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第三話「変化」
暗く静かな時間が流れる・・・
あれからどれぐらい時間が流れたのだろう・・・
横を見ると貴方が眠っている・・・私は、貴方と一心同体です。
「ん?」
ルナティがふっと起きると部屋のドアを叩く音がした。
ドアの前に立ち、警戒し呼びかけた。
「誰だ?」
「俺だ。ルナティ」
「あぁ、アーヴェイ様」
「どうなされましたか?」
「ラクア様は起きてらっしゃるか?」
「いえ、まだお眠りで御座います。」
「そうか・・・困ったな・・・。」
「どうなされたのですか?何か急用ですか?」
「いや・・・実験段階の魔法がやっと出来上がったのだ」
「それで、ラクア様に試してもらおうと思ったのだが・・・」
「この魔法は、ラクア様ではないと発揮出来ないのでな」
「発揮出来ないと?」
「ああ・・あの方は俺たち以上に精神力が膨大で、魔法の力を
最大に発揮出来る能力をお持ちなんだ。」
「??」
「まぁ・・儀式を見てみればわかるさ」
私は、これまで様々なラクア様の魔法の凄さを見てきたが、それ以上の
ものは見たことがないのだ。あの方が本気で力を出した時は今まで無かったのだと、
私は今知った・・・。
それから数時間後、私とラクア様はアーヴェイ様と共にディリック城の南西にある
平原に行くことになり、ラクアは飛空魔法を唱え平原へ向かった。
それを後にルナティ、アーヴェイもも飛空魔法で向かった。
広大な平原の真ん中には、とてつもなくでかい魔方陣が書かれている。
魔法の研究に使われているこの土地は、魔物さえ寄り付かないほどの魔力が
秘められている。
魔方陣の中央には、精神の未熟者が乗ると押しつぶされ消えてしまうほどの
力があるという。
ゆっくりとラクアは魔方陣の中央へと歩き出す。
ラクアは精神を落ち着かせ、身体から青白い光が立ち込めてきた。
「アーヴェイ、これから実験を開始する。」
「ルナティ、お前もよく見ておくんだ・・・これが私の真の姿だ。」
私にはこの時点で真の姿の意味がわからなかった。
息を整えラクアは呪文を唱え始めた・・・
姿が変わり始めてきた。透き通るほど綺麗な顔は、一変して恐ろしい顔立ちに変化していった。
身体は2倍に大きくなり魔力が数倍に感じられるようになった。


アーヴェイはラクアのほうを見てこう言った。
「ラクア様!ここに実験用の能無しの魔物を召喚します。」
「これで実験段階の魔法を試してください!」
ラクアの目の前に大きい魔法陣が出来、そこから魔物が召喚された。

「グヒヒヒヒヒヒヒ・・・オマエナド、オレガヤキツクシテヤルワ・・・ゲヘヘヘ」
ラクアに炎の上級魔法が浴びせられた。
煙とともにラクアは平然とした顔で姿を現した。
「ナニ!?」
「お前ごとき能無しの魔物に私が倒せると思うのか?ふふふふ」
「この実験魔法を試させてもらうぞ。」
周りには白く眩い光が立ちこめ、ものすごい魔力が私たちを圧迫し始めた。
ラクアは自分の目の前に指で呪文を書きはじめ、実験段階の魔術を唱えはじめた。
穏やかな空は黒く染まり、雷が鳴りどんよりした空気が流れ始めた・・・。
ラクアの瞳が赤く光を放ったと同時に、魔物に向けてかざした両手から
ものすごい数の漆黒の矢が突き刺さった。
「グヘヘヘ、コンナモン、ヌイテシマエバ、ヘデモネェ」
「そうかな?・・・くくく」
怪しく笑みを浮かべたラクアの一言の直後、魔物の身体に突き刺さった漆黒の矢が
変化を始め、餓鬼へと変わった。
「ナンダコレハ!?」
「だから、いっただろう・・・お前は喰いつくされるのだよ・・・くくく」
「ヌァ!?ナンダトォー!!グハハァァァァァァァッ!!!!」
無数の餓鬼は魔物の身体をむさぼりつき、骨まで喰べ尽くされて、餓鬼は消滅した。
「ぐははははは!!これはいい!」
「これがあれば、世界中のどんな物をも喰い尽くしてくれるわ!」
「ルナティ」
「はい?なんでしょうラクア様」
「実はなこれはお前のために開発されている魔術なのだよ」
「え?」
「憎き人間の世界をこの魔術で喰い尽くす為のものなのだ」
「復讐をしたいだろう・・・人間に・・違うか?」
「はい、復讐したいです」
「私を苦しめてきた人間、いや・・・世界が憎いです」
「だが、この魔術を使うには、もっと魔力が必要だ」
「お前にはまだ、これを扱うほどの力が無い・・・」
「ゼクトアに授かった力をもっと引き出さない限りは無理だな・・」
「やはり無理ですか・・・」
「いや・・一つだけ方法はあるのだがな・・」
「だが、この方法は下手をするとお前の魔力全部を奪ってしまう可能性がある」
「どうする、やってみるか?」
「はい、私はどんな可能性でも賭けたいです!」
「それでこそルナティだ」
「よし、やるぞ」
ラクアはルナティの前に立ち、呪文を唱え始めた・・・
青白い光と共に、青く光る小さなクリスタルが目の前に現れた。
「このクリスタルは、己の最大の魔力を引き出す力を持っている」
「だが、己の引き出そうとする力が強くなければ、反対に魔力を奪われてしまうぞ」
「はい、やってみます」
ルナティは、精神を落ち着かせ、身体の奥底から眠っている力を引き出す為に願った。
身体は青く光り、徐々に徐々にクリスタルの中に青い光は引き込まれていく。
っふっと、ルナティが目を明けるとその瞬間、クリスタルは激しく光り
物凄い勢いでルナティの額に減り込んだ。
「ぐはぁ!!」
身体中の細胞は変化を始め、顔が一変して恐ろしい形相になってゆく・・・
背中には黒く大きな羽が生え、魔力が増大した。
「くくく・・・お前なら出来ると思っていたよ・・」
笑みを浮かべながら、ラクアはルナティの頬に手をあてる。
「それにしても・・・お前はどんな姿になっても美しい」
「ラクア様、これで私はあの呪文が唱えられるのですね・・・・」
「ああ・・・だが、今のお前には変化した身体を保つのに長時間は無理だろう」
「これから毎日、精神力を磨く特訓をするといいだろう・・・」
それから私は毎日毎日特訓し、変化した身体を長時間保てる力をやっと手に入れた。
これで、人間界を死の世界へと変えれる力を手に出来たのだ・・・・
第3話終わり
(またまたまた感想お待ちしています〜^^;)
(今回は長かったかしらw?)
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