戻る

第六話「暗黒の心」
作:chierin


《ル・・・ナティ・・・気を・・・・・つ・・けろ・・・》

暗黒の扉を開くと微かに聞こえてた声は途絶えた。
ルナティは心の中でラクアに問いかけた。

『ラクア様!いらっしゃいますか!?』

『・・・・・・・・・・・・・・』

『・・・オォ・・・ルナティ・・・来るのを待っていたよ・・・クククク・・・』

『!?』
『!』
『ゼクトア様ですか?ラクア様はどこにいらっしゃるのでしょう?』

『ククク・・・』
『ラクアなぁ・・・あいつには私の分身として色々やってもらった』
『いい分身だったよ・・・クハッハッハ』

『!?』
『どういうことですか!?』

不気味な笑みを浮けべ
『こういうことだだよルナティ・・・』

ルナティの目の前に、魂の抜かれたラクアが現われた。
『!?』
『ラクア様!どうなされたんですか!?』

『クッハッハッハ』
『ルナティよ、ラクアはお前を愛するようになり』
『お前の存在の為に動くようになったがために』
『我の命令を聞かなくなったのだよ』
『こんな魂は我には必要ない!』
『我がまた食らいもっと邪悪で冷酷な魂を生み出そうではないか』

『ゼクトア様!?どういうことです!?』

『ククク・・・ルナティ・・・すまないなぁ』
『ラクアは生まれ変わるんだよ・・・お前のことも全て忘れる』

『!?』
『そんな・・・私は・・・私は!、ラクア様あってのルナティです!』
『ラクア様の為に頑張ってこれたのです!』

『フッ・・・知るか・・・私の命令が聞けぬクズは用なしだ』
『ルナティ・・・お前もよく見ておくのだ・・・クククッ』

『やめろっ!!ラクア様をどうする気だ!!!』

暗黒神ゼクトアは、ラクアから抜き取った魂に食らいついた。
飲み込まれる一瞬、眩い光が走った。
ゼクトアは、城全体に響き渡るほどの奇声を発しながら、どす黒い魂を吐き出した。

ルナティは見ていることしか出来なかった。
身体が金縛りのように動けないようになっていたからだ。
涙を浮かべ見つめているルナティ。

『ラクア様・・・』

どす黒い魂をラクアの身体に埋め込んだ。
生気のなかった目が白く美しい目に戻った。
ルナティの金縛りも解け、即座にラクアの胸へ飛び込んだ。

「ラクア様!」
「わかりますか!?私です!ルナティです!」

ラクアは、ルナティの顔を見ず冷酷な顔つきでこう言った。

「ルナティ?知らぬな」
「お前のような無礼者、気安く触るでない」


そう言うと、ルナティの腹を殴り飛ばした。

「ラク・・ア様・・・うぅ・・・」

気を失いかけるルナティの心の中にまた微かに声が聞こえてきた。

《ル・・ナ・・・ティ・・・・聞こ・・・え・・る?》
《・・・なん・・と・・か・・・・・して・・・・僕・・の・・・・封印・・を・・・と・・いて》
《も・・し・・・・とけ・・・た・・ら・・・・ラク・・ア・・も・・・》

意識が完全に途切れた・・・

ふと、気がつくとそこはルナティの部屋だった。
周りを見渡すルナティ。
さっきまで起こってた事が夢ではないのかと困惑する。
すると、戸を叩く音が聞こえた。

「誰だ」

「はい、アーヴェイです、今よろしいでしょうか」

「アーヴェイ様ですか、どうぞ入ってください」

「ルナティ、ラクア様は一体何があったのでしょう?」
「今朝方お会いした時と、ずいぶんご様子が変わっておられたので」
「とても冷酷で、部下にミスなどあったときは、その場で焼き殺すほど」
「まるで心が無いような、笑いもせず、怒りもせず、顔色も変えず・・・」

ルナティは、暗黒神ゼクトアがしたことを話そうとしたが・・・
何故か言葉に出来ない。
あの出来事全て話すことを禁じられているようだ。

「い、いや、私は何も知りません・・・」

「おお、そうか・・・」
「休みのところすまなかったな・・・では、また」

「はい・・・・」 

アーヴェイの言葉で全て真実だったことが明らかになった。
「うっ・・・・うぅ・・・あぁ・・・」

ルナティは、数千年ぶりだろうかというくらい声を殺して泣きじゃくった・・・
涙など、とうの昔に捨てたはずなのに・・・

第六話終わり


戻る

Copyright (C) 2008 kaito, All rights reserved.