印象が未だ強い。確かに過去最高の出来であるが心を揺り動かす何かはなく、歌詞は考えさせるものこそあれど深みが足らない気もする。 (1/30/2003) |
| MASTERPLAN MASTERPLAN |
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| HELLOWEEN を解雇されたRoland Glapow (g.)とUli Kusch (Ds.)の新バンド。HELLOWEEN 在籍中にはサイド・プロジェクトとしての構想であったようだが、本職を失ったこともあってパーマネントなバンドという形で結成されたようだ。したがってJorn Lande (Vo.)もこのMASTERPLAN に専念する模様。ベースはこちらもIRON SAVIOURを脱けたJan S.Eckert とそうそうたる顔ぶれ。 HELLOWEEN から2人が脱けるというニュースを目にした時はこいつはうまく行けば結果的に暖簾分けみたいなことになるんじゃないかと当人にしてみればあんまりな理由でちょっぴり嬉しかったんだけど、特にRolandはHELLOWEEN でもいい曲書いてたしUli はGAMMA RAY の時から凄いドラミングかましてた上に曲も書けるしであとはシンガー次第か、という流れの中でJorn 加入だからもう安心して発売を待っていたわけです。 アグレッシヴなリフとキャッチーなコーラスの1.Spirit Never Die は意外と平凡な曲ではあるけどJorn の力強さとアレンジの巧さで押し切っている雰囲気。欧州メタルの王道っぽい2.Kind Hearted Light はライヴで大合唱誘う事請け合いなコーラス部分とキーボードの頑張りが好印象。3.Soulburn はJorn の独壇場、この曲もライヴでハイライトの一つとなりそうな曲。続くは我らがMaichael Kiske が参加している4.Heroes 、イントロからしてHELLOWEEN が道を切り拓いたジャーマン節炸裂だがやっぱりこの人の声が乗っかるとHELLOWEEN に聴こえてしまうのは良くも悪くもあるんだよな。 Kiske の登場で不必要に盛り上がった気持ちを抑えるかのように静かに始まって壮大に盛り上がる5.Into The Light はメロディの煽情力こそ大人しいものの独特の雰囲気を持った曲。 7.Crawling From Hell は近年のHELLOWEEN を思わせる曲調で、せっかくの良い曲をシンセの音のチャチさで損なうあたりも似ている。あまりにあんまりなエンディングも笑えるが。 10.Sail On はリフはお馴染みの型なれど、歌メロはJorn のアイデアなんだろうか、そっちは新鮮。 全篇WHITESNAKE ばりの佳曲11.When Love Comes Close はJorn の歌の巧さも目立つけど一方でRoland の爪弾くアコギもいい味出している。 もっとHELLOWEEN 的というか、パワーメタルっぽいので来るかと思ったけどJorn の変幻自在のヴォーカル・スタイルも手伝って多彩な印象を受ける。速い曲でも声が太いのとベースラインがきちんと聴こえるおかげで所謂メロスピのような軽い感じがないのも良い。某専門誌に「不必要な早弾きをするギタリスト」というイメージを散布された可哀想な過小評価ギタリストであるRoland も本領であるメロディアスなリード・プレイが光る。9.The Kid Rocks On の驚くほどシンプルなソロにはたまげたが、これも自分のバンドだからこそできることなのかも。 メンツに期待するものほど曲自体は大した事なくって歌と演奏で丸め込んでるような場面もちらほらあるが、このままバンドとして継続してツアーも経て行けばMASTERPLAN ならではという部分が楽曲にも多く生まれるかも知れないし1st としては十分に充実した内容であると思う。変に硬派でもムダに大仰でもない絶妙な力加減がとっても良い。 (1/24) |