<夢の旅人>

虹が出ていた。さっきまで雨が降っていたというのに。
私は、そう、あの人から離れなければならなかったのだ。
悲しい事に。
あの手のぬくもりは忘れられないだろう。
人はそれぞれにそれぞれの悲しみを背負っている。
それを振り払うかのように、何かに旅立つのだ。
過去を引きずったままでいい。
あの草原に咲く花のように人が見ていなくても精一杯に生きている喜びを感じたい。
雨粒が体にたくさん吸い込まれた。
生きているんだ。
生きているんだなあ。
空を見上げて手を大きく天に伸ばした。
虹のかなたへ。
遠いあの人を思って。
たくさんの蛙の声が聞こえていた。

時が過ぎれば、全ては思い出となり、私の中に沈むだろう。
手を伸ばしても見えない未来見て、私はいつも生きていくのだろう。
今はまだ思えないけど、
あなたに、ありがとう
。。。いつか言える日がくる。
それは記憶の向こう、全てが眠りについた時。。。。

さみしく、あたたかく、君を見てる。

byEIKO.M