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第五話「夢」
作:chierin


「ふははは!!薄汚い人間どもよ!」
「この暗黒の矢で全て引き裂いてくれるわ!」

《ルナティ・・・君はそんな人じゃない・・・》
《・・・ルナティ・・・・・・・思い出してくれ》
《側に居るよ・・・ずっと守ってるよ・・・》

「・・・・・・・!?」

「なんなんだ!お前は!!」
「はぁはぁ・・・・・またあの夢か」

うなされて起きたルナティを心配して覗き込むラクア
「どうした、ルナティ」

「あぁ、ラクア様」
「起こしてしまいましたか・・・」

「いや、いいのだが、最近よくうなされているようだが、大丈夫か?」

「はい、大丈夫です・・・」

「上級魔法の使用は精神が削れるからな、気をつけたほうがいい」
「これから、なるべく私がサポートしよう」

「申し訳ないです・・・」

私はあの日以来、毎晩同じ夢を見るようになった。
人間界へ行ったあの日に私の目の前に現われた、あの男・・・
いったい私に何を思い出せというのだろう・・・

「ルナティ、今日は休むといい」

「ですが、今日はゼクトア様の封印を解く鍵を見つけに行くのでは」

「私に任せておけ」
「だから、お前は休んでおくのだ・・・わかったな?」

「はい、わかりました。ラクア様」

・・・・
それから数時間眠りに着いた・・・
そして、またどこからか優しい暖かい声が聞こえてきた。

《ルナティ・・・》

またアイツか・・・

《今回は、強力な力が君の側に居ないから》
《今の僕のままで喋れるようだ・・・》

「!?」
「強力な力?ラクア様のことか?」

《それもある・・・だけど、もうひとつの強大な力が薄れたせいも・・・》

「もうひとつの強大な?」
「いったい何が言いたいのだ」

《僕は、君の事をずっと前から知っているんだよ》
《だけど、僕の口からはどうしても言えないんだ》
《それは、僕でもわからない・・・呪いなのかもしれない》
《それか、封印された僕のもうひとつの魂が・・・》

《ただ、早く僕の封印が解けないと・・・・》
《もうひとつの魂が・・・・・・強大な力によって・・・》
《駄目だ、封印の力がまた強まってきた・・・》

《君はもう目覚めの時だね・・・》

「・・・・・・」

「・・・ルナティ・・・・ルナティ?・・・」
「大丈夫か?」

目を覚ますとラクアが心配そうにルナティを見つめていた。

「ラクア様・・・お戻りになったのですね」

「あぁ、君のことが心配でな・・・」
そっとルナティを抱き寄せキスをした。

「ラクア様・・・封印を解く鍵は見つかりましたか?」

「いや・・・なかなか見つからなくてな」
「様々な国を攻めたが、何も見つからなかった・・・」
「さほど広くない人間界のはずだが、いまだ無いとは・・・おかしいな」

「・・・・」
「・・・うっ」
ラクアが頭を押さえて倒れ掛かり、それに気づいたルナティが即座に支えた。

「!?」
「どうなさいましたか?ラクア様!」

「いや・・・急に頭が痛んでな・・・・・」
「たいしたことは無い、心配するな」

「・・・・・・・・はい」

ラクアは、すっと立ち上がり

「これからゼクトア様のところへ行く。すぐ戻る。」

と言うと、部屋を出て行った。

それから数時間、ラクア様が部屋を出て行ったきり戻ってこない。
城の者に聞いても、ラクア様は地下に行ったきりだと言う・・・
私は、ラクア様の身に何かあったのではないかと心配になり
急いで地下の暗黒の扉に行くことにした。

扉の前に立つと同時にまたアイツが現われた。

《・・・ル・・ナ・・・・ティ・・・・・・》
《こ・・・・こ・・は・・・・力・・が・・・強すぎ・・・て・・・》
《うま・・・く・・・・伝え・・・ら・・れな・・い・・・・けど》
《早く・・・・はや・・・く・・・・・・》
《ラク・・・アが・・・・・僕が・・・あ・・・・・ぶ・・・・・・・な・・・・・ぃ・・・》
《・・・・・・・・・》

「!?」
「なんだ?何が言いたい!?」
「ラクア様に何か起こってるのか!?」
「確かにラクア様の気が感じられない・・・」
「いったい何が・・・・?」


第五話終わり


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