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第二十三話「闇に佇む光の魂」
作:Chierin
ルナティは真っ白い空間でメディーヌと向かい合わせで立ち
『ルナティよ。リセットの時がまた来たのだ。』
『だが、今回は違う。私が生み出したもう一人の私、ルナティお前がいるのだ。』
『どういうことですか?』
『お前には独自で学んだ技や術が刻まれている。』
『私には自ら扱えるものはリセットと再生のみ。』
『だが、もっと大きな力が私の中に眠っているはずだ。』
『はずとは?』
『恐らく私とお前が一つになったときある条件で発動可能になるかもしれぬ。』
『だが、その条件がわからぬのだ。私がお前を生み出す前は、それがわからず・・・』
『もしそれがわかっていれば、前回のリセットはやめていたのですか?』
『・・・・・・・・・・・わからぬ。』
『今回は、お前に賭けてみようと思う』
『え?』
『世界は、お前にかかっているのだ』
『もし、リセットするということに決めたらどうなるんですか?』
『お前は私に吸収され二度とその存在は現れないだろう』
『だが、逆の選択をすれば私はお前に吸収され、創造神という存在は無くなる。』
『未来同じ事が起きたとき、リセットと再生は出来なくなるだろう。』
『お前がその自らの手でこの世界を守っていかなければならないのだ。』
『さて、どうするルナティよ・・・』
『・・・・・・・・・・・・・・・』
そして、その頃・・・
まだ闇は晴れぬ世界で神は一人戦う。
暗黒神ゼクトアの魔力は凄まじく、下界は全て闇に飲み込まれていた。
神は闇に触れぬよう体を光で覆い、セルフィの魂が眠るゼクトアの腹の辺りを光の洗礼をするが
魂まで届かないのか、光は弾かれてしまった。
「ガッハッハッハッハ!!神よ!!何がしたいのだ!!」
「大人しく天界にいればいいものが!!お前の攻撃など今の我には通用せん!!」
そう言いながら勢いよく右腕を振り上げ、レイランスに向けて振り下ろした。
攻撃を喰らった神は、凄まじい勢いで飛ばされ瓦礫に追突。
一回の攻撃でもう体は動かなくなってしまった。
それ程までに暗黒神の力は巨大なものになっていたのだ。
動かなくなった神レイランスを暗黒神ゼクトアは、手に取り握りしめ苦しめ始めた。
「ぐああぁぁぁぁぁ!!!はぁぁぁああああ!!!」
「苦しめ!叫け!!そのお前の魂を我が喰ってやろう!!!」
「この身、朽ち果てようと・・・魂だけはお前にやらん!!!」
「なにをーー!!!!」
怒ったゼクトアは、握り潰す勢いで力を込めた。
神はグッタリし、もう何も言葉が返ってこなくなってしまった。
だが、胸の所から眩い光を放つ魂が現れた。
ニヤリと笑みを浮かべたゼクトアは、その神の魂をむしり取り口に放り込んだ。
『ルナティ、お前はセルフィを今でも愛しているのか?』
『はい。』
『セルフィはお前もわかっているとおり、神の分身だ。』
『お互いを愛する気持ちは変わっていなかったと私自信も実感した。』
『私はもう創造神として生きていくことは、やめにしたいと思っている。』
『メディーヌ様、それでは・・・』
『ルナティよ、お前も気持ちは決まっているのだろう?』
『・・・・・はい』
トクン・・・トクン・・・トクン・・・
トクン・・・トクン・・・トクン・・・
《体が熱い・・・でも苦しくはない・・・ここは一体・・・》
《誰かが僕を呼びかける声が聞こえる気がする・・・》
『セルフィ―――』
《何か感じる・・・この感じは僕に似てる・・?》
《セルフィよ。私とお主の魂が闇に消えてしまう前に問う。》
《ええ?あなたは一体誰ですか?》
《聞かぬともあとで全て思い出す・・・》
《セルフィよ。お主は守りたいものはあるか。》
《守りたいもの・・・?》
闇の中で辛うじて生きていたセルフィの魂は、問い掛ける言葉に反応し
スーっとセルフィの意識が飛んだ。
一瞬の出来事だったが、走馬燈のようにルナティと過ごしてきた日々が流れた。
魂の欠片として出会い、ルナティの心の中で一時期過ごしたあの頃。
人の姿を手に入れ、ルナティへの愛が通じたあの瞬間。
いつまでも一緒にいようと誓ったあの夜。
数え切れないほどの思い出が流れた。
ルナティへの気持ちが溢れ出し、抑えきれないほどだった。
セルフィの愛の力で魂が眩い光に変わり、この瞬間を待っていたかのように飲み込まれた
神の魂がセルフィの魂に触れた。
神の一部だったセルフィは、本来なら神に飲み込まれ神の一部になるところだが
今のセルフィの光の強さは、計り知れないほどのため、神の魂が逆に飲み込まれていった。
《あぁ・・・あなたは・・・レイランス様だったのですね・・・》
《こ、こんな・・・神であるあなたが、飲み込まれてしまったら・・・!》
《いいのだセルフィよ・・・これは私が望んだこと・・・》
《お主のその力でルナティや他の者を助けてやってくれ・・・》
そう言い残すと、神の魂は完全にセルフィへと飲み込まれ一部となった。
《・・・レイランス様!》
《う・・・ぐぐ・・・!!これは!?この力は!神の力!?これは凄い!!》
神の力を得たセルフィは、光を放ちながら無くした体を再生した。
そして、闇に満ちたゼクトアの体内から脱出すべく、光の力を全快にし最大級の魔法を撃ち込んだ。
ゼクトアの腹が徐々に光を帯びて、あまりの痛さに声を張り上げる。
「な、なんなのだ!!!腹が腹が痛い!!これは一体!!ぐああああぁぁぁぁ!!!」
《今まで僕やラクア、ルナティがお前で苦しんできたんだ、全力で倒しに掛かる!》
セルフィは、体から光を放ちながら闇に覆われたゼクトアの体内から脱出を無事果たした。
第二十三話「闇に佇む光の魂」終わり
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