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第七話「光の心」
作:chierin
《ルナティ・・・ごめん・・・僕の封印が解けていれば・・・》
「またお前か・・・」
《だが・・・ラクアは・・・ラクアの魂は・・・》
「ん?」
《・・・あの時・・・僕の術が効いているなら・・・・もしかしたら・・・》
「どういうことだ?」
《この火の玉の僕は全て封印される前に・・・・分裂した魂なんだ・・・》
《微量だけど魔力はある・・・》
《だから、ラクアの魂に・・・わずかだが術をかけたんだ・・・・・》
「封印とは一体?」
「術とは何をかけたんだ!?」
《守る術だよ・・・効いてるかわからない・・・》
「だが、何故だ何故守ろうとした」
《僕にもわからない・・・僕にも記憶が全てあるわけじゃないんだ・・・》
《ただ、君と関わっていたことと、それとラクア・・・》
「ラクア様と関係があったのか?」
《・・・・おそらく》
《・・・・・そ・・ろそ・・ろ・・・・・じか・・・んだね・・・・》
「お、おい!待て!」
《ま・・た・・・・ね・・》
「・・・・・・・・・」
「ハァッ!」
声を張り上げて飛び起きるルナティ。
沈みかえる城内に響き渡る。
「はぁはぁはぁ・・・」
「毎晩出てくるが・・・一体・・・アイツは何者なんだ・・・」
トントントントンとドアを叩く音が響く
ルナティはドア越しに問いかけた。
「誰だ」
「アーヴェイです」
「アーヴェイ様ですか・・・何かありましたか?」
「いえ、お声がしたので・・・」
「あぁ・・・大丈夫です、心配いりません」
「毎晩のようですが、何かありましたら、お申し付けください」
「では・・・」
アーヴェイはそう言うと、ルナティの部屋を後にした。
ルナティは頭を抱えながら考え込んだ。
『ラクア様・・・アイツの言うとおりなら、何かしら方法はあるはずだ・・・』
『アイツの封印を解けば、何かわかるかもしれぬな』
『だが、どうやって解くというのだ』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
『あああぁぁ!!何でアイツの封印を解くだの考えてるんだ!』
『たかが夢での話だ、くだらん!』
心の中で否定しつつも、どこかで信じたい気持ちがルナティにあった。
それからも毎晩、セルフィが夢の中に出てきては、ルナティに語りかけた。
ルナティも否定的だったが、いつしかその希望にかけてみようと思い始めていた。
愛する人の為に・・・
《ルナティ・・・君とはずいぶん話すようになったね・・・》
《君の心の中の闇が薄れ、僕の心の光が当たっているようだ・・・》
《・・・・・君が僕を受け入れてくれるなら、僕の力を君の身体に預けようと思う》
《どうだろう?・・・受け入れる勇気はあるかい?》
「・・・・・・・・・・」
「受け入れたとして、私はどうなる?」
《闇の力は薄れ、光の力が強くなる》
《君がそれを拒めば、君の心は硬く閉ざされ、君が君じゃなくなる・・・》
《わかるよね?・・・心の無い人形になるよ》
「うむ・・・」
「光の力か・・・」
《そう、光の力が強くなれば、闇の力のゼクトアにも太刀打ち出来ると思うんだ》
《実体の無い僕では、大きな術を発動出来ない》
《だけど、ルナティ・・・君に力を預ければ、もしかしたら封印も解けるかもしれない》
《力を預け、僕は君の中に宿る、そして力の使い方色々教えよう》
「だが、もし私が光の力を手にしたら・・・」
《うん・・・魔族界には居られなくなるね・・・・》
《・・・・ラクアとも敵対関係になる》
《それでもいいなら、僕は力を貸すよ》
ルナティは険しい顔つきで考え始めた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「うむ・・・私には考える余地など無い・・・」
「今の冷酷なラクア様を目覚めさせ、暗黒神ゼクトアを・・・・」
「セルフィ・・・お願いだ、私に力を貸してくれ」
《あぁ・・・いいのだね》
《わかった、今から僕は君に力を貸そう》
セルフィは、眩い光を放ちルナティの額のクリスタルにスーっと入り込んだ。
その瞬間、激しい痛みとともに、ルナティの身体が変化していく。
「ぐああぁぁあぁぁぁ!!」
顔にあった刻印は消え、額の漆黒のクリスタルは透き通る綺麗なクリスタルに変化した。
そして、背中には白く美しい大きな羽根が生えた。

「こ・・これは、一体・・」
セルフィがルナティの頭の中に語りかける。
《僕の力は光の力、神から授かった光の力》
《そして、その羽根は神が君を受け入れてくれたという証拠なのだよ》
《純粋なる愛の力が君の心を闇から光に変えさせたんだ》
《自信を持っていい・・・君には神の加護があるのだから》
《そう・・・あとひとつ守ってほしいことがあるんだ》
「なんだ?」
《光の力を利用して人を殺さないでほしいんだ》
《もしも守れなかったら、君に宿る光の力はまた闇の力に変わり、僕はその闇に飲まれる》
《いいね?》
「ああ、わかった・・・」
《さぁ、目覚めの時だよ》
「・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ・・・」
ルナティは静かに目覚めた。
「私のような奈落のそこに落ちたような人間でも、神は見捨ててなかったのか・・・」
「これから、ラクア様と敵対関係になるが、私は負けない・・・」
「本当のラクア様を目覚めさせるために・・・」
「そして、セルフィ・・・お前の封印を解くために」
「どんな苦しみが待っていようとも・・・」
第七話終わり
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