夏の暑さを和らげてくれる涼しい風を感じながら公一はは車を走らせていた・・・


公一は時計を見た。


既にかれこれ2時間は車に乗っている。

「優、隆平、起きてる?」

公一は2人を呼びかけてみた。

・・・・・・返事がない。どうやらまだ寝ているようだ。

「まあ、しょうがないか。こんなに運動したのは久しぶりだもんな・・・」

何か満足そうに公一は言った。

今日は隆平が穴場のテニスコートを見つけたというので同じ大学のサークルの優を誘ってそこへ行ったのだった。

公一も久しぶりに運動したので凄く疲れていたがじゃんけんで負けてしまい渋々運転を了解した。



公一がラジオをつけると一昔前のアメリカンジャズの曲が流れてきた。

その甘いメロディに酔ってボーっとしてると・・・

「公一!!」

いきなり背後から自分の名前を呼ばれて公一はビクっとしてしまった。

「なんだ優か・・・」

「何だとは何よ!!せっかく驚かしてあげたのに!」

「ごめん、ごめん。」

まったく反省してないかのように公一は冗談っぽく答えた。

「それにしても今日は疲れたね・・・」

さっきまで元気だった優が妙に小さい声で言った。

「そうだね・・・」

公一も少し疲れたように言った。













「・・・・・・・・・」

しばらくすると2人の会話は息詰まってしまった・・・

何か話さなきゃと思って公一はあれこれ考えていた。

「何で2人とも黙り込んでるんだ?」

隆平の声がいきなり聞こえてきた。

「何だ隆平もおきたのか・・・」

少し淋しそうに公一は言った。

「何だとは何だよ。ひどいなあまったく!」

「ごめんごめん、言い過ぎた。」

「まあいいけどよ・・・」

少しふてくされた顔で隆平は言った。















あれから随分の時間がたっただろうか、辺りは随分暗くなり車のライトの

明かり以外は殆ど見えなくなっている。





公一はまだ運転を続けていた。

辺りを見回すが道路以外は全て木で囲まれており何も見えなかった。

それどころか何処かうす気味悪さも感じる・・・。



その時・・・



何か薄暗い木々の中から光る目を見たような気がした・・・。

「ひっ!」

公一は驚いて思わず声を上げてしまった。

「どうしたんだよ?公一?」

隆平が変な目で公一を見た。

「いや、今何か光る目を見たような気がしたんだけれども・・・」

怯えたように公一は話した。

「でも多分気のせいだよ疲れていたんだきっと。」

まるで自分に言い聞かせるかのように公一は言った。

「いや、その話はあながち嘘じゃないかも知れないぞ」

隆平は声を少し低くして言った。

「あながち嘘でないかもな・・・」

「えっ!」

驚いたように優が言った。




続く