中国四千年美女探訪 〜雲南省の旅〜(前編)

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旅立ち


美人評論家の先生と茶飲み話で、中国の話題に花が咲いた。話はとんとん進み、いっそのこと行っちゃおうじゃないの、ということになった。「井の中の蛙ではいけない。まずは大陸に渡り、美女の原石を捜し求める旅に出る。」と、先生の鼻息は荒い。いつもの調子で海外で恥をさらさせないためにも、不肖私が監視役として同行することで話がまとまった。
目的地は、少数民族の宝庫、雲南省。奇岩が乱立する名勝「石林」、大理石で有名な「大理」などを擁し、ベトナムやミャンマーと隣接する内陸の地だ。
直行便はないので、ひとまず上海へ飛び、一泊する。


上海


zen「やっぱり上海は大都会ですねえ。せ、先生、日本人向けのクラブがあります!このホテルの地下ですよ。さっそく探求してみましょうか?」
美人評論家「うーむ、私も気になっていたんだが。部屋にあった酒の値段を見たか?正規の20倍はしてたぞ。こんなホテルでクラブに行ったら、いくらぼったくられるかわかったもんじゃない。」
zen「じゃ、やめときますか。」
美評「いや、そうあっさりあきらめるのも・・・。」
zen「行きますか?」
美評「ああ〜、初日からこんなに葛藤するなんて〜。」
探究心、自制心、欲望、経済事情、あらゆる要素が絡み合い、上海の夜は更けてゆくのであった。


昆明


結局、ポテトチップをかじりつつ、日本から持ち込んだ酒を部屋でちびちび飲んだだけで終わった二人。まあ、最終日にまた上海に戻ってくるから、そんときパァーッとやればいいや。負け惜しみじゃないってばーっ!

朝の便で上海から昆明に飛ぶ。昆明は雲南省の省都。上海ほどではないが、なかなかの都会。ベトナムの近くだけあって、2月というのに暑いくらいだ。雲南省現地ガイドは、フウさんという女性。私のフェイバリットいぶし銀ベーシストのニックネームと同じく、「ふうちゃん」と呼ばせていただくことにする。
zen「(小声で)先生、美人じゃなくて残念でしたね。」
美評「君は何か誤解してないか?私は仕事として美人を評論しているだけで、美人が好きとか、そういうことでは決してないのだよ。そこんとこ間違えないように。」
zen「はいはい。(ホントかなあ。)」

昼ごろ到着したので、まずはレストランで昼食をとる。塩味主体のあっさりした味付けで、日本人の口にも合う。旅行のいいところは昼からビールを飲んでも怒られないことですね。白酎、老酒を飲んでも怒られないかどうかも試してみる。あ、今回は妻子が一緒じゃないから怒られる心配ないんだ。ホッ。

雲南省は中国茶のメッカ。茶文化交流センターなんてところがあるというので、足を運ぶ。少数民族のひとつ、タイ族の女性が中国式茶道を実演しながら、お茶の数々を試飲させてくれる。驚きの香りと味のオンパレード。
そのひとつに、ほとんど香りもなくてただ苦いだけの茶があった。こりゃ、茶というより薬だね。パス、パス。茶葉が直径2〜3センチの玉になっている。彼女の説明によると、山奥にだけ自生する天然の茶葉を集め、タイ族の独身女性がひとつひとつ手で丸めたものなそうだ。先生の眉がピクリと動いたが、購入するには至らなかった。確かに独身女性といっても先生好みの美人とは限りませんもんね。彼女の説明は更に続く。
「高血圧、高コレステロール、おなかが出てきたのが気になる男性には特にお勧めです。」
そう言い終わらないうちに、クレジットカードを提示し、茶筒をわしづかみにするzenの姿があった。いや〜、いい買い物しちゃった。ほくほく。

