ソフト・マシーンの未発表音源、ライヴ音源というのは、実にたーくさんあります。で、好きなバンドのことをこう言っちゃあ何ですけど、同じようなライヴ音源があまりにもたくさんありすぎます。普通では考えられないような音質の悪いブツが平気で表街道をまかり通ったりもしています。

というわけで、日常的にソフト・マシーンの新譜(新録音ではなく、過去の録音の発掘)をチェックしているとはいうものの、新音源が登場したといってもそれほどコーフンはしません。慣れました。そういうスタンスでここ何年も過ごしてまいりました。

そのような気持ちで購入した「DROP」。1971年秋、ドイツでのライヴなんですけど、ドラムがフィル・ハワードなんですよ。

えーと、何の事やらわからん人がほとんどだと思われるので説明しておきますと、ソフト・マシーンの重要なドラマーは、オリジナル・メンバーにして初期のサウンドを支えたロバート・ワイアットと、中期〜後期そして現在再結成バンドに至るジョン・マーシャルの二人なのであります。フィル・ハワードは、ワイアット脱退後その重責を負い、アルバム「5」の半分だけ叩いてすぐジョン・マーシャルに交代させられた悲劇のドラマーなのであります。マシーンのファンからは「ああ、つなぎでちょこっと叩いていたヤツね」とか「入ったはいいけど、合わなくてすぐ辞めちゃったヤツね」という程度の悲しい認識の人なのです。

そのフィル・ハワード在籍時の貴重なライヴです。興味深いのは、「5」ではジョン・マーシャルに譲っている「Az If」と「Pigling Bland」を演奏していることです。ああ〜、この事実にハートをぶるぶる震わせているソフト・マシーンのファンがどれだけいることだろうか?ジャズ・フュージョン系のジョン・マーシャルに比べて、バスドラをドコドコ連打するフィルのロック魂がメンバーのフィーリングに合わなかったのかなあ。それとも性格の不一致だろうか。インナーに何やら解説があるものの、輸入盤なもので、読む気力なし。いずれにしても、ソフト・マシーンの歴史変遷を知る上で貴重な記録であります。中期ソフト・マシーンを好きな人は買うべし!そして、「こんな時代もあったのだなあ」と杯を傾けるべし!

2009年2月

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