私がおそらくこれまで歩んできた人生の中で、最も愛したアーティストではなかろうか?そして私の人生もある意味狂わせた存在でもある。KING CRIMSON(以下、クリムゾン)のお陰で、未知の世界であるプログレに傾倒し、その中に埋没していった。プログレは、そのジャンル自体が70年代中期にはほぼ終焉を迎えており、それらのミュージシャンの発掘作業を中心とする以外、道は残されておらず、私自身も否が応でもマニア化せざるをえなかった。通信販売での購入、あるいは直接東京に出向いてのCDの買い付け。レアだからというだけでの購買欲求。おかげで世間の人と音楽の話がほとんどかみあわなかったのを覚えている。
しかし、よい意味でも悪い意味でも、私の音楽嗜好性に重大な意味を持っていたのは紛れもない事実である。お薦めのアルバムは?と問われると実に迷う。世間ではファーストアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」をもって最高傑作として捉える意見が根強く、アルバムがリリースされた1969年という時代背景を考えると、そのように語られることにも納得がいく。
しかし、私は敢えて「RED」を推したい。第3期クリムゾンのラスト・アルバムとして知られている「RED」だが、クリムゾン史上もっとも激しいアルバムではなかろうか。特に「STARELSS」の持つ絶望感といったらどうだろう?そこまで人をどん底にまで落としきってくれる曲にもなかなか巡り会えない。前半の歌、後半のフリップの変態フレーズ。それにまとわりつくウェットンの歪んだベース。そこから徐々に高ぶってゆく感情。哀愁と絶望感の漂うメロトロンの響きもやるせない。そして曲が終わった直後の虚無感といったらどうだろう?すべてが「終わった」という気になるのは私だけだろうか?クリムゾンを知らなければ、もっと違ったまっとうな音楽センス(?)でいられたのかもしれない・・・
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