茶文化交流センターとは別に、普通の茶屋もチェックする。プーアール茶がおもしろい。茶葉を円盤状やダンゴ状にギュッと圧縮して固めたものがたくさん店頭に並んでいる。これを少しずつ欠いて飲むのだ。普段飲むレベルの茶はタダみたいに安い。何十年も寝かせた板状のものは日本円で数万円することもある。7年物の円盤(直径20センチ、約1500円)をはじめ、何種類か購入。

観光客らしく、龍門石窟(洛陽とは別物)や古い寺院を回る。まあ、そのへんはあたりまえなので割愛。

ところで、中国は正月を旧暦で祝う。この日は旧大晦日だったのだ。町中、正月飾りできらびやかこの上ない。これから1〜2週間、サービス業の人以外は楽しい休暇を過ごすそうだ。
中国式カウントダウンや花火の祭典を見学したかったが、翌朝5時に起きて麗江へ発たねばならないので、早めにベッドにもぐり込む。それにしてもホテル中、わいわい騒がしくて眠れない。普段なら文句を言うところだが、そういう時期に訪れたわけだから仕方がない。


麗江  (写真をクリックすると大きな画像が見られます。)

あけましておめでとうございます。西暦では2月12日だが、旧暦の元旦なのだ。半分寝ぼけて朝食をとり、まだ暗いうちに空港へ。国内線で麗江へ移動。それにしても雲南省はず〜っと山ばかりだなあ。わずかな盆地には必ず人がどっちゃり住んでいる。まあ、ウチの田舎もそんなところだけど。

玉龍雪山という5000メートル級の山が街のシンボル。万年雪を頂いた姿が晴天にそびえ立つ。といっても麗江そのものが2400メートルを超える標高なのだ。まいったなあ、僕の地元の一番高い山より標高が上だよ。

バスで山の麓まで行き、さらにリフトで標高3200メートルまで登る。カラフルな枕を持っている人を時々見かけるが、ありゃ何だ?リフトを降り、15分ほど歩くと玉龍雪山を間近に、最高のロケーションで見られるという。さっそく歩き始めたものの、なんだか動悸が激しい。変だなあ、と思って立ち止まると先生もヒーコラ言って手すりに寄りかかっている。空気が薄いのだ。
zen「ハア、ハア、先生、この先に少数民族の女の子たちが待っていて、一緒に写真を撮ってくれるそうですよ。」
美評「ヒイ、ヒイ、それどころじゃない。呼吸を整えないことにはなんとも。」
zen「引き返しましょうか?」
美評「いや、ここまで来てそれはできん。コケンにかかわる。」
不屈の闘志で目的地まで歩き、絶景を堪能した二人であった。が、待っているはずの少数民族の女の子は・・・賞味期限を相当過ぎてしまっていた。えーと、確実に孫がいる年代だと思います。先生の落胆といったらもう見ていられなかった。そうそう、カラフルな枕の正体は酸素の入った袋でした。やはり軽い高山病の症状を訴える人が時々いるそうな。

麗江には世界遺産に指定された古い町並みがある。「四方街」と呼ばれるその街ではナシ族が今も生活している。はっきり言って、100パーセント観光地化されているのだが、今も尚そこで生活していることも事実。観光客がこぞってシャッターを切る大きな門に洗濯物がひらめいていたりする。水路ではドンブリを洗っているしね。こういうのって中国ならではのおもしろさ。日本の一級観光地、例えば金閣寺の池で坊さんが水浴びしてて、パンツを窓に干してあるなんてことは絶対考えられないよね。



正月なので、夜は市内のあちこちで花火が見られるという。爆竹は火災の危険性から、近年自粛しているとのこと。楽しみにして夕食を早めに切り上げ、広場に出てみたのだが・・・。屋台の花火をみんなそれぞれが買って遊ぶだけだったのね。日本の夏、川原で行われる花火大会を想像していたのだ。ホテル周辺を散歩して早めに寝る。明日は大理へ移動だ。

後編に続